「ボヘミアン・ラプソディ」放送記念 「クイーン」楽曲でテンションが爆上がりするおすすめ映画5選 【映画.comシネマStyle】
2021年6月4日 20:00
毎週テーマにそったおすすめ映画をご紹介する【映画.comシネマStyle】。人気ロックバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーさんの人生を描き、世界中を熱狂の渦に巻きこんだ大ヒット映画「ボヘミアン・ラプソディ」が、本日6月4日に日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送されます。
「ボヘミアン・ラプソディ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」といった名曲誕生の瞬間や、20世紀最大のチャリティコンサート「ライブ・エイド」での圧巻のパフォーマンスなど、音楽史に残る伝説の数々が描かれており、見どころは盛りだくさん。そこで今週は、「ボヘミアン・ラプソディ」の次に見たい、「クイーン」の楽曲が印象的に使用されている映画5本を集めてみました。最後には、紹介しきれなかった作品をまとめたリストも用意いたしましたので、お見逃しなく!(文:蛯谷朋実、ドーナッツかじり)
×「ドント・ストップ・ミー・ナウ」(Don’t Stop Me Now)&「マイ・ベスト・フレンド」(You're My Best Friend)
小気味良いテンポで、思わず体が動き出して止めることができない曲「ドント・ストップ・ミー・ナウ」。この曲が最高のスパイスとして私たちを笑いの渦に引き込んでくれるのが、このゾンビ映画です。2004年の製作当時は日本で劇場未公開となったにもかかわらず、熱烈なファンも多く、15年経った19年にTOHOシネマズで限定上映という形で、念願の劇場公開となった異色作です。
ロンドンの家電量販店で働くショーン(サイモン・ペッグ)は、親友のエド(ニック・フロスト)とともに毎日パブで飲んだくれ自堕落な日々を過ごしていた。そんな彼に恋人のリズ(ケイト・アシュフィールド)は愛想を尽かす。リズを取り戻すため、ショーンは更生を誓うも、街には大量のゾンビが発生。エドとともに、母親とリズを助けるためクロケットのバットひとつで街中に飛び出すショーン。果たして、彼はふたりを無事救い出し、生き残ることができるのか……。
「ゾンビ映画は怖い」と思ってやや避け気味だった筆者の概念を覆した、最高に笑えて、シュールなゾンビコメディ映画です。ショーンが何よりダメ男で、デートはいつも同じパブかつ親友同伴、まるでゾンビのような青白くよろよろとした立ち振る舞いで、ゾンビ登場の瞬間に漂う緊張感をすべて緩めてしまうずるいキャラクターです。また親友のエドとのコンビネーションも最高。もうこのふたりがいると「すべて悪い方向に行く予感しか感じさせない」という素晴らしいコンビです。
そんなショーンが考えついた最高の生存方法が「母親を迎えに行き、リズも助け出し、馴染みのパブに立てこもる」。どうです? もう失敗の予感しかしないでしょ? しかし1日だけ禁煙をして、リズにいいところを見せたいショーンはやる気満々。なんとかパブに辿り着くも、ゾンビたちと対峙することになったときに流れるのがクイーンの「ドント・ストップ・ミ―・ナウ」です。パブにおかれたジュークボックスから突如流れ出した音楽に、知らずしらずのうちに体が合わせてしまうのか、襲ってきたゾンビをみんなでリズミカルにタコ殴りにします。こんなに緊張感のないゾンビとの対決でいいのかと思わず笑顔になってしまいます。音楽とシンクロしたシーンって、なんでこんなに気持ちいいんでしょう。
さらにクイーンの曲が映画の締めにも使われます。「マイ・ベスト・フレンド」。ゆったりとしたメロディに美しいハーモニーで奏でられる曲なのですが、なぜかこのエンディングで流れると「ちゃんちゃん♪」と入れたくなるような、なんともいえないオチを強調してくれるのです。
