39 刑法第三十九条

劇場公開日

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解説

都内で起きた夫婦惨殺事件。逮捕された劇団員の若者は、あっさり犯行を認めたが殺意を否定。やがて裁判が始まり、おとなしいはずの若者の人格は一変し、奇怪な言動を連発し始める。「心身喪失者の行為はこれを罰しない。心身耗弱者の行為はその刑を減刑する」と記された刑法第三十九条をモチーフにしたサイコ・サスペンス。

1999年製作/133分/日本

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映画レビュー

4.5病者にも死を、と私は考える

きりんさん
2022年5月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

病者にも死を、と私は考える
我が子、あるいは私自身が当事者であったとしても。

「心神喪失」ないし「心神耗弱状態」の者が重大犯罪を犯した場合、
犯人が“病人”として弁護され、検察は法文に従ってそれを飲み、結果無罪で放免される「39条システム」。

しかし我が子、あるいは私自身が当事者であったとしても、それでも敢えて「病者にも死を」、と私は考えるのだ。

病人ではなく“一個の完全な人格”として重んじて私を、また我が子を、死刑に処してもらいたい
・・これが常日頃から私が考えていたこと。

心疾患患者=イコール「罪を償う資格さえない半端者」と、国家が一部の国民をみなすことへの重大な人権蹂躙を、私は受け入れる事は出来ないから。

(↑ここまでが映画鑑賞まえに書いた部分)。

以下は鑑賞後のレビュー↓

・・・・・・・

堤真一は39条の欺瞞を暴いた。被害者無視の法制度の欠陥を突いて。
鈴木京香は鑑定人としての立場から詐病を見抜けない精神鑑定の限界を明らかにしようとした。
この二人の挑戦は見ものだった。
図らずして共闘だったと堤は言った。
レビューを書く前の私の意向に沿ってくれていたと思う。

しかし心は揺れる。

じっくり映画を見つめていると自死を選んだ鈴木京香の父親の影や精神を病む母親との同居は 患者と家族の日常生活を割り切れない現実として映すし、
他人になりすまして復讐を果たそうとする堤が“正常”であったかわからなくなってくる。

そしてこの映画には犯人の家族はほとんど登場しない。

・・・・・・・・・・・・

猟奇事件の犯人になってしまった患者=少年=の家族の側から(その苦悩を主題に)この作品が撮られていれば、物語の様相はまたガラリと変わっただろう。

しかしここではそこに触れずに、ぶれずに、監督の森田芳光は徹底して法論議に徹して撮りきったことなのだと思う。

・・・・・・・・・・・・・

“病者”だからガス室へ(ドイツ)。
“病者”だから患者にも政治犯にもロボトミー施術を(米ソ、各国)。
国家が“病人認定”することで人間を抹殺してきたこの恐ろしい歴史を人類は背負ってきている。

それを教訓として
疑わしきは罰せずの原則、そして
安易に法の行使を国家に許さないタガとしての役割、
これも基本的人権の遵守に依拠する「刑法39条」の存在意義だろう。

【病人ゆえに赦すか】
【病人ゆえに亡き者にするか】
これがギリギリ裏腹である危険性を思いつつも
【裁く責任】と
【裁かれる権利】について、
鈴木京香と堤真一が法廷で突いた問題提起は「そもそも人間の尊厳とは何なのか」を我々に問うていることは確かだ。

全員が聞き取れないほどの小声。
みんな病者に見える。
裁判官も裸体だ。
法の ひ弱ささが露呈されていた。

・・・・・・・・・・・・

重たい問題提起を見させられた。

そして鑑賞後に私は思うのだ ―
(冒頭述べた)自分自身が裁かれることになったあかつきに、
あるいは我が子が被告として法廷に立たされる日がもしも来てしまったあかつきに、
私は勇ましく理想を主張する自信がなくなってしまった気がする、

そして
「お願いです、病気だったのですから助けて下さい!許して下さい!」
ときっと懇願して叫んでしまうだろうなぁと思うのだ。

裁かれる権利とか
被害者のことは一切忘れて。

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きりん

5.0護られるべき人権について

けんじさん
2021年12月24日
iPhoneアプリから投稿

「精神鑑定は確かに犯罪の抜け道になる。だけど、それで鑑定人の心までは抜けられない」

刑法第39条
犯行時に心神喪失、心神耗弱状態にあった場合、善悪の判断ができない状態であるため罪には問わない、あるいは減刑する。
それは、そのような状態で犯行を犯してしまった被告人の人権を守るための法律である、という建前で成立しているが、本当にこの法律にその機能が果たせているのだろうか。

