映画.comが選ぶ、2022年の映画ベスト10 映画館を震わせたあの作品が1位に
2022年12月31日 12:00
今年も気づけば年の瀬。皆さんはどんな1年間でしたか? 2022年に劇場で公開もしくは、新規で配信された映画は1488作品。数々のすばらしい作品たちが、皆さんの生活の中にも彩を与えてくれたことでしょう。
年末に今年見ることができた様々な作品を振り返る方も多いのではないでしょうか? そこで映画.comでは、昨年ご好評いただいた「映画.comが選ぶ、2021年の映画ベスト10」を今年も実施いたしました。
本年に劇場公開および配信された映画を対象に、弊社スタッフやライターの方々が投票のうえ選定。TOP10作品を発表いたします。
※弊社スタッフおよびライターなど関係者に対してアンケートを実施。
※各人が1位から5位まで作品を投票。それぞれ1位=5ポイント、2位=4ポイント、3位=3ポイント、4位=2ポイント、5位=1ポイントとし、スコアを合計し順位を決定。
日本を代表するSF特撮ヒーロー「ウルトラマン」を、「シン・ゴジラ」の庵野秀明と樋口真嗣のタッグで新たに映画化し、大ヒットを記録。興行収入も44億円を超え、2022年の興行収入ランキングでも「ミニオンズ フィーバー」と並び、年間9位となりました。
劇中に登場するウルトラマンのデザインは、「ウルトラQ」「ウルトラマン」などの美術監督として同シリーズの世界観構築に多大な功績を残した成田亨が1983年に描いた絵画「真実と正義と美の化身」がコンセプトとなっています。
CGを使いながらあえて着ぐるみ感やミニチュア感を出した表現に感服。特撮とはこうだ!と示された感じがする。(映画.comスタッフ)
現実と地続きの作劇やトリッキーでテンポのいい編集が印象的だった「シン・ゴジラ」を踏襲しながら、良い意味でのユルさやユーモアもあって“空想特撮映画”の楽しみに満ちていました。往年の「ウルトラマン」ファンも、シリーズを知らない初心者も満足できる絶妙なバランスに仕上がっているのも素晴らしかったです。(アニメハック編集部 五所光太郎)
「禍威獣(カイジュウ)」と呼ばれる謎の巨大生物が次々と現れ、その存在が日常になった日本。通常兵器が通じない禍威獣に対応するため、政府はスペシャリストを集めて「禍威獣特設対策室専従班」=通称「禍特対(カトクタイ)」を設立。班長の田村君男(西島秀俊)、作戦立案担当官の神永新二(斎藤工)ら禍特対のメンバーが日々任務にあたっていた。そんなある時、大気圏外から銀色の巨人が突如出現。巨人対策のため禍特対には新たに分析官の浅見弘子(長澤まさみ)が配属され、神永とバディを組むことになる。
アカデミー賞を受賞した1930年のルイス・マイルストン監督による映画版でも広く知られる、ドイツの作家エリッヒ・マリア・レマルクの長編小説「西部戦線異状なし」を、原作の母国ドイツであらためて映画化した戦争ドラマ。
米現地時間21日に発表された「第95回アカデミー賞」国際長編映画賞のショートリスト15本にも選出され、高い評価を獲得しています。日本では劇場公開はされず、Netflixにて配信されています。
戦場の最前線に放り込まれたような迫力と狂気、痛みが伝わってくる。(和田隆)
戦闘の恐ろしさはもちろんのこと、銃を持たない人間のエゴによって戦いを終えられないことで、より戦争のおぞましさを感じさせられる作品。大人の都合で若者たちの命が失われていくことに胸が締め付けられる。今だからこそ多くの人に見てほしい映画。(蛯谷朋実)
第1次世界大戦下のヨーロッパ。17歳のドイツ兵パウル(フェリックス・カメラー)は、祖国のために戦おうと意気揚々と西部戦線へ赴く。しかし、その高揚感と使命感は凄惨な現実を前に打ち砕かれる。ともに志願した仲間たちと最前線で命をかけて戦ううち、パウルは次第に絶望と恐怖に飲み込まれていく。
直木賞作家・辻村深月がアニメ業界で奮闘する人々の姿を描いた小説「ハケンアニメ!」を映画化。
劇中に登場するアニメは「テルマエ・ロマエ」の谷東監督や「ONE PIECE STAMPEDE」の大塚隆史監督ら実際に一線で活躍するクリエイター陣が手がけ、そのキャストとして梶裕貴ら人気声優が多数出演。映画ファンが選ぶ「第14回TAMA映画賞」では、最優秀作品賞に輝きました。