また、主演のペッグとフロストのペアは、エドガー・ライト監督とのタッグで、B級ホラーコメディ“血とアイスクリーム3部作”シリーズとして「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」(2007)、「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」(13)と続いていくので、本作が気に入った方はぜひこちらもご覧ください。
見た目は大人、中身は子どもという、DCコミックスで異色のヒーローの活躍が、ユーモアたっぷりに描かれます。
身寄りがなく、里親のもとを転々としてきた少年ビリー(アッシャー・エンジェル)はある日、謎の魔術師からスーパーパワーを与えられ、6つの力を持つヒーロー「シャザム(SHAZAM)」に変身できるようになる。筋骨隆々で稲妻を発するシャザム(ザカリー・リーバイ)に変身したビリーは、ヒーローオタクの悪友フレディ(ジャック・ディラン・グレイザー)と一緒に、スーパーマン顔負けの力をあちこちで試し、悪ノリ全開で遊んでいた。しかし、そんなビリーの前に、魔法の力を狙う科学者Dr.シヴァナ(マーク・ストロング)が現れる。
「S=ソロモンの知力」「H=ヘラクラスの強さ」「A=アトラスのスタミナ」「Z=ゼウスのパワー」「A=アキレスの勇気」「M=マーキューリーの飛行力」という6つの力を持ち、まさに最強かつ完璧なヒーローであるシャザム。しかし、魅力でもあり欠点でもあるのは、中身がやんちゃ盛りの14歳の少年であること。公開当時は、「見た目は子ども、頭脳は大人」である「名探偵コナン」と比較され、“逆コナン”とも言われていました。
そんなスーパーパワーを手にしたビリーと、友人フレディが悪行の限りを尽くすシーンをテンポよく彩るのが、「ドント・ストップ・ミー・ナウ」。教科書の爆破に始まり、「破壊力、飛行、ビーム、瞬間移動、対火」など、どんなことができるのか、次々とチェックしていきます。ジャンプに失敗してビルの窓に激突したり、すれ違う人のスマホを勝手に充電したり、自動販売機やATMに電気を送って大量のジュースやお金を飛び出させたり、果てはストリップクラブに侵入!? 14歳が考える「大人だったら、超人だったらできること」を想像して遊び回り、大暴れするのです。
タイトル通り、繰り返し「ドント・ストップ・ミー・ナウ」(僕を止めないで)という言葉が登場し、まさに誰にも止められない勢いや万能感さえも感じさせる歌詞は、はからずもパワーを手にした悪ガキ2人組にぴったりなのです。
×「ウィ・ウィル・ロック・ユー」(We will Rock You)&「伝説のチャンピオン」(We Are the Champions)
故ヒース・レジャーさんが主演し、平民の若者が騎士として立身出世していくサクセスストーリー。
時は14世紀。仕えていた主人の死により、身分を偽って代わりにジュースティング(馬上槍試合)に出場したウィリアム(レジャーさん)は、強敵を見事に下し、トーナメントで優勝する。その後も仲間たちとともに、数々の大会で勝利を重ね、騎士の道を極めていく。やがてウィリアムは運命の相手・ジョスリン(シャニン・ソサモン)と出会う。しかし、世界選手権の決戦前夜、宿敵・アダマー伯爵(ルーファス・シーウェル)によって、貴族の出身でないことを突き止められてしまう。
ヘルゲランド監督の「過去と現在を切れ目なくつなぐ」という意図のもと、劇中では「クイーン」やデビッド・ボウイの音楽がちりばめられています。「ウィ・ウィル・ロック・ユー」に導かれ、馬上槍試合の見物客たちが足踏みをし、手を打ち鳴らすオープニングは圧巻。熱狂する人々や、広大な競技場の様子が次々と切り取られ、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」をたっぷりと聞くことができます。
