ロード・オブ・ウォー
劇場公開日 2005年12月17日
解説
史上最大の武器商人と呼ばれた男の半生をニコラス・ケイジが演じる風刺アクション。ウクライナで生まれて家族といっしょにアメリカに渡ったユーリーは、やがて武器の売買に目をつけ、世界有数の武器商人に成り上がっていくが。監督は「ガタカ」「シモーヌ」のアンドリュー・ニコル。ユーリーの逮捕を狙うインターポールの刑事役でイーサン・ホーク、ユーリーが仕事に引き入れる弟役でジャレッド・レト、ベテラン武器商人役でイアン・ホルムらが共演。
2005年製作/122分/R15+/アメリカ
原題:Lord of War
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
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2022年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
実在する話を基にした切り込んだ作品といえる。
世界に武器を供給しているのは常任理事国5か国という現状。
たとえ全てを失ってもなくならない。正しくないことが正当化されてしまう。
物語は淡々と展開していくが、世界の矛盾を考えさせられる映画でした。
面白いわけではないけど退屈な映画ではない。
いろいろ考えさせられる。
2022年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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〇作品全体
物語は主人公・ユーリの成り上がる姿を中心に回っていく。ユーリが銃の魅力に取りつかれ、銃を商売道具として裏の市場を飛び回る物語前半は、テンポ感が楽しい。このテンポ感は演出、といえばそれまでだが、ユーリが銃や武器について門外漢だったというのもあるだろう。政治的な駆け引きよりも誰に対しても武器を売るユーリの大胆なスタンスがあるから、武器商人の刺激的なビジネスも大味で描かれていく。そのジャンキーな大味がまた楽しかったりした。
そしてその調味料として足される、ユーリの「嘘」という要素も印象的。知識豊富な営業マンを装う嘘や、インターポールに向けた「嘘」。その「嘘」の立ち振る舞いが堂々でいて軽快。これがまた楽しい。
一方で物語後半は、前半にキーワードとして使われていた「嘘」が空転する。
破産覚悟で貸し切ったホテルで「経験上、いい関係は嘘の上の築かれる」とモノローグで語るユーリは、嘘によってエヴァを落としたが、「別れの原因もたいてい嘘なのだし…」と自身で語ったとおり、嘘が原因でエヴァや息子と別れることになった。弟の死もエヴァに嘘をついて武器に再び手を出したことが原因であるし、嘘によって手に入れたものを、嘘によって手放すことになった。
ただ一つ、ユーリが手放さなかったものは武器商人としてのユーリだ。手放さなかった…もしくは手放せなかった理由としては、自他共に認める武器商人としての才能には、なにひとつ嘘がないからだろう。
料理の才能がないもののヴィタリーは料理人を目指すが、才能がなかったゆえにユーリを頼って結果命を落とした。エヴァもユーリを頼って芸術家としての道を歩もうとするが、自身が才能がないことを自覚して自信を喪失していく。ユーリがいてほしいと思う人がユーリによって離れていき、ユーリが背中を押したいと思う人がユーリによって舞台から退場していく。この二律背反のような関係性が、才能あるユーリを孤独へとおいやっていく。
ラストシーンはユーリの孤独と合わせて、国家の嘘も顕在化されるのが面白い。国際組織が悪と認めた相手を裁くことはしないという、国家の嘘の顔。しかしその嘘がユーリを活かす。この関係性がユーリにとっての救いにも見えるし、より残酷なものにも見える。
それでも孤独な唯一無二の才能は自身の嘘だけでなく、世界の嘘をも背景に暗躍をし続ける。そんなラストカットだった。
〇カメラワークとか
・やはりオープニングテロップのときの銃弾主観演出がインパクト強い。作品公開から15年もたつとやっぱり嘘くさいCG感が拭いきれないけど、銃弾を検品する人の顔の近さや指の大きさが不気味な感じが逆に味になってる。
2021年7月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
一発の銃弾の誕生から、発射されて人を殺すまでをポップなノリで描いたオープニング。
映画だから、と軽いノリで観てしまうこちら側。
自分の商売が殺人に直結していたとしても、実行してなければ何も感じないもんだな。
いや、感じるな、自分は。
でも、最初だけなのかな、
麻痺しちゃうんだろうな。
争いがある事で世界の秩序が保たれているのか、何なのか、
火種に燃料投下して商売している大元が、火消し役だなんてね。
何なんだ、やるせ無い。
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