ただ単に「罪を罰しないこと」が人権を守ることではない。
「罰しない」という判断によって奪われている人権が、被害者だけでなく加害者の側にもいくつあるだろうか。その判断によって単に心神喪失者とみなされることで、加害者の心の中にある問題がこぼれ落ち、抱えている問題が見落とされてしまう。加害者の人権を守るための法律ならば、本来はその問題に立ち向かい、解決するためのものでなくてはならない。「罪に問わない」ことは、その問題を解決するどころか、むしろ蓋をしてしまう。永遠に闇の中に葬られ、事件は「運の悪い事故」として処理される。加害者は振り返りの機会をなくし、社会に適応してなかった、未成年だった、病気だった、善悪の判断ができないなかで犯罪をしてしまったという「ただ運が悪かったうちの1人」として処理され、彼の内面はこの法律によって蓋をされる。
結局何の裁きもないまま社会に出て再犯を繰り返す、という負のループである。

そして被害者はただ泣き寝入りするのみである。

それこそが、本来人権を守るはずの現行の刑法第三九条が、結局は誰の人権も守っておらず、逆に人権を大きく侵害してしまっているという最大の落とし穴である、と。
これは被害者であり、加害関係者でもあったカフカだからこそ立ち止まれた問題であったと思う。
だから「刑法第三九条にナイフを突きつける」という工藤の「共犯者」になり得たのだと思う。

カフカが工藤に感じた違和感。「鑑定書に書かれているものはただのデータだ」と言い切れたのは、犯罪加害者の家族として生活してきたから感じられたこと、その中での苦悩や、身近な人物である母親が、おそらく(その心理的な負荷によって)なんらかの精神疾患を患っているのを身近でみてきたから感じられたものなのかもしれない。「直接感じたこと」を信じたからこそ、工藤の心の中を抜けることができたのだと思う。

ラストシーンで、工藤の目には周囲が異質に見えていた。
それはもしかしたら、彼がなんらかの精神病症状を呈していた、ということなのかもしれない。それを主張すれば、あるいは刑法第三九条の適応になったかもしれない。だが彼は必死にその幻覚を振り払い、踏みとどまった。(現実的にそんな症状コントロールが可能かどうかというより、そういう演出として)
それは彼自身が、自分の行いに向き合うためであり、自分の人権を守るための、社会に対する必死な最後の抵抗だったように思う。
加害者の人権を守ることとは、罪に問わないことではない。加害者が自分の罪に向き合うことができる権利を守ることである。罪を理解できないただの病人ではなく、1人の人間としてなぜその罪を犯したのかということを考える権利のことであり、それを考える人間として罪を償う権利を守ることである。それによって、罪によって奪われた被害者の人権を守ることである。刑法第三九条は、罪を問わないことによって犯罪加害者やその関係者からその権利を奪ってしまっているのだ。

この映画ができた時代からかなり時間も経っているため、細かな運用や医療観察法のあり方などに変化はあるとは思う。池田小の事件をきっかけに「医療観察制度」ができたこともある。精神病患者の場合、刑務所に行くよりも適切な治療を受けた方が再犯率も低いことや、刑務所からの出所者に比べ、医療観察のもとで治療を受けた人の方が再犯率は低いなどの実態も事実としてはあるらしい。しかし、今でもこの法律の適応が広すぎることなど、疑問、問題は多いように思う。つまり、この映画で提起されている問題自体は、未だに現代的な問題として十分考えうることでもある。そういう意味でも、意義深い作品だったと思う。

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けんじ

2.040点

2021年10月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

寝られる

映画評価:40点

すっごく長々と、
ダラダラしながらミステリアスに
事件について見つめ直していく

要点だけを縛れば30分で終わる。

その30分の本筋自体も、
正直なところ良いシナリオとは言えず、
見終わってモヤモヤします。

ただ、
着眼点は面白く、
これを観た人は間違いなく
刑法39条について何か思うのだろう。

他にも、
役者陣が素晴らしかった。

エモリさん、樹木希林さんが演じた
弁護士、検察官はリアリティがあって良かった。
実際は何件も何件も担当する訳で
もう事件解決とかどうでもよくて、
作業になっているんだなぁと改めて実感しました。

あとは堤真一さんの鬼気迫る演技は圧巻。

鈴木京香さんも魅力的で良かった。

当時、世間をザワつかせた映画なだけあって、
今こうして観られて良かったです。

【2021.10.25観賞】

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まぁと@名作探検家

4.52回目ながら

oniheyheyさん
2021年10月5日
スマートフォンから投稿

悲しい

知的

もう20年以上前の作品とは思えない、
実際観るのは2回目なのだが、
素晴らしい演出、カメラワーク、演技に
作品として★を付けずにはいられなかった。
淡々としたリズムの進行
淡々とした役者の演技
だからこそカメラワークや音楽がビシビシ効いてくる。
鈴木京香の女優としての気配の消し方、
そりゃ最優秀主演女優賞とるよ

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oniheyhey
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