「ゴールデン・イヤーズ」(ボウイ)、「ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード(エリック・クラプトン)、「ザ・ボーイズ・アー・バック・イン・タウン」(シン・リジィ)――中世の世界観に、ロックの名曲が不思議とマッチしているんですよね。筆者は「ミスマッチなのでは……」と思う音楽ががっちりとはまって、物語の世界観を作り上げていると、最高にテンションが上がります(例えばホラー映画の凄惨なシーンに、クラシックを合わせたり……)。
そんな名曲ぞろいのラインナップのなかでも、「クイーン」の楽曲は、主人公ウィリアムの成長に寄り添う役割を果たしているのです。平民の階級から這い上がろうとするウィリアムが抱く夢や野心と重なる「ウィ・ウィル・ロック・ユー」。そしてエンドロールで流れる「伝説のチャンピオン」。ウィリアムの心情とともに、歌詞に耳を傾けてみてください。ちなみに本作の原題は「A Knight’s Tale」。邦題の「ROCK YOU!」は、「クイーン」に捧げられているように感じられます。
×「ドント・ストップ・ミー・ナウ」(Don’t Stop Me Now)&「伝説のチャンピオン」(We Are the Champions)
「モンスター上司」のジェイソン・ベイトマンと、「きみに読む物語」のレイチェル・マクアダムスが夫婦役で共演し、謎解きゲーム中に本物の犯罪に巻き込まれてしまった人々をめぐるコメディドラマ。
ゲーム好きな夫婦マックス(ベイトマン)とアニー(マクアダムス)の楽しみは、週に1度友人たちと集まって様々なゲームに興じること。ある日彼らは、マックスのお金持ちの兄ブルックス(カイル・チャンドラー)が自身の豪邸で企画した、殺人ミステリーの謎解きゲームに参加するが、そこへ覆面姿の男たちが侵入し、ブルックスを誘拐してしまう。参加者たちは誘拐を演出だと勘違いし、ゲームを攻略するべくブルックスの行方を追う。
本作は、「クイーン」で始まり、「クイーン」で終わる映画といっても過言ではありません。冒頭でいきなり「ドント・ストップ・ミー・ナウ」にのせ、マックス&アニーのゲームイベントでの運命の出会い、馴れ初め、そしてゲームだらけの生活が映し出されていきます。そしてゲーム好きのふたりらしく、結婚式では「ダンスダンスレボリューション」(懐かしい!)を披露する姿も。音楽の力もあり、タイトルが出てくる頃には、ハイテンションになっていること請け合いです。
「お!バカんす家族」のゴールドスタイン&デイリー監督コンビの作品なだけあって、テンポよく挿入されるギャグやブラックユーモアにニヤリとさせられ、予想を裏切り続けるストーリーも秀逸。またマックスがコンプレックスを感じるほど完璧な(けれどどこか胡散臭い?)兄ブルックス、ゲーム中に浮気が明らかになり、痴話喧嘩を繰り広げるケヴィン&ミシェル、おバカなライアン&知的なサラのコンビ……、濃厚キャラクターが続々登場します。
なかでもジェシー・プレモンス(「アイリッシュマン」「もう終わりにしよう。」)演じる、隣人の不気味な警官ゲイリーが愛おしい! 妻と離婚し、ひとりぼっちで孤独を感じているのですが、不気味過ぎるがゆえ、マックス&アニーから「ゲームナイト」に誘ってもらえず……。常に腕に抱えたペットの犬を無表情で撫でながら、ゲームに誘ってほしい気持ちをバチバチに伝えてくるのです。また映画ファンにとって見逃せないのは、劇中ゲームのお題や会話のなかに仕込まれた映画ネタ。アニーがおもちゃの拳銃(実は本物)を振りかざして、「パルプ・フィクション」のセリフを叫ぶシーンは最高です。
そして物語のクライマックスで流れるのは、「伝説のチャンピオン」! 「この曲が流れる」という情報だけで、少々ネタバレになっている気もするのですが、波乱に満ちた「ゲームナイト」の行方を、是非見届けてください。またエンドロールでは、ゲイリーが登場するため、最後まで要チェックです。
「フラッシュ! あーあー」というメロディは聞いたこともある人が多いかと思います。この曲はその名も「フラッシュのテーマ」。この映画の音楽すべてをクイーンが担当しています。
