グラディエーター

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

「ブレードランナー」の巨匠リドリー・スコットが、古代ローマを舞台に復讐に燃える剣闘士の壮絶な闘いを描き、第73回アカデミー賞で作品賞・主演男優賞など5部門に輝いた歴史スペクタクル。

古代ローマの皇帝アウレリウスは、信頼を寄せる将軍マキシマスに次期皇帝の座を譲ろうと考えていた。それを知った野心家の王子コモドゥスは父を殺して玉座を奪い、マキシマスに死刑を宣告。マキシマスは故郷へ逃れるが、コモドゥスの手下に妻子を殺されてしまう。絶望の中、奴隷に身を落としたマキシマスはやがて剣闘士として名を上げ、闘技場で死闘を繰り返しながらコモドゥスへの復讐の機会を狙う。

主人公マキシマスをラッセル・クロウ、宿敵コモドゥスをホアキン・フェニックスがそれぞれ演じた。

2000年製作/155分/アメリカ
原題:Gladiator
配給:UIP
劇場公開日:2000年6月17日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第24回 日本アカデミー賞(2001年)

ノミネート

外国作品賞  

第58回 ゴールデングローブ賞(2001年)

受賞

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀作曲賞 リサ・ジェラルド ハンス・ジマー

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) ラッセル・クロウ
最優秀助演男優賞 ホアキン・フェニックス
最優秀監督賞 リドリー・スコット
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映画評論

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映画レビュー

4.0「この世の人間は影と塵」

2022年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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すっかん

3.5人の嫉妬心を侮ってはいけない

2022年3月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

マキシマスはもちろん気の毒だが、コモドゥスもなんとも不憫であった。
おじいさん皇帝のアウレリウスがコモドゥスに対してあまりに無神経すぎたのがそもそもよくない。
細心の気を使ってフォローしていれば、コモドゥスもあんな「嫉妬心の化け物」にならなかったのではないか。マキシマスもマキシマスだ。序盤もう少しコモドゥスにフレンドリーにしてやっていても。。明らかにアウレリウスに対する態度と異なっていた。そういうのはコモドゥスにも伝わるんだよー。
(頼むから、もう少し上手にやれよー)
「人の嫉妬心を甘くみてはいけない。うまくなだめないといけない。」という教訓をもらった。仕事に活かします。。

しかし、はじめて最初から最後まで通しで観たが「“スペイン人”グラディエーターがマキシマスだった」ということが明らかになってからも長かったんだな。後半は「強権による力も民意の前では自由に動けない。」ということを示す内容。 プーチンロシア vs SNSで結束するウクライナと世界 のようであった。

マキシマスの遺体は皆に担がれて闘技場を後にする。
その端でコモドゥスの遺体は寂しく放置されたまま。
象徴的なシーンであった。

※コニー・ニールセンはとんでもなく美しかった。
※ラッセル・クロウを堪能する映画ですね。これ。

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共感した! 10件)
momokichi

4.5続編が近々あるとの事で。

2024年7月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

続編情報があったので観た事無かったので鑑賞した所ハマりました、出演陣も豪華で若々しくパッと見別人かと思いました。
良い終わり方で満足したので逆に次は蛇足にならないか不安。

