森田芳光監督、生誕70周年記念! 全監督作品コンプリート(の・ようなもの)Blu-ray BOX、12月20日発売
2021年6月10日 12:00
2011年に亡くなった森田芳光監督の“生誕70周年”を記念した「生誕70周年記念 森田芳光 全監督作品コンプリート(の・ようなもの)Blu-ray BOX(完全限定版)」が、12月20日に発売されることが決定。本日正午より予約受付がスタートした。
森田監督は、日本大学芸術学部放送学科に進学後、自主映画製作を開始。81年に若い落語家を主人公とした「の・ようなもの」で長編映画監督デビューを飾り、83年には松田優作主演作「家族ゲーム」でキネマ旬報ベスト・テン1位、第7回日本アカデミー賞優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞など、同年の主要映画賞を総なめに。映画界を閃光のごとく駆け抜け、2011年に61歳で亡くなった。
映画製作におけるスタジオシステム自体が崩壊した後、80年代以降に活躍し、新しい時代の代表となった森田監督。それゆえ全作品を全集形式で発売・販売することは極めて難しい。多数の映画会社や権利元、関係会社の垣根を超え、ひとりの監督が生涯に残した豊潤なフィルモグラフィーをひとつの商品パッケージに収録するという試みは、世界でも類を見ないプロジェクトなのだ。
収録作品は「の・ようなもの」「ボーイズ&ガールズ」「(本)噂のストリッパー」「ピンクカット 太く愛して深く愛して」「家族ゲーム」「ときめきに死す」「メイン・テーマ」「それから(1985)」「悲しい色やねん」「愛と平成の色男」「キッチン」「おいしい結婚」「未来の想い出 Last Christmas」「(ハル)」「失楽園」「39 刑法第三十九条」「黒い家」「模倣犯」「阿修羅のごとく」「海猫 umineko」「間宮兄弟」「サウスバウンド(2007)」「椿三十郎」「わたし出すわ」「武士の家計簿」「僕達急行 A列車で行こう」の26作品(「そろばんずく」に関しては、版権元および関係者許諾が得られず、収録はされていない)。
映像特典には「森田芳光の原点」を収録。「の・ようなもの」以前の自主映画作品「映画」「天気予報」「水蒸気急行」「ライブイン茅ヶ崎などを編集・再構成し、デビュー以前の森田芳光ワールドを堪能する特別プログラム。音楽版権上、既成楽曲等が使用されていないシーンの再編集ダイジェスト版になる。編集・構成は、三沢和子、川島章正(予定)。そのほか「森田芳光の撮影風景 メイキング・オブ・森田芳光」「森田芳光本人と、モリタを巡る証言(仮)」を収めている。
封入特典は「森田芳光秘蔵資料集」。森田監督がデビュー前に書き溜め、様々なアイデアと映画的思考、技術の元となった数十冊に及ぶ直筆ノートの一部を特別公開。小学生時の幻の処女作とも言われる「流星スーパー」など、歴史的な秘蔵資料をブックレット化している。なお、初回限定予約特典は「BEAMSデザイン森田芳光生誕70周年スペシャル“TARIMO”Tシャツ」。Tシャツのサイズは身丈73センチ、身幅55センチの1サイズのみとなる。
また、生誕70周年記念(没後10年)として、今回のBlu-ray BOXのほか、記念本「森田芳光全映画」(予価:6800円)の出版、ゆかりの劇場での特集上映、海外でのレトロスペクティブ上映などを行う夢のプロジェクト「森田芳光70祭」が始動する。
「生誕70周年記念 森田芳光 全監督作品コンプリート(の・ようなもの)Blu-ray BOX(完全限定版)」は、12月20日発売。価格は、11万円(税込)。今回の発売に伴い、ライムスター宇多丸、「ニューズ・コーポレイション/森田芳光事務所」の三沢和子氏のコメントも発表。全文は以下の通り。
一人の作り手が歩んできた軌跡を、その始まりから(とりあえずの)終わりまで、点ではなく線として追い続けること……作品毎にオリジナルなコンセプトを「発明」し続け、言わば「一貫性のある自己変革」を繰り返してきた森田芳光ほど、その醍醐味が味わえる映画監督もいないのではないかと思います。今回リリースされるこの画期的ボックスセットと、目下鋭意作業中の単行本「森田芳光全映画」によって、とかく80年代に偏りがちだった従来の批評軸が刷新され、文字通り全ての森田映画が、より正当に評価されるよう願ってやみません。もっとはっきり言ってしまえば、「家族ゲーム」だけが森田芳光の「最高傑作」というわけでは、まーったくないのだということ!
各社を股にかけて活躍してきた異例なまでの人気監督であるがゆえに、そのキャリアを一気に一望できるこの機会は、本当に本当に貴重なものであるということも、改めて強調しておきたいあたりです。
森田生誕70年没後10年の節目に26作品のブルーレイボックス、書籍「森田芳光全映画」が発売される事になり、国内外の特集上映やテレビ放映も実施して頂くことになりました。
森田映画は何年も寝かせると味が良くなる“ワイン映画” 、何度も観ると別の味が出てくる“するめ映画”、隅々まで観ると新しい発見がある“びっくり箱映画”のようなものなのでは!と思います。
「森田芳光全映画」の豪華なご執筆陣のアーチストならではの鋭い視線で新たに各作品を観て頂いたり、年代順に当時の撮影秘話と共に観て頂いたり、本人が「僕の映画はストップしたり、繰り返したり、そうやって細かく観て頂けると嬉しい」と言っていた通り、その日の気分に合わせて如何様にも楽しんでください。
森田ゆかりの映画館を巡る特集上映やテレビ放映、また海外での上映も併せ、ひとりの映画監督の生涯の変遷をご一緒に巡って頂くことも出来る素敵な企画を皆様が用意してくださいました。どうぞそれぞれの方法でお楽しみいただければ幸いです。
そしてこれを機に他の沢山の優れた映画監督の作品を、皆様が観やすい環境が整うことへのきっかけになれば、これ以上の喜びはありません。
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