【前編】あの人は今どうしてる? 映画業界から遠ざかった人気俳優の“その後”

2020年10月9日 12:30


キャメロン・ディアスの“その後”は?(写真は「チャーリーズ・エンジェル」)
キャメロン・ディアスの“その後”は?(写真は「チャーリーズ・エンジェル」)

米俳優アーミー・ハマーが、約2カ月ほどの建設現場勤務を明かしたのは、今年8月のこと。「君の名前で僕を呼んで」「ローン・レンジャー」で知られるスターが“別の仕事をしている”という事実に、世間は驚きを隠せなかった。その一方で、これまでにも映画業界から遠ざかり、別の道を歩んだスターは大勢いる。前後編に分けて、8人を紹介しよう。(文/細木信宏 Nobuhiro Hosoki)


キャメロン・ディアス

16歳の時からモデル会社と契約し、カルバン・クラインやリーバイスのモデルとして活躍。21歳の時「マスク」で映画デビューを果たすと「メリーに首ったけ」「チャーリーズ・エンジェル(00)」といったヒット作に次々と出演。「ギャング・オブ・ニューヨーク」「私の中のあなた」でのシリアスな芝居も評価された。14年の「ANNIE アニー」を最後に俳優活動を休止している。

グウィネス・パルトロウとの対談(Vanity Fair)では「(数百万ドルの予算がかかるような)映画で仕事をして、ずっと公の場に身を置くことが非常に厳しかった。映画を作っていると、それが完璧な言い訳になる。映画は、何カ月も、1日12時間くらい撮影している。私を支配していた。ほかに何かをする時間もなかった。だから、自分の人生の一部を他の人々に引き渡していたことに気づき、その自分の人生を責任を持って取り返した」と語っている。

自身の人生を取り戻したディアスは、15年にニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストにも挙がった「ザ・ボディ・ブック 食べること、運動すること、生きることを楽しむ最高のレッスン」、16年に「The Longgevity Book(原題)」を出版している。第1子となる女児が誕生し、母親としての日々を送りながらも「Avaline」というワインブランドを立ち上げた。


ジーン・ハックマン

海兵隊除隊後、さまざまな職を経て、30歳を過ぎてから俳優を志したハックマン。リー・ストラスバーグのアクター・スタジオで演技を学び、「俺たちに明日はない」で注目を浴び、「ポセイドン・アドベンチャー(1972)」「スケアクロウ」「ミシシッピー・バーニング」などに出演。90年に心臓発作を起こして一度は引退を考えたが「許されざる者(92)」で復帰。最後の映画出演作は、04年の「ムースポート」となっている。

09年のインタビュー(Empire)では、医者から「あなたの心臓はストレスをかけるべき状態ではない」と忠告されていたことを告白。その後、考古学者の友人ダニエル・レニハンとともに、歴史小説「Wake of the Perdido Star: A Novel(原題)」(99年出版。俳優引退前に手掛けたもの)、「Justice for None(原題)」(04)、「Escape from Andersonville(原題)」(08)を出版。単独では、11年に「Payback at Morning Peak(原題)」を出版している。

09年の同インタビューでは「自分は偉大な作家ではないが、執筆過程を楽しんでいる」と話したハックマン。妻と低予算映画を鑑賞することを好み、金曜日にはコメディをチョイス。スタンドアップ・コメディアン兼俳優のエディ・イザードに注目している。


アリ・マッグロー

ダイアナ・ブリーランドが編集長を務めた「ハーパース・バザー」で写真家のアシスタントとして働き、その後「ヴォーグ」のモデルとして活躍。「ボディガード(68)」で映画デビューし「ある愛の詩」「ゲッタウェイ(72)」でスターダムにのし上がる。その後、「ゲッタウェイ(72)」で共演したスティーブ・マックィーンと結婚している。

80年代以降は、TV映画、TVシリーズにたまに出演する程度。97年の「Glam(原題)」を最後に、映画には出演していない。ただし、舞台には立っており、06年には映画「セレブレーション」を基にした「Festen(原題)」、16年に「ある愛の詩」のライアン・オニールと再共演を果たした「Love Letters(原題)」に参加。50代からは“ハタ・ヨガ”にハマり、アメリカのヨガマスター、エリック・シフマンとともにヨガビデオ「Ali MacGraw Yoga Mind and Body」をプロデュース。現在はニュー・メキシコに住んでいるそうだ。


マーラ・ウィルソン

6歳の頃、ロビン・ウィリアムズ主演作「ミセス・ダウト」のオーディションに合格して映画デビュー。ジョン・ヒューズが製作した「34丁目の奇跡(1994)」、ダニー・デビート監督作「マチルダ(1996)」で子役としての知名度を上げる。最後の映画出演作は、00年公開「きかんしゃトーマス劇場版 魔法の線路」となった。

当時の現場について「私が数カ月の時を経てセットに戻ってくると、セットにいた人々は、心配そうな表情を浮かべていました。監督が来て、私と一緒に座り、体が変わっていることを説明してもらう必要があった」と述懐。体型の変化によって自分の居場所がなくなったことに傷ついたようだ。その後、Jezebel、The Toast、The Daily Beastなどのメディアに執筆するライターに転身。16年には自叙伝「Where Am I Now?: True Stories of Girlhood and Accidental Fame(原題)」を出版している。

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