アニメハックのスタッフの推薦で見に行ったら、予想外に面白くてビックリ。タイトルのハケンって「覇権」なんですね。アニメ業界の喜びと悲しみがにじみ出ていて参考になった。(映画.com編集長 駒井尚文)
ひたむきに、がむしゃらに、なりふり構わず「自分の思いを“届ける”」。この要素が響きまくってしまい……ラストは思わず感極まってしまいました。実は企画立ち上げから7年の歳月を経て完成しています。その過程を知っておくと、もっと“胸アツ”なんですよ。(岡田寛司)
地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ新人監督・斎藤瞳(吉岡里帆)は、デビュー作で憧れの天才監督・王子千晴(中村倫也)と業界の覇権をかけて争うことに。王子は過去にメガヒット作品を生み出したものの、その過剰なほどのこだわりとわがままぶりが災いして降板が続いていた。プロデューサーの有科香屋子(尾野真千子)は、そんな王子を8年ぶりに監督復帰させるため大勝負に出る。一方、瞳はクセ者プロデューサーの行城理(柄本佑)や個性的な仲間たちとともに、アニメ界の頂点を目指して奮闘するが……。
2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうのベストセラー小説を、「怒り」の李相日監督が映画化。「パラサイト 半地下の家族」のホン・ギョンピョが撮影監督を担当しています。
映画ファンが選ぶ「第14回TAMA映画賞」で、主演の広瀬すず、松坂桃李がそれぞれ最優秀女優賞・最優秀男優賞を受賞し、共演した横浜流星も最優秀新進男優賞に輝きました。
キャストの方々のお芝居がとにかく素晴らしかった。とくに松坂桃李さん、横浜流星さんのお芝居に心が奪われ、数日間ずっと頭を離れなかった。(映画.comスタッフ)
ある日の夕方、雨の公園でびしょ濡れになっていた10歳の少女・家内更紗(白鳥玉季)に、19歳の大学生・佐伯文(松坂)が傘をさしかける。伯母に引き取られて暮らす更紗は家に帰りたがらず、文は彼女を自宅に連れて帰る。更紗はそのまま2カ月を文の部屋で過ごし、やがて文は更紗を誘拐した罪で逮捕される。“被害女児”とその“加害者”という烙印を背負って生きることとなった更紗(広瀬)と文は、事件から15年後に再会するが……。
2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイクで、家族の中でただひとり耳の聞こえる少女の勇気が、家族やさまざまな問題を力に変えていく姿を描いたヒューマンドラマ。タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に育てられた子ども”」のこと。
2022年「第94回アカデミー賞」で作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)、脚色賞の3部門にノミネートされ、同3部門を受賞。ルビーの父親フランク役を務めたトロイ・コッツァーは、男性のろう者の俳優で初のオスカー受賞者になりました。
何度聞いても心が洗われ、世界をほんの少し優しくしてくれるような、ルビーの美しい声。彼女の歌声が、家族の心に確かに届いたと分かる瞬間に、涙が止まりません。(ドーナッツかじり)
オリジナルの「エール!」の素朴な作風もよかったですが、ハリウッド版はよりドラマチックな仕上がりで、親子の物語と同じくらい兄妹のエピソードに心を揺さぶられました。同じ題材を扱っていてもまた違う良さがあるので、ぜひセットで見てほしい!(MOMO)
海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー(エミリア・ジョーンズ)。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが……。
ジェームズ・キャメロン監督が革新的な3D映像を生み出し、全世界興行収入歴代1位の大ヒット作となった「アバター」の約13年ぶりとなる続編。
