東宝映画90年間の足跡をたどる企画上映、国立映画アーカイブで6月24日から開催
2022年6月1日 15:00
東宝映画の90年間の足跡をたどる企画上映「東宝の90年 モダンと革新の映画史(1)」が、6月24日~7月31日に、国立映画アーカイブで開催されることがわかった。
37年に製作・配給・興行の一貫体制を確立した東宝は、ハリウッド式のプロデューサー・システムの導入、特撮などの技術革新によって日本映画界に新風を巻き起こし、都会的でモダンな感覚によるミュージカル・コメディから巨匠の文芸作品まで、良質な娯楽映画を送り出してきた。日本映画界を代表するメジャーカンパニーのひとつとして、今も業界を牽引する東宝映画の90年間の歩みをたどっていく。
また、東宝京都撮影所で活躍し、今年没後50年を迎える映画監督の石田民三(1901~1972)の小特集も行う。10月4日から開催する“Part2”では、戦前から2010年代の作品まで幅広く取り上げる予定だ。
「人情紙風船」(37)、「七人の侍」(54)、「浮雲」(55)など、映画史上に名高い名作を4Kデジタルリマスター版で上映 。日本の女性映画監督のパイオニアの一人として再評価されている田中絹代の監督第5作「女ばかりの夜」(61)など、近年4Kデジタルリマスター化された作品も鑑賞できる。
時代風俗と音楽を盛り込んだ青春コメディ「ジャンケン娘」(55)や「エレキの若大将」(65)、クレージーキャッツ主演によるミュージカル・コメディ「ニッポン無責任時代」(62)、「クレージー黄金作戦」(67)、人気を博した「ゴジラ」(54)や「地球防衛軍」(57)などの特撮映画、また「ハワイマレー沖海戦」(42)をはじめ、「激動の昭和史 沖縄決戦」(71)や「永遠の0」(13)など各時代における戦争映画、といった幅広いジャンルの多彩な作品群を取り上げる。
石田民三(1901~1972)は、 1926年に監督デビュー。東亜キネマで剣劇映画を手がけた後、帝キネ、新興キネマ時代に鈴木澄子主演作品などで頭角を現し、東宝京都撮影所で花街を描いた傑作の数々を発表した。女性映画の名匠という観点から近年改めて注目を集めている石田監督の代表作「花ちりぬ」(38)をはじめ6プログラム(全7本)を上映する。
「東宝の90年 モダンと革新の映画史(1)」は、6月24日~7月31日に開催(会期中の休館日:月曜日)会場は、国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU(2階)。チケット料金は「一般:520円/高校・大学生・65歳以上:310円/小・中学生:100円/障害者(付添者は原則1名まで)・国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ・未就学児:無料」。国立映画アーカイブのHP(https://www.nfaj.go.jp/exhibition/toho202205/)より、公式チケットサイトで電子チケットをオンライン販売。また、セブンイレブンでもチケットぴあを通じて販売。チケット発売日程は、6月14日以降の毎週火曜午前10時に、翌週火曜日~日曜日の上映分を発売する。
上映作品は、以下の通り。
「かぐや姫」[短縮版](1935、監督:田中喜次)
「新しき土」[日英版](1937、監督:アーノルド・ファンク、伊丹万作)「
「人情紙風船」[4Kデジタルリマスター版](1937、監督:山中貞雄)
「綴方教室」(1938、監督:山本嘉次郎)
「ハワイマレー沖海戦」(1942、監督:山本嘉次郎)
「青い山脈」「青い山脈 前編梗概」「續 青い山脈」(1949、監督:今井正)
「都会の横顔」(1953、監督:清水宏)
「七人の侍」[4Kデジタルリマスター版](1954、監督:黒澤明)
「ゴジラ」[デジタルリマスター版](1954、監督:本多猪四郎)
「浮雲」[4Kデジタルリマスター版](1955、監督:成瀬巳喜男)
「ジャンケン娘」(1955、監督:杉江敏男)
「地球防衛軍」(1957、監督:本多猪四郎)
「無法松の一生」(1958、監督:稲垣浩)
「女ばかりの夜」[4Kデジタルリマスター版](1961、監督:田中絹代)
「小早川家の秋」(1961、監督:小津安二郎)
「その場所に女ありて」(1962、監督:鈴木英夫)
「ニッポン無責任時代」[デジタルリマスター版](1962、監督:古澤憲吾)
「忠臣蔵 花の巻 雪の巻」(1962、監督:稲垣浩)
「太平洋奇跡の作戦 キスカ」(1965、監督:丸山誠治)
「フランケンシュタイン対地底怪獣」(1965、監督:本多猪四郎)
「エレキの若大将」(1965、監督:岩内克己)
「クレージー黄金作戦」(1967、監督:坪島孝)
「日本のいちばん長い日」[4Kデジタルリマスター版](1967、監督:岡本喜八)
「激動の昭和史 沖縄決戦」(1971、監督:岡本喜八)
「日本沈没」[4Kデジタルリマスター版](1973、監督:森谷司郎)
「華麗なる一族」(1974、監督:山本薩夫)
「駅 STATION」[デジタルリマスター版](1981、監督:降旗康男)
「家族ゲーム」[4Kデジタルリマスター版](1983、監督:森田芳光)
「ゴジラVSキングギドラ」(1991、監督:大森一樹)
「永遠の0」(2013、監督:山崎貴)
「シン・ゴジラ」(2016、総監督:庵野秀明、監督:樋口真嗣)
「君の名は。」(2016、監督:新海誠)
「天明怪捕物 梟」(1926)
「おせん」(1934)
「夜の鳩」(1937)
「花ちりぬ」(1938)
「むかしの歌」(1939)
「花つみ日記」(1939)
「あさぎり軍歌」(1943)
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
時代は変わった。映画は“タテ”で観る時代。 NEW
【意外な傑作、続々!】年に数100本映画を鑑賞する人が、“縦”で映画を観てみた
提供:TikTok Japan
BS12 年またぎ映画祭 NEW
【何を観たらいいかわからん人、全員集合】TVのリモコンでBS→12を押して!【年末年始は地球滅亡】
提供:BS12
【推しの子】 The Final Act NEW
【忖度なし本音レビュー】原作ガチファン&原作未見が観たら…想像以上の“観るべき良作”だった――!
提供:東映
物語が超・面白い!
大物マフィアが左遷され、独自に犯罪組織を設立…どうなる!? 年末年始にオススメ“大絶品”
提供:Paramount+
外道の歌
強姦、児童虐待殺人、一家洗脳殺人…地上波では絶対に流せない“猛毒の狂刺激作”【鑑賞は自己責任で】
提供:DMM TV
全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の超重要作
【伝説的一作】ファン大歓喜、大興奮、大満足――あれもこれも登場し、感動すら覚える極上体験!
提供:ワーナー・ブラザース映画
ライオン・キング ムファサ
【全世界史上最高ヒット“エンタメの王”】この“超実写”は何がすごい? 魂揺さぶる究極映画体験!
提供:ディズニー
【衝撃】映画を500円で観る“裏ワザ”
【知らないと損】年末年始は超注目作が大量公開! “超安くなる神サービス”があります…
提供:KDDI
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。