【家族での鑑賞は推奨できないけれど】VODで見て、笑える昭和のコメディポルノ

2020年5月15日 23:00

笑えるコメディ要素たっぷりのお色気映画5作を紹介
笑えるコメディ要素たっぷりのお色気映画5作を紹介

コロナ対策の外出自粛で自宅での映画鑑賞生活も長引き、近年の話題作とは一味違った珍しい映画を見たいな……という方、いませんか? 昨年は世界同時配信されたNetflixのドラマ「全裸監督」が話題を集めましたが、アダルトビデオの隆盛以前に、日本には劇場公開用として製作された成人向け映画の歴史があります。大衆向け、低予算、お色気シーン必須などという縛りがあったからこそ、監督や製作陣が策を練って独創的な物語や撮影方法を生み出した傑作が数多く存在し、また当時の日本の文化や生活を再発見できる作品群とも言えるでしょう。と、前置きはさておき、映画における表現が今よりも大らかだった時代の、笑えるコメディ要素たっぷりのお色気映画5作を紹介します。現代のアダルトコンテンツに比べ性的な描写はマイルド、すべてVODで“ひとりで”楽しめます。
※紹介する作品はすべてR15+もしくはR18+指定で、今日の観点からすると不適切な表現も含まれます。こちらご理解の上ご鑑賞ください。また、配信が終了することもあります。


■「徳川セックス禁止令 色情大名」(1972)※Amazon Prime Video内、JUNK FILM by TOEIで配信中

――エロスの伝道師、謎のフランス娘にご乱心の殿が民衆にセックスを禁じる。鈴木則文監督の権力へのアンチテーゼ――

「トラック野郎」シリーズなどで知られる鈴木則文監督の時代物。こちらは豪華なセットに名優陣を配した、低予算ポルノとは一線を画したエンタメ感満載の一作。正妻の他に多くの側室を持ち、50人以上の子供を作ったことで有名な11代将軍・徳川家斉の娘のひとりと結婚した、九州のとある藩の大名、小倉忠輝が主人公。生真面目すぎて女性経験がなかった忠輝は姫との初夜に幻滅し、女嫌いに。しかし、側近が連れてきた謎のフランス人女性サンドラと一夜を過ごして開眼。民衆も含め、誰もが楽しんでいた性の喜びを知らなかったという嫉妬から、藩内での性行為を禁じる、という物語。

「温泉芸者」「女番長ブルース」シリーズでも活躍、その美貌とプロポーションで観客を画面に釘付けにする杉本美樹さん(姫)と、“生きたフランス人形”サンドラ・ジュリアンが、一糸まとわずなぜか滝や花畑をバックに戯れるシーンは、「もしかしてあなたたち妖精ですか?」と目を疑うイリュージョンのよう。家老を演じる殿山泰司さん、私生活でも色男として知られた若き日の山城新伍さんのセクシーな役どころ、京唄子さん、鳳啓助さん夫妻による漫才風の掛け合いなど、芸達者なキャスト陣の見どころも満載です。民衆が腰巻きで作った旗を持って“やらせろ一揆”を起こしたり、忠輝の忠臣の許嫁が艶めかしく諸肌を脱ぐ耽美な切腹シーンも。現代ではお叱りを受けるような設定はありますが、庶民に寄り添う作品を生み出してきた鈴木監督が、日本文化とエロスを笑いに昇華させ、自由を希求する人々を描いています。コロナ禍で他者との接触を最小限にしなければいけない状況ということで、こちらを紹介しましたが、同時期に製作され、将軍家斉を主人公にした「エロ将軍と二十一人の愛妾」(72)も大爆笑できますので併せてどうぞ。


■「御用牙 かみそり半蔵地獄責め」(1973)※Amazon Prime Videoで配信中

――“男らしさ”を笑いに。勝新太郎と名匠が「子連れ狼」小池一夫の劇画を映像化。珍トレーニングに大爆笑――

続いてこちらも豪華な時代物です。昨年亡くなった小池一夫さん原作、神田たけ志氏作画による劇画を、勝新太郎さん主演、勝さんの独立プロダクション「勝プロ」で映画化。“かみそり半蔵”と異名を取る絶倫の北町奉行所同心・板見半蔵が、鍛えあげた性技を駆使しながら汚職や権力に抗い、体制の壁を突き崩す活躍を描く。

座頭市」の三隅研次監督、「陸軍中野学校」の増村保造監督らがメガホンをとった全3シリーズで、筆者は尼寺を舞台にした、猟奇B級感のある増村監督の第2作が気に入っています。しかし、全シリーズ通して、半蔵をはじめ、登場する男性陣の女性に対するセリフやコミュニケーションが、今で言うところのセクハラ、パワハラ、マッチョイズムのオンパレードなので、旧時代のフィクションだと理解して、「おいおい、それはないだろ……」と突っ込みながら、根底に流れる人情と勧善懲悪の物語を楽しみましょう。当時の日本映画界の大スター、勝新の堂々たる存在感、殺陣シーンやからくり仕掛けの屋敷など、本格時代劇ならではの作りこみは見逃せません。そしてなんといっても、この作品の見どころは、半蔵が毎朝メリケンサックで巨大地蔵を次々と倒し、その後、自慢の“武器”を鍛錬するシーン。性差を笑いにするのは良いことではないですが、同様の器官を持たない女性はどうひっくり返ってもできないこと。ナルシシズムに溺れない半蔵のストイックさを感じると同時に、隠しておくべき場所をここまであからさまな陽性の笑いに持っていける少年漫画的珍発想に脱帽です。あんな米俵の使い方があるなんて。