最新の映像テクノロジーを駆使した映像表現は是非映画館で体験していただきたい作品ですが、3DをベースにDOLBY CINEMA、IMAX、4DX、MX4Dに字幕版、吹替版など、その組合せでの上映方式は20種類を超えるため、どの形式でみるのか迷っている方はこちらの記事(https://eiga.com/news/20221219/7/)を是非参考にしてください。
圧倒された。没入。震撼。共鳴。歓喜。憤怒。悲嘆。号泣。映画の喜びのすべてはここにあった。(尾崎秋彦)
今目の前に見た光景が現実はない、ということにしばらく頭が追い付かないくらいのリアルな新しい世界を目の当たりにした。その圧倒的な映像美はもちろん、アクション映画好きなら楽しくなる待ってましたのポップコーンムービーで、あーこういう映画好きだ!と叫びたくなった。(蛯谷朋実)
地球からはるか彼方の神秘の星パンドラ。元海兵隊員のジェイクはパンドラの一員となり、先住民ナヴィの女性ネイティリと結ばれた。2人は家族を築き、子どもたちと平和に暮らしていたが、再び人類がパンドラに現れたことで、その生活は一変する。神聖な森を追われたジェイクとその一家は、未知なる海の部族のもとへ身を寄せることになる。しかし、その美しい海辺の楽園にも侵略の手が迫っていた。
「スパイダーマン ホームカミング」「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」に続く、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属する「スパイダーマン」シリーズの第3弾。、過去シリーズでトビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールドがそれぞれ演じたピーター・パーカー/スパイダーマンも参戦し、3人のスパイダーマンが時空を超えて共闘しました。
歴代スパイディの出演の噂はありましたが、それを否定する情報も出回っていたので、彼らが登場した際は、劇場で思わず声を出してしまいました。過去作のネタやエピソードが伏線になっていたのも素晴らしかったですし、悲劇的なエピソードをポジティブに回収してくれたのにも感動しました。(小山晃弘)
過去作の敵役が出るというところまでは発表されていたものの、まさかスパイダーマンまで3人そろうとは思わず、うれしいサプライズ。3人のスパイダーマン共演実現が胸熱すぎました。世代的に、特にトビー・マグワイアのスパイダーマンの存在は大きく、彼が出てきただけでもうれしかったのですが、最初はコスチュームを着ていなかったので、さすがにスパイダーマンにはもうならないのかなと思ったら、ちゃんと下に着てたし。思いっきり一緒に戦ってるし。こんなすごいことは二度とできない、スペシャルな一作でした。(映画.comスタッフ)
ホログラム技術を武器に操るミステリオを倒したピーター(トム・ホランド)だったが、ミステリオが残した映像をタブロイド紙の「デイリー・ビューグル」が世界に公開したことでミステリオ殺害の容疑がかけられてしまったうえ、正体も暴かれてしまう。マスコミに騒ぎ立てられ、ピーターの生活は一変。身近な大切な人にも危険が及ぶことを恐れたピーターは、共にサノスと闘ったドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)に助力を求め、魔術の力で自分がスパイダーマンだと知られていない世界にしてほしいと頼むが……。
1990年から96年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、現在に至るまで絶大な人気を誇る名作バスケットボール漫画「SLAM DUNK」を新たにアニメーション映画化。原作者の井上雄彦が監督・脚本を手がけました。
公開23日間で、観客動員数が340万人、興行収入が50億を突破しました。12月24日からは第2弾となる入場者特典の配布も開始され、まだまだ記録を伸ばしていきそうです。
セルルックの3DCGでしか描けなかったであろうバスケの臨場感、疾走感と緩急が絶妙なサウンド、試合のなかで絡み合うメンバーのそれぞれの思い、圧倒的な映像の迫力に途中で涙がでそうなほどでした。あるシーンで、観客全員が息をせずにスクリーンを見つめる長い瞬間があったのが忘れられません。(アニメハック編集部 五所光太郎)
