(ハル)

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

パソコン通信によって見知らぬ男女が出会い、恋が生まれるまでを描いたラブストーリー。(ハル)というネームでパソコン通信の映画フォーラムにアクセスを始めた速見昇は仕事も恋もうまくいかず鬱屈していた。そんな彼に(ほし)というネームで励ましのメールが届く。その日から、2人はメールを交換し始め、本音を伝え始めるようになる。そして(ハル)は会うことを提案するが……。スクリーンに映しだされたメール文字だけでなく、2人の距離感をみずみずしく描いた森田演出が際立つ。

1996年製作/118分/日本

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第20回 日本アカデミー賞(1997年)

ノミネート

脚本賞 森田芳光
主演女優賞 深津絵里
新人俳優賞 内野聖陽
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映画レビュー

4.0【”パソコン通信”により、知り合った(そしてお互い偽りの部分もありながら)男女の恋物語。森田芳光監督作品の中でも、特に斬新な設定と、それを支える深津さんと内野さんの演技に魅入られた作品。】

2022年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

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共感した! 6件)
NOBU

4.026年も前。SNSで出会った2人の本物の恋

2022年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

1996年。監督:脚本:森田芳光。
主演のふたり。深津絵里と内野聖陽が若い。

パソコン通信で知り合う(ハル)と(ほし)
グループでチャットがいつのまにか一対一のかけがえの無い“話し相手=相談相手)になって行く。
(ほし)がはじめ男性のふりをしてたり、
(ハル)の彼女が外国へ行ってしまって失恋したり、(ほし)にはしつこいストーカーがいたり、
(ハル)が(ほし)と同時進行で付き合ってた(ローズ)が、まさかの(ほし)の妹・・・
ショックだった!!

今ならSNSで知らない人とメールするなんて珍しくもないが、26年前は、最先端の
ネット黎明期だったんだ!!

パソコンの文章画面が半分を占める。
でもドラマティックだった。
ドキドキした。
応援してた!!2人を!

この映画、20数年前に観ています。
その時は内野聖陽を見て、なんでこの人が主役の(ハル)なの???
とても不満だった。
内野聖陽は今かなり好きな俳優だが、当時は(ハル)にはもっと甘いハンサムがいいな・・と思い込んでいた。
深津絵里さんが美しいこと!!
今とイメージが殆ど変わらない、美人で感じがイイ。
まさかこんなに感動するとは夢にも思わなかった。
森田芳光、最高!!

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琥珀糖

5.0赤いワンピースとグレーのスーツ。”七夕の逢瀬“を固唾を呑んで見守る。

2022年7月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「人と人の間には、今まで誰も知らなかったこんな出会い方もあるのだ」と示した、「パソコン通信黎明期」の映画。

・仲人さんを介したお見合いでもなく、
・共通の友人からの紹介による出会いでもなく、
・偶然同じ場に居合わせて顔を合わせた=同じ学校のクラスメートとか職場の同僚=というのでもなくって、

独りで村上春樹を読むように、
独りでアパートの自室で自分の日記帳を読み返している人たちのように、
モニターの字を辿っていく読者たちが愛読書の著者の世界に出会っていくように、そうして見ず知らずの二人がお互いのメールの文章に惹かれていく
・・という物語です。

でも悲しいかな、新しくて美しかったけれど、あっと言う間に終わってしまった出会いの方法でしたね。SNS犯罪がこれだけ隆盛になってしまうと。
一瞬だけの。花火のような。

宇多田ヒカルの、16歳での衝撃的デビュー作「AUTOMATIC」にも印象的なリリックがあるな
〽It's automatic
アクセスしてみると
映るcomputer screenの中
チカチカしてる文字
手をあててみると
I feel so warm

↑これ大好きなフレーズなんです。

モニターの明かりに浮かぶ深津絵里がとても綺麗だ。

・・・・・・・・・・・・

【台本から】

(ほし)
何かほっとしました。ちゃんと時間通りの新幹線にハルがいたことが・・
私に沢山のメールをくれたハルが、私の生まれ育った場所を200キロのスピードで通過して行きました。
このビデオは大切にさせていただきます。
苦しい時、寂しい時、このスピードのハルを見ることにします。

(ハル)
こんな方法でほしの姿を見られるとは思わなかった。今までメールで色々なことを書いてきた人がこの人だなんて・・
赤い服がとても似合っていた(良く見えなかったけど)。ともかく不思議でしょうがない。小学校の同級生に久し振りに出会ったような・・面影があるようで。面影どころか初めて会ったのにね。
僕もこのビデオを大切にしようと思っている。

・・森田芳光、いい脚本。いい台詞だ。
若い二人の小さからぬ高揚を感じて、スクリーンを見守る僕も手に汗を握る。

DVD特典には森田のインタビューが載っている、いわく「文字」と「字幕」に主役になってもらった理由。

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迷惑メールの削除とBL登録が朝のルーティン。毎日忙しい。

実は、我が家の近くの高速道路のパーキングで、殺人犯の夫婦が逮捕されたことがあるのです、それは北関東でSNSで呼び出した女子高生を死なせた夫婦でした。

今やこんなふうに、残念ながらメールもSNSも、凶悪犯罪の落とし穴や 詐欺グループの仕掛ける罠の非常に危険なツールとなってしまった。

時速200キロですれ違い、お互いのhonesty をハンカチで確かめ合った二人だったのだが、あの映画史に残るだろう美しいシーンは、あの速度のまま最早人と人との信頼関係の世界から通り過ぎてしまったと思う。

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手紙フリークの僕は小中と20人ほどと文通し、結婚した妻にもたくさんの手紙を書きました。

トム・ハンクスとメグ・ライアンの「ユー・ガット・メール」は残念ながら期待はずれ。
その映画の元ネタとなった「桃色の街」も文通のシーンがまったく希薄でがっかりだった。
しかし「ユー・ガット・メール」に2年先駆けて作られた本作「 (ハル) 」は、文字になった人間の言葉がしっかりと言霊を持って往復しており、二人の男女も主人公。
そして二組の私信の文字が主人公。
往復書簡のやり取りが主人公だったのだと思う。

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【きりんの自分語り】
せっかく思い出したのでメモ

《ハンカチを振るシーン》良かったなぁ。
思い出したっけ、うちの子を連れて近くの山に登ったとき、時間を決めて、うちの玄関先で妻に白いバスタオルを振ってもらったんだ。

携帯電話など無かった時代。

山の展望台からそれが見えたときのえも言われぬ感激ね。
もういいのにいつまでもタオルを振ってくれていた妻が、遠くふもとにいた。

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きりん

4.0(ほし)

2021年10月18日
iPhoneアプリから投稿

中国語教室に通うハル、ストーカーに追われながらも職を転々とするほし。互いに独立した人生があり、本人の成長もある。依存したり、もたれあったりする訳でもない。会わないからこそ成り立つ構図、純粋な恋愛論が繰り広げられる。ネットを介してふたりに引力が働き交錯する。新幹線から互いにハンカチを振るシーンは、彗星に遭遇するが如く貴重で美しい。

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Kj
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