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はまぐりの短い感想文

3.5暴君マルクス・アウレリウスに、人生を壊された三人。

2024年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

映画の中では”賢帝”のように評される先帝マルクス・アウレリウス。
けれど、どこかじゃ?と思ってしまう。

「お前がダメなのは、父がダメだからじゃ」と言われて嬉しい子どもがいるのだろうか?
 息子が自分の期待に合わなかったからと、あからさまに、その息子の前で、自分の期待に応える息子をかわいがる父(今なら心理的虐待に入る)。
 領土拡大したから、偉大な皇帝?まるでロシアのプーチンだ。
 そうやって、原住民を蹴散らし、被害を与えておいて、死期が近づき、己への後世での評価を気にし、「私は何をしたのだろうか」って。
 自分のことしか考えない。
 「共和制に戻す」っていきなり言って、さも良さような人になっているが、段取り考えない。思い付き。組織変更の苦労をすべてマキシマスに丸投げ。そんなの引き受けたくない。
 上に立つ才の無い2代目を、わが子可愛さに2代目にして、つぶれていく組織は多いから、それをしなかったのは英断。でも、それにしたって、根回しして、周りの重臣を巻き込みながら、息子の気持ちに寄り添いながら、穏やかに代替わりしたのならこんなことにはならなかったのに。急いては事を仕損じる。その典型。
 老いて、自制が効かなくなり、死期も近いことから衝動性が止められなくなったのだろうか?

そんな父の元に生まれてしまった姉と弟。
 姉は、マキシマスに「嘘ばかり」と評され、「そうしなければ生きていけなかった」と返す。どんな生活を送ってきたのだろうか?日本の”大奥”のような暗殺・権謀に幼いころからさらされたのだろうか?『英国王のスピーチ』に出ていたように、乳母たちからの虐待? 実際、ヨーロッパ貴族の子弟は、召使たちからの性被害にあっていた人が多いと聞く。そんな中で、権謀術にたけたのだろうか?
 弟も、かしずかれていても、己の欲のために動く召使たち・取り巻きに、よいしょされ、下げずまれて、生きてきたのだろうか。誰にも安心して甘えられず。
 母は?
 父は評価するのみ。
 二人は、お互いのみを頼りとするしかなかったのか。

マキシマスには、そんな親子関係など、想像もできなかったのだろう。
 ひたすら、妻と子の元に帰りたかったマキシマス。子は目に入れても痛くないほどかわいいはず。誰にとっても。
 だから、せっかく、コモドゥスに一矢報いるチャンスが巡ってきても、息子と同じ年頃のルキウスがコモドゥスの前に立つと諦めてしまう。
 ルッシラが裏切っても、ルシウスを守るためだろうと許してしまっている様子。
 マルクス・アウレリウスが、マキシマスに固執しなければ、こんなことにならなかったのに。ちゃんとマキシマスの望みを叶え、故郷に帰し、そののち呼び出せばよかったのに。
 マキシマスとコモドゥスとの間には、ゲルマニアへの遠征以前から確執があったのだろうか。コモドゥスがゲルマニアに到着した時点で既にマキシマスからコモドゥスへの思いやりも敬意もない。”父”として慕う先帝を殺された思い、(実)父殺しをした輩への思い。そのうえでのコモドゥスへの対処。軍は自分の味方、コモドゥスには何もできないという驕りがあったのではないか。
 そんな確執に巻き込まれて亡くなったマキシマスの妻と子が不憫でならない。

確かに、コモドゥスは、マキシマスから妻と子を奪った。
でも、コモドゥスから父と栄光を奪ったマキシマス。勿論、それは父の咎で、マキシマスのせいではないのだが。
  『三国志』で、劉氏が息子を差し置いて、劉備に国を譲ろうとした時の劉備の対処と比べて、なんとも拙い。戦いにはたけていたが、情勢を見るのは下手だったのか。辺境にいたから、ローマの情勢がつかめなかったのか。

★ ★ ★ ★ ★

なんたる愛憎劇。
 求めるものを得られなかった二人。
 帰郷したかっただけのマキシマス。
 父の、姉の、民衆の愛を得たかっただけのコモドゥス。

初見では、ホアキン・フェニックス氏の演技に魅了された。
 この方は、他の映画でも、得られぬ愛を乞う演技が本当に上手い。
 そして、この映画では、青白い顔、目の下のクマ。監督による演出だそうだ。
 皇家のやんごとない生まれの立ち振る舞い。視線の投げ方。
 それでいて、中二病らしい繊細さ。壮大なことを考えていそうでの短絡思考。脚本・演出とはいえ、この方が演じるとハマる。
 姉から渡された薬を飲むときの表情。”毒”?と怪しみながらも、飲み干す姿。そしてなんでもなかった時のかすかな表情。緊張感あふれてドキドキする。