■「希望ヶ丘夫婦戦争(1979)」※Amazon Prime Videoで配信中

――ニュータウンで繰り広げられる“女性上位”な夫婦戦争。昭和レトロな日本文化と北斎のDNAを受け継いだ倒錯フィルムに驚く――

「ウルトラマン」シリーズなどで知られる鬼才・実相寺昭雄氏の短編小説を、「団地妻 昼下りの情事」から日活ロマンポルノで手腕を振るった西村昭五郎監督が映画化。2009年には、さとう珠緒さん主演でリメイクされました。会社員の猫田千吉が、妻以外と自由にセックスするために不能になったという芝居を打つが、妻も夫をその気にさせるよう様々な策略を練るという物語。

国産スポーツカー、カーラジオから流れるシティポップ、西洋のお城のような外装、回転ベッドやカラオケ(カセットテープ式)はもちろん、ゴンドラまであるラブホテルなど、当時のカップル向けアイコンが次々に登場。ローンで郊外に戸建てとマイカーを買い、専業主婦の妻と一人娘、若い女性部下を愛人に……という当時のサラリーマンの小市民的ファンタジーが繰り広げられます。しかし本作は、家父長制核家族や男女雇用機会均等法施行以前を描きつつも、男性が社会的立場の弱い女性を欲望の対象にするマッチョさではなく、登場する女性キャラクター全員が主体的に性を謳歌し、女ざかりの奥様から疲れた夫が逃げる、というテーマにおかしみが。「郵便配達は二度ベルを鳴らす」へのオマージュシーンも、ドタバタ劇で回収されています。筆者が驚いたのは、夫が入会する「女性からの自立、一人での充足を目指す」がモットーの同好会で上映される、北斎の「蛸と海女」ならぬ「乙女と蛙」というブルーフィルム。ホームコメディ的ほんわかムードで進む本編とは一変、こちらのみ目を覆いたくなるような倒錯描写がありますので、爬虫類や両生類愛好家の方はご注意ください。


■「神田川淫乱戦争」(1983)※楽天TVで配信中

――ポン・ジュノが尊敬するホラーの巨匠の原点。フランス映画風ピンクなガールズムービー、しかし飛び込むのはセーヌではない――

タイトルからはどんな話なのか予想がつかないこの作品、実はあの、黒沢清監督の商業デビュー作なのです。若い女性ふたりが無垢な少年を救い出す物語で、神田川、とあるにもかかわらず、フランスのジャック・リベット監督の「セリーヌとジュリーは舟でゆく」を彷彿させるガールズムービーのよう。本編の随所で、黒沢監督の映画愛、ゴダールをはじめとしたヌーベルバーグ風の自由かつ軽やかな映像表現が光ります。

そして、特筆すべきはエロスの表現がアブノーマルなこと。主人公の女性が、ヒッチコックの「裏窓」のように向かいのマンションを覗くと、受験勉強中の息子に母親が……というタブーを軸に物語は進みます。性交シーンがモノローグで官能小説のように実況されたり、バラだかカーネーションを口に咥えた不審者が出てくる、日活ロマンポルノのコメディ「性と愛のコリーダ」(小沼勝監督)という作品もありますが、こちらは、後に「A」、そして昨年の「i 新聞記者ドキュメント」などの社会派ドキュメンタリーで知られる森達也さん(俳優として森太津也名義で出演)のお尻に花が刺さっています。人間関係や出来事についての説明もなく、これは何かのメタファーなのか……と思わせる現実と非現実のはざまのような表現があちこちに。劇伴も凝っています。海外からも高い評価を集め、ポン・ジュノ監督に「天才的」(仏Premiere誌より)と評される黒沢監督の若き日の才気と狂気を感じる怪作です。


■「変態家族 兄貴の嫁さん」(1984)※ビデオマーケットで配信中

――周防正行監督のデビュー作。小津安二郎作品をピンク映画に、という恐るべき試み。大杉漣さんが笠智衆さんにしか見えない!?――

前述の「神田川淫乱戦争」にも出演、そして「Shall we ダンス?」がハリウッドリメイクされた周防正行監督が、ピンク映画でありながら全編小津安二郎風に撮りあげた異色のデビュー作。間宮家の長男・幸一と結婚し、父や姉弟が暮らす夫の実家で同居生活をはじめた妻・百合子と、間宮家の秘密を描く。

世界の名だたる映画人からリスペクトされる小津監督のタッチでピンク映画を、という野心的な挑戦を試みた周防監督。小津監督作品は「晩春(1949)」「秋刀魚の味(1962)」など、登場人物が若い女性の嫁入り時期を心配する一方で、シニアの再婚に対して「汚らしい」と言わせたりする人間の矛盾が味わい深いものですが、本作は、夫婦の性生活や家族構成員の隠された秘密を、小津作品独特のセリフ回しやカメラワークで繋いでいきます。若き日の大杉漣さんが、小津作品の“父役”笠智衆さんになりきっているのも見どころ。後に「キル・ビル」をはじめ、世界で活躍する美術監督の種田陽平さんも参加し、小津作品の世界観を再現。長女がこっそり風俗で働きだしたり、次男は万引きでつかまったりという事件も、お茶漬けの如くあっさりさらさらと進行していきます。母親に似たバーのママに熱を上げる幸一、父と息子の川釣り、繋がったたくわんなど、随所にちりばめられているオリジナルからの引用を発見するという楽しみ方もできる作品です。

(映画.com速報)

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