フラッシュ・ゴードンというのは、主人公の名前。彼は1934年から連載されていた新聞漫画から飛び出したヒーローで、いわば今のアメコミヒーローの走りともいえる存在です。ジョージ・ルーカス監督がこの旧映画版を見てリメイクを申し出たこともある、人気のSFヒーローなのです。
物語は、まるでジオストームのごとく、地球の天変地異を宇宙から操ることができる機械を有した惑星モンゴの支配者・皇帝ミンが地球を破壊しようとするところから始まる。しかし、その天変地異がミンの仕業であると気付いているのは、NASAから追放された変わり者の科学者ハンス・ザーコフ(トポル)ただひとり。ザーコフは自前のロケットで地球を救おうとするも、狂った彼の考えについていけずに助手は逃亡。そんななか、たまたま彼の研究所の近くに、アメフトのスター選手フラッシュ・ゴードン(サム・ジョーンズ)と旅行代理店のデール(メロディ・アンダーソン)を乗せた飛行機が不時着する。ザーコフは、これ幸いとロケットの打ち上げを手伝わせて一緒に宇宙へと飛び立つ。しかしすぐにミンに見つかり、3人は惑星モンゴの捕虜となってしまう。
フラッシュは持ち前の運動神経で必死に抜け出そうとするも、あえなく失敗。デールはミンの婚約者に、ザーコフは人体実験になることを告げられ、そしてフラッシュは死刑を宣告される。しかし、フラッシュの持ち前の魅力でミンの娘、王女オーラ(オルネラ・ムーティ)によって死の淵から復活。そしてデールと地球を救うため奮闘する。
バトルシーンになるとかかるのが、クイーンの手がける音楽たち。はじめギターリフが戦闘を盛り上げていき、観客の興奮に合わせるように様々な楽器が重なり、テンションを盛り上げていきます。そしてフラッシュが現れると連呼される「フラッシュ!」というシャウト。ひたすらに繰り返されるそのシャウトに、途中で頭のなかでゲシュタルト崩壊が起こるほどです(苦笑)。
80年代の映画なので、CG技術などはいまの作品に比べるとびっくりするほどのものですが、音楽とマッチした戦闘シーンにワクワクが止まりませんでした。「フラッシュ・ゴードン」にはいまだにファンも多く、「マイティ・ソー バトルロイヤル」「ジョジョ・ラビット」を手がけたタイカ・ワイティティ監督が、長編アニメとしてリブートするというお話もあります!
「クイーン」楽曲が印象的な映画セレクト、いかがだったでしょうか。「ボヘミアン・ラプソディ」の興奮冷めやらぬ読者の皆様に、本記事がお役に立てば幸いです。そのほか、「クイーン」の楽曲が印象的に使用されている映画をまとめたリストはこちら。こうしてみると、「ドント・ストップ・ミー・ナウ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」「アンダー・プレッシャー」の使用率が高いことが分かりますね。
リヴ・フォーエヴァー(Who Wants to Live Foever)など劇中の7曲を提供
ウィ・ウィル・ロック・ユー(We will Rock You)&伝説のチャンピオン(We Are the Champions)
ナウ・アイム・ヒア(Now I’m Here)
アンダー・プレッシャー(Under Pressure)
愛にすべてを(Somebody to Love)
アンダー・プレッシャー(Under Pressure)
フラッシュのテーマ(Flash)
ウィ・ウィル・ロック・ユー(We will Rock You)
アンダー・プレッシャー(Under Pressure)
ドント・ストップ・ミー・ナウ(Don’t Stop Me Now)
レディオ・ガガ(Radio Ga Ga)
ブライトンロック(Brighton Rock)
アンダー・プレッシャー(Under Pressure)&(予告編で)キラー・クイーン(Killer Queen)
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