仏映画サイトが選ぶ、オープニングが素晴らしい20作品
2020年7月24日 20:00
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[映画.com ニュース]仏映画情報サイトallocineがオープニングが素晴らしい映画20作品を選出。映画.comの作品情報と共に紹介する。
■「2001年宇宙の旅」(1968)
「わずかな音で映像が優雅な瞬間に。観客はリヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』を背景に、地球、月、太陽の整列を発見する」
スタンリー・キューブリック監督と原作者アーサ・C・クラークによる、映画史を代表する不朽の傑作SF。極端に少ないセリフや固定した長回しのカメラワーク、クラシック音楽の使用などが斬新で印象を残す。撮影時に開発された新技術と、科学的裏付けの追求により人工知能HALの暴走がリアルに描かれ、第42回アカデミー特殊視覚効果賞受賞。
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■「カールじいさんの空飛ぶ家」(2009)
「ピクサーの映画の中でも最も記憶に残るものの一つ。このシーンでカールとエリーの愛の物語をたどることになる」
ピクサーの長編第10作で、監督はピート・ドクター。亡き妻との思い出が詰まった家にひとり静かに暮らしている78歳のカールじいさんが、妻の夢だった南米奥地の秘境を目指すため、家に大量の風船をつけて人生最後の大冒険に出る。
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■「イングロリアス・バスターズ」(2009)
「華麗で完璧な演出。緊張感と言語の混ざり合いが、二人の主人公の間に織り成す権力と支配が完全に逆転するところまで描かれている」
クエンティン・タランティーノ監督が、1978年の「地獄のバスターズ」に着想を得て製作した戦争ドラマ。1944年、ナチス占領下のパリ。ナチスに家族を殺された映画館主のショシャナは、ナチス高官が出席するプレミア上映会の夜、復讐を果たそうと計画を練る。ブラッド・ピットが主演。
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■「ロード・オブ・ウォー」(2005)
「武器取引に焦点を当てた映画としては、銃弾の製造から使用に至るまでの人生を追跡すること以上に良いことがあるだろうか? 最初の数分を、フェイクのシーケンスショットとデジタルエフェクトで撮影。15年経った今でも相変わらず強く、意義深い導入部」
史上最大の武器商人と呼ばれた男の半生をニコラス・ケイジが演じる風刺アクション。ウクライナで生まれて家族といっしょにアメリカに渡ったユーリーは、やがて武器の売買に目をつけ、世界有数の武器商人に成り上がっていく。監督は「ガタカ」「シモーヌ」のアンドリュー・ニコル。
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■「スクリーム」(1996)
「アメリカ映画の最も象徴的なオープニングの一つ。電話での誘惑の単純なゲームとして始まったものが、クレッシェンドし、本当の悪夢に変わります」
新鋭脚本家ケビン・ウィリアムソンの手がけた意表をつく物語が話題を呼び、大ヒットを記録したホラーシリーズ第1弾。高校生ケイシーとその恋人がマスクをかぶった者によって惨殺されるという事件が起こる。外出禁止令が敷かれる中、町を殺人鬼が徘徊する。
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■「ラ・ラ・ランド」(2016)
「ロサンゼルスの高速道路105号線と110号線で撮影されたモックショットのシーケンス。渋滞にはまったセバスチャンとミアが、満天の陽射しの中、車の間や車の上で踊る素晴らしい瞬間を目撃する」
デイミアン・チャゼル監督が、ライアン・ゴズリング&エマ・ストーン主演で描いたミュージカル映画。第89回アカデミー賞では史上最多タイとなる14ノミネートを受け、チャゼル監督が史上最年少で監督賞を受賞したほか、エマ・ストーンの主演女優賞など計6部門でオスカー像を獲得した。
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■「市民ケーン」(1941)
「オーソン・ウェルズの名作のオープニングは、映画の最後まで観客に謎を与えてくれる、映画史の中でも最も素晴らしいオープニングの一つ」
オーソン・ウェルズが1941年に発表した処女作。荒廃した壮大な邸宅の内で、片手に雪景色の一軒家のあるガラス玉を握り、“バラのつぼみ”という最後の言葉を残し新聞王ケーンの生涯をニュース記者トムスンが追う。
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■「ソーシャル・ネットワーク」(2010)
「マーク・ザッカーバーグの性格が、ジェシー・アイゼンバーグの演技とアーロン・ソーキンの見事な台詞のおかげで完璧に表現されている」
世界最大のソーシャルネットワーキングサイト「Facebook」創設者マーク・ザッカーバーグの半生を、鬼才デビッド・フィンチャーが映画化。2003年、ハーバード大学に通う19歳のマークは、親友のエドゥアルドとともに学内の友人を増やすためのネットワーキング・サービスを開発。社会現象を巻き起こすほどの巨大サイトへと急成長を遂げるが……。
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■「ジョーズ」(1975)
「最初のシークエンスでは、真夜中に泳いでいる最中にサメに襲われた若い学生の死が描かれています。ジョン・ウィリアムズの不穏なスコアと同様に、このオープニングは45年後の今も時代を超越している」
製作当時、弱冠27歳だったスティーブン・スピルバーグが、ピーター・ベンチュリーの同名小説を映画化し、大ヒットとなった海洋パニック。海水浴客でにぎわう夏の海に、突如として巨大な人食いザメが出現。若い女性が無残に食い殺される。
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■「ウォッチメン」(2009)
「2人の元スーパーヒーローの戦いから始まるオープニング。血まみれの打撃、スローダウンと壊れたセット、黄色のスマイリーフェイスのクローズアップという物語の始まりに最適な表現」