オープニングシーンでThe Birthdayの「LOVE ROCKETS」が流れた瞬間、主人公5人が手書き映像とともに息が吹き込まれて動き出すシーンに感激しました。(映画.comスタッフ)
まるで本物のバスケの試合を観戦しているかのようなリアルな演出が圧巻でした。パッケージが出たらスローモーションで各選手の動きを見直したいと思うくらい細かい描写が多く、期待を大きく超える作品でした。(映画.comスタッフ)
湘北のポイントガード・宮城リョータ。沖縄で生まれ育ったリョータは3つ年上の兄の背中を追い、バスケにのめり込んでいった。そして高校2年、湘北高校バスケ部で、桜木、流川、赤木、三井たちとインターハイに挑む。
「バーフバリ」シリーズのS・S・ラージャマウリ監督が、英国植民地時代の激動のインドを舞台に、2人の男の友情と使命がぶつかり合う様を豪快に描くアクションエンタテインメント。タイトルの「RRR」(読み:アール・アール・アール)は、「Rise(蜂起)」「Roar(咆哮)」「Revolt(反乱)」の頭文字をとったものです。
日本国内で公開されたインド映画のオープニング興行収入歴代1位の大ヒットを記録。さらに各種批評家協会賞の中でも最も古いニューヨーク映画批評家協会賞で、監督賞を受賞しました。今後の賞レースでも目が離せない作品です。
「バーフバリ」見て、ラージャマウリ監督の映画は全部見るって決めた。今作は、想定の遙か上で驚いた。(映画.com編集長 駒井尚文)
「観客を全編飽きさせない」という凄まじいことをやってのけた作品だと思っています。徹底して貫いた“見たことがないアクション”、思わず体が動き出す「ナートゥダンス」、胸アツのドラマ……。鑑賞後、暫くの間は心ここにあらず――これぞ至高のエンタメ体験!(岡田寛司)
王道の胸アツ展開がこれでもかというぐらい3時間ずっと続き、ストーリーの伏線回収や、キレのあるダンスすべて見ごたえがあり、人と語りたくなるような作品だった。(映画.comスタッフ)
1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため立ち上がったビーム(N・T・ラーマ・ラオ・Jr.)と、大義のため英国政府の警察となったラーマ(ラーム・チャラン)。それぞれに熱い思いを胸に秘めた2人は敵対する立場にあったが、互いの素性を知らずに、運命に導かれるように出会い、無二の親友となる。しかし、ある事件をきっかけに、2人は友情か使命かの選択を迫られることになる。
トム・クルーズを一躍スターダムに押し上げた1986年公開の世界的ヒット作「トップガン」の36年ぶりとなる続編。
公開初週から初登場1位を記録、その後も幅広い年代から支持され、公開から31週たった今でも映画館での上映が行われるロングランとなりました。日本の歴代興行収入でも20位以内に入り、今後どこまでその記録が伸びるかも期待したいところです。
冒頭からラストまで、もう何もかもが完璧な作り込み。作り手に畏敬の念すら覚える。(映画.com副編集長 大塚史貴)
CGや特殊効果では味わえない、映画の迫力や面白さを再認識させてくれる。(和田隆)
音楽と映像にテンションが上がり、アイスマンの登場に泣いた。大きなスクリーンで観て良かったと心から思った作品。(佐藤レモナ)
アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガンに、伝説のパイロット、マーヴェリック(トム・クルーズ)が教官として帰ってきた。空の厳しさと美しさを誰よりも知る彼は、守ることの難しさと戦うことの厳しさを教えるが、訓練生たちはそんな彼の型破りな指導に戸惑い反発する。その中には、かつてマーヴェリックとの訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースター(マイルズ・テラー)の姿もあった。ルースターはマーヴェリックを恨み、彼と対峙するが……。
いかがだったでしょうか? 皆さんのお気に入りの作品もランクインされていましたか? 是非SNSで、2022年のお気に入り作品を教えてください。 2023年もすばらしい映画体験を!
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