ライラの冒険 黄金の羅針盤 : 特集
ダコタ・ブルー・リチャーズのインタビューとともにお届けする特集第3回は、今後のファンタジー映画の総括。「ロード・オブ・ザ・リング」のニューライン・シネマが、同シリーズの次に送り出す大型ファンタジーが「ライラの冒険」だが、他スタジオも負けてはいられない。「指輪」がアカデミー賞を席巻して華々しく完結し、「ハリポタ」もあと2作で終わるとあって、その空席を狙ったファンタジー映画を次々と市場に投入。「ライラ」を含め、これらの中から次なる大ヒットファンタジーシリーズが生まれるのか?(文:編集部)
第3回:今後のファンタジー映画総括~ブームは、まだまだ終わらない?
「ロード・オブ・ザ・リング」3部作と「ハリー・ポッター」シリーズがヒットして以来、ハリウッド中のスタジオが、人気原作シリーズの映画化作は、一度当たれば何度でもオイシイことを痛感。いきなり数多くのファンタジー映画が製作されたが、実際公開されて見るとヒットする映画は実はそんなに多くはない。2匹目のドジョウはなかなか簡単には狙えないようで、「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」「光の六つのしるし」「エラゴン/遺志を継ぐ者」など、シリーズ物でありながらも1作目しか製作されていないファンタジーもある。
そんなわけで、そろそろファンタジー映画の流行も一段落か?と思ったらそれはどうやら勘違いらしい。まだまだ以下のようなファンタジー映画が製作進行中で、さらにAmazonがファンタジー映画の製作に進出。そして、「ロード・オブ・ザ・リング」のシリーズ前章「ホビットの冒険」も現実味を帯びてきて、このジャンルの新作は今後も続々登場しそうなのだ。もはや定番ジャンルとして定着してみたといいのかもしれない。
本年は2大人気シリーズの新作が登場、夏には「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」、冬には「ハリー・ポッターと謎のプリンス」が日本公開されるが、他にもこんなファンタジー映画が待っている。
Part.1~このファンタジーがもうすぐ見られる!
■「スパイダーウィックの謎」 The Spiderwick Chronicles
~ファンタジー物が続くフレディ・ハイモアが主演
03年から刊行が始まったホリー・ブラックのファンタジー「スパイダーウィック家の謎」全5巻を、「チャーリーとチョコレート工場」「アーサーとミニモイの不思議な国」とファンタジー色の強い作品が続くフレディ・ハイモア少年の1人2役で映画化。両親の離婚のために双生児の少年が引っ越してきた古い屋敷には、妖精たちが住んでいた。ゴブリンやグリフォンなどヨーロッパのおとぎ話の有名クリーチャーが多数登場するのがポイント。監督は「フォーチュン・クッキー」で身体が入れ替わる母娘を描いたマーク・ウォーターズ。全米では2月14日に公開されて「ジャンパー」に次ぐ全米ボックスオフィス初登場2位にランクイン。日本は4月26日公開。
■「魔法の声」 Inkheart
~「指輪」「ライラ」のニューライン・シネマからもうひとつ
「ロード・オブ・ザ・リング」「ライラの冒険」のニューライン・シネマ製作のファンタジーがもうひとつ。こちらも原作は3部作。03年出版開始のコーネリア・フンケの「インクハート」3部作の第1作「魔法の声」を映画化。少女メギーの父親モーは、本を声に出して読むと、その登場人物が現実に出現する“魔法の声”の持ち主。だが、その能力を邪悪な存在が狙っていた。父娘役は「ハムナプトラ」シリーズのブレンダン・フレイザーと「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」に端役で出ていたエリザ・ベネット。「ダ・ヴィンチ・コード」のポール・ベタニー、「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム役で人気のアンディ・サーキス、「クィーン」のヘレン・ミレン、「エラゴン」のシエンナ・ギロリーと共演陣はかなり豪華。監督は「鳩の翼」「光の旅人」のイアン・ソフトリー。08年4月30日全米公開。
■「エンバー/失われた光の物語」 City of Ember
~今年のオスカー候補シアーシャ・ローナンが主演
ジェニー・デュープロの03年刊行のSFファンタジー「エンバー/失われた光の物語」をアドベンチャー・アニメ「モンスター・ハウス」のギル・キーナン監督が映画化。停電と物資不足に悩むある惑星で、12歳の少女リーナと少年ドーンは、伝説の光の都市を求めて旅に出る。ヒロイン、リーナ役は「つぐない」と本作に続いてピーター・ジャクソン監督の「ラブリー・ボーン」を撮影中の注目の新星シアーシャ・ローナン。少年ドーン役は「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」で結合体双生児のロッカーを演じたハリー・トレッダウェイ。共演陣はビル・マーレイ、ティム・ロビンス、マーティン・ランドーとシブめの演技派揃い。全米は20世紀フォックスと「ナルニア国」シリーズのウォールデン・メディアの共同配給で10月10日公開。
■「かいじゅうたちのいるところ」 Where the Wild Things Are
~スパイク・ジョーンズが名作絵本を“フツー”に映画化!?
モーリス・センダックの名作絵本を「マルコヴィッチの穴」の個性派監督スパイク・ジョーンズが映画化。おおかみの着ぐるみを着た少年マックスが、森でかいじゅうたちと大騒ぎ。やっとスチル写真が公表されたかと思ったら、どうやら大幅な撮り直しが行われるとの噂。覆面試写会で映画を見て泣き出す子供が続出、製作会社側があわてて撮り直しを決めたという噂が流れている。しかし、スパイク・ジョーンズが撮る以上、フツーの映画になるわけがないのでは? キャスティングも「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」でダニエル・デイ=ルイスを相手に怪演を見せるポール・ダノが出演、「かいじゅう」の声を「ラストキング・オブ・スコットランド」のフォレスト・ウィテカーが担当と、子供よりも映画ファンにウケそう。08年に予定されていた全米公開が09年になるらしい。
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