1986年に発表され、ヒューゴー賞を受賞するなど、高い評価を受けたアラン・ムーアの名作グラフィックノベルを、ザック・スナイダー監督が映画化。985年のニューヨーク、米ソ間の緊迫状態が続く中、政府により活動が禁じられていたウォッチメンの1人、エドワード・ブレイクが暗殺される。
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■「リング」(1998)
「ホラー映画のオープニングシーンは、最初の数分から観客の注意を引くという難しい仕事をしています。中田映画監督はこれを得意としており、純粋な恐怖の瞬間を提供している」
呪いのビデオが巻き起こす惨劇を描いた鈴木光司のベストセラー小説を、「女優霊」の中田秀夫監督&高橋洋脚本で映画化し大ヒットを記録したホラー映画。ジャパニーズホラーブームの火付け役となり、2002年にはハリウッドでリメイクされた。
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■「マトリックス」(1999)
「最初の数分で、観客はキャリー・アン・モス演じるトリニティと出会う。重力の法則を無視したトリニティの能力は、この傑作SFの古典的なトーンを明らかにするのに成功している」
キアヌ・リーブス主演で、仮想現実空間を舞台に人類とコンピュータの戦いを描いた、ウォシャウスキー兄弟によるSFアクション。香港アクション界の雄、ユエン・ウーピンをアクション指導に招いて取り入れたワイヤーアクションや、バレットタイムと呼ばれる撮影法により革新的なアクションシーンを生み出し、世界的大ヒットを記録した。
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■「グラディエーター」(2000)
「最初のシークエンスでは、マキシマス(ラッセル・クロウ)が帝国に陥落する前とその偉大さ、そしてコモドゥス(ホアキン・フェニックス)への復讐の始まりが紹介されている」
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■「地獄の黙示録」(1979)
「ゴッドファーザー」シリーズで世界的成功を収めたフランシス・フォード・コッポラ監督が、1979年に発表した傑作戦争映画。ジョゼフ・コンラッドの小説「闇の奥」を原作に、舞台をベトナム戦争下のジャングルに移して戦争の狂気を描き、第32回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞。
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■「ドライヴ」(2011)
「最初のシークエンスは、カビンスキーの『ナイトコール』のリズムに合わせたテーマ曲の成功に助けられて、観客をニコラス・ウィンディング・レフンの世界に没入させる」
ライアン・ゴズリング主演で、昼はハリウッド映画のカースタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手として働く孤高の天才ドライバーが、愛する女性を守るため裏社会を相手に命がけの戦いを繰り広げる姿を描いたクライムサスペンス。
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■「ハロウィン(1978)」
「ジョン・カーペンターは、オープニングを主観的なカメラで撮影しながら、6歳のマイケルの心の中に入り込み、初めての犯罪を犯す準備をしています。未来の連続殺人犯がマスクの下で息をしているのが聞こえてくる音の使い方が素晴らしい」
ジョン・カーペンター監督の名前を世界中に轟かせることになった大ヒット・ホラー。15年前、包丁で自らの姉を殺害したマイケルが精神病院を脱走し、ハロウィンの夜に故郷に戻る。担当医ルーミスの追跡をよそに、白いマスクをつけ、包丁を手にしたマイケルは殺戮を繰り返す。
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■「ダークナイト」(2008)
「ゴッサムシティでの信じられないような銀行強盗事件から始まり、ジョーカー(ヒース・レジャー)とバットマン(クリスチャン・ベイル)が対峙する」
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■「大人は判ってくれない」(1959)
「フランソワ・トリュフォーは、この映画のオープニングで首都のシンボルであるエッフェル塔に焦点を当てて、観客をパリの街に案内します」
ヌーベルバーグを代表するフランソワ・トリュフォーの第一回監督作品。当時12歳のジャン=ピエール・レオーをオーディションで主役に抜擢。家庭の愛に恵まれなかった少年の反抗と成長を描くトリュフォーの自伝的作品。
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■「時計じかけのオレンジ」(1971)
「オープニングで、アレックスの苦悶のまなざしがクローズアップされる。これに続いてバーでの印象的な場面に移り、私たちはこの主人公の不穏で、不健康で、超暴力的な世界に飛び込んでいく」
原作者のアンソニー・バージェス自身が”危険な本”と語った同名の小説をスタンリー・キューブリックが映像化。非行少年による暴力が横行する近未来のロンドン。喧嘩とレイプに明け暮れる日々を過ごすアレックスは、中年女性を死に至らしめた彼は刑務所行きに。しかし2年後、とある治療法の被験者になることを条件に、社会に戻ることを許される。
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■「プライベート・ライアン」(1998)
「第2次世界大戦の退役軍人がフランスを訪れ、アメリカ人墓地に到着するところから始まる鮮烈な戦争映画。信じられないほど感動的なノルマンディ戦の再演で戦時中の記憶を呼び覚ます」
スティーブン・スピルバーグ監督が第2次世界大戦を題材に、過酷な戦地での男たちの友情と生き様を描いたヒューマンな戦争映画。戦場の殺戮を徹底したリアルさで再現し、ドキュメンタリー映画の迫力さえ帯び話題となった。
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