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かなり期待していた本作。というのも、様々なブログやYouTubeで大変な好評。なんjのクレしん映画ランキングでも最上位であり、歴代最高傑作と言う人も少なくない。
そんな前評判を聞いていたから、どんな作品何だろうと期待に胸を膨らませていました。ですが蓋を開けてみれば薄いシナリオ、ガタガタな設定、魅力皆無なキャラクター等々本当になにこれ…って感じでした。
最序盤、OPはとても良かったです。今までのクレしん映画とは違うテイストで演出されており、"すごそう"と思わせてくれる。序盤もテンポが良く見やすいという印象でした。特に面白くもなかったですが、前評判で"後半の畳み掛けがえぐい!"と聞いていたのでまあ、前半はこんなもんだろと言った感じです。
ですが中盤以降から作品の崩壊が始まります。
大戦犯ユウマの登場です。このキャラクターはいなくても話が成立する上にやたらでしゃばり不快感を与えてきます。それどころか親を助ける為とはいえ、私欲のために最後のクレヨンを使っておいて最終盤春日部から逃げようとする人々に厚かましく説教をたれます。あの人たちも家族を守るために必死だったろうに。
町の人も助けてくれたしんちゃんに対して罵声を浴びせる場面があるのですが、そこもリアリティがない。
ぶりぶりざえもんの使い方も酷い。ピンチになると裏切るのは彼の定石ですが多用しすぎ。しかもテンポも悪くて笑えないからほんとひどい。消えるとこも雑すぎ。
クレヨンの消費の仕方もひどい。テンション上がったしんちゃんが戦闘機やら戦車を描きまくるけど結局役に立たず終わってしまう。あとあの蟻は何だったの?
とここまでぐちぐちと気になったところを書いてきましたが、1番悲しかったのは自由に描けるというクレヨンの力を製作陣がうまく扱えていないと感じてしまったところです。
この作品でいうところの自由ってのは描く場所にとらわれないというもの。紙意外に描いてもいい、道路や壁に描いたって良いと言ったものだった。そこをもっと掘り下げて欲しかった。
例えば描く内容も自由だと思う。ラクガキなんだから。通行止めを受けて春日部に入れない大人たちの横をしんちゃんを乗せた謎生物"ウンチョロモウ"が飛んでいってもいいし、敵と戦うのは戦車や戦闘機じゃなくて巨大な尻丸出しでもいい。
序盤はふざけて描いていたしんちゃんが次第に使命感にかられて自由に絵が描けなくなり、クレヨンの力を失ってしまってもいい。
色々広げられたのに、結局お涙頂戴のつまらない映画となってしまったのは頭の硬い大人の作った映画だからだろうか。
長々とすいません。本当に期待していた作品だった為に残念でなりません。