日本アカデミー賞「桐島、部活やめるってよ」が作品賞含む3冠
2013年3月8日 23:00

[映画.com ニュース] 第36回日本アカデミー賞の授賞式が3月8日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、吉田大八監督の「桐島、部活やめるってよ」が最優秀作品賞を受賞した。同作は、最優秀監督賞、最優秀編集賞も含む3冠を達成。さらに、全国の映画ファンの投票によって選ばれる話題賞作品部門も受賞しており、「桐島」旋風が同賞を席巻した。また、阪本順治監督作「北のカナリアたち」も最優秀撮影賞、最優秀照明賞、最優秀音楽賞の3賞に輝いている。
「桐島、部活やめるってよ」の吉田監督は、「本当に驚いています。テレビ局が製作する映画はいろいろとプレッシャーをかけられると思っていましたが、今までで一番自由にやらせてもらいました」と緊張の面持ち。また、この日は欠席した主演の神木隆之介をはじめとするキャスト陣を絶賛し、「若い頃から青春とか大嫌いでしたが、若い俳優の才能と野心に押されて、こういう場に立っているのは不思議な気持ち。日本映画の未来は明るい」と称えた。
新人俳優賞を受賞した橋本愛と東出昌大も同作に出演しており、3冠に大喜び。橋本は大粒の涙を流し、「監督の喜んでいる顔を見られたのがうれしい」と語るのが精いっぱい。東出は、不在の神木を気遣い「皆の心はひとつです」とチームワークの良さをうかがわせた。
最優秀主演男優賞に輝いたのは、「テルマエ・ロマエ」で古代ローマ人を演じた阿部寛。初めての受賞にビックリした表情で登壇し、「まさかと思いました。いま、こんなにでかい体なのに鳥肌が立っていて、情けないです。次にこの舞台に帰って来られることがあるとしたら、日本人役で戻ってきたい」と声を詰まらせながらも、ジョークで場内の笑いを誘った。
70歳の樹木希林は、「わが母の記」での演技を評価され、同賞史上最年長で2度目の最優秀主演女優賞を受賞。こちらも動揺した様子で、「これをいただくと、来年は司会をやらなくちゃいけない……。来年がんになるかもしれないし、確約はできないわ」と“希林節”で喜びを語った。また、「あなたへ」に出演した故大滝秀治さんが、同賞史上最年長での最優秀助演男優賞を受賞した。余貴美子は、「おくりびと」「ディア・ドクター」に続き3度目の最優秀助演女優賞となった。
最優秀監督賞:吉田大八(「桐島、部活やめるってよ」)
最優秀主演男優賞:阿部寛(「テルマエ・ロマエ」)
最優秀主演女優賞:樹木希林(「わが母の記」)
最優秀助演男優賞:大滝秀治(「あなたへ」)
最優秀助演女優賞:余貴美子(「あなたへ」)
最優秀脚本賞:内田けんじ(「鍵泥棒のメソッド」)
最優秀撮影賞:木村大作(「北のカナリアたち」)
最優秀照明賞:杉本崇(「北のカナリアたち」)
最優秀美術賞:磯田典宏、近藤成之(「のぼうの城」)
最優秀録音賞:橋本文雄(「聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実」)
最優秀編集賞:日下部元孝(「桐島、部活やめるってよ」)
最優秀音楽賞:川井郁子(「北のカナリアたち」)
最優秀外国作品賞:「最強のふたり」
最優秀アニメーション作品賞:「おおかみこどもの雨と雪」
新人俳優賞:武井咲、二階堂ふみ、橋本愛、染谷将太、チャンミン、東出昌大、松坂桃李
話題賞:作品部門「桐島、部活やめるってよ」、俳優部門:大島優子(「闇金ウシジマくん」)
会長特別賞:故新藤兼人さん、故橋本文雄さん、故森光子さん、故山田五十鈴さん、故若松孝二さん
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