そして、ニールセンさんの演技にも共感する。
 いかにも、権謀術にたけた登場。
 息子を思う気持ちと、弟を思う気持ちの変化。やつれ具合。

何度か見直すうちに、クロウ氏の繊細な演技に気づく。
 カリスマ性のある将軍・グラディエーターの役。
 強さが目立ち、初見では猛々しさだけが印象的だが。
 故郷を、妻・子を思う時の表情。こんな穏やかな表情をするんだ…。

そして、ルキウスを演じたクラーク君。
 母と叔父の愛情を疑わない爛漫さ。
 それでいて、自分の発言で、叔父と母の仲が崩れていくことに目を白黒させながら、母を気遣う姿。夫婦喧嘩の間に挟まれた子のようで、抱きしめたくなる。

ジュバが、たんなる愛憎・復讐物語を昇華させる。
 背筋の伸びた、フンスー氏の言い方が良い。

衣装や舞台背景が煌びやかで重厚。
 ローマの皇帝の館。
 グラディエーターの周りは、赤土色。
 マキシマスが乞う農村風景。

世界観に酔わせてくれる。

★  ★  ★

この作品は、音楽も称賛されているのだけれど…。
私は、時折、『パイレーツ・カリビアン』を思い出してしまって…。
一瞬、私は何を見ているのだっけ?と混乱してしまう。

★ ★ ★

実話をもとにしたフィクション。

Wikiによると、
 コモドゥスは、マルクス・アウレリウスのたくさんの子どものうちで、ただ一人成人した男児で、父の溺愛を受けていたそうだ。父の存命中から、10代で副帝になって、父の死後、皇帝になったとか。
 初めは、それなりに皇帝として政治を行った。けれど、妻の一族を重用し、それに危機感を感じた姉・ルシアにより暗殺されそうになったとか。
 その後くらいから、重臣を処刑したりして…。
 ヘラクレスの生まれ変わりと自称して、実際にコロシアムで動物と戦ったりしたとか。
 最終的には暗殺されたとか。

この映画の元ネタになった先行映画もあるらしい。

時代考証の専門家に監修してもらっていたらしいが、その人たちの指摘より、演出を優先したとDVDについていた解説で、監督が言っていた。「あなたの言うことって絶対正しい?実際に見てきたのか?」とか言って。
 なんて、失礼な!と怒りたくなるが、指摘通りに作っていたら、あのうっとりするような衣装も、迫力ある戦いシーンも無くなっていた。映画は映画と割り切るべきなのだろうな。

★ ★ ★

ローマ時代の絵巻。
 迫力があるシーンが多い。
 蜂起とか、元老院の暗躍も多少描かれるが、
 結局、マキシマス・コモドゥス・ルッシラの愛憎劇に終始して、場面もコロシアム主体となり、物語は小さくまとまっている。
 その分、コモドゥスとルッシラの心情をたっぷり描き、マキシマスのアクションもたっぷり堪能できる。
 加えて、プロキシモの生き様、ジュバの死生観も興味深い。
 筋をシンプルにした勝利と言うか。

そして、皇帝の地位が、民衆の人気度に頼っているらしいところが、映画や芸能が民衆の人気度次第なところとかぶってしまう。民衆の思いが移り気なところも…。
 よくできた構造だなと思う。

ただ、私は、冒頭に書いた部分や、
   クィントゥスの処世術に違和感を覚え、(あの時点で「剣を渡すな!」って言ったからって、マキシマスを運ぶのに、躊躇なく一番乗りしてくるって…)
   コモドゥスがかわいそうすぎて、高評価をつけられない。

   (マキシマスを運びたいのに、背が足りないから周りをウロウロしているルキウスはかわいいが)

㊟引用台詞はすべて思い出し引用。間違っていたらごめんなさい。

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とみいじょん

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