おおかみこどもの雨と雪

劇場公開日:2012年7月21日

解説・あらすじ

「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守監督が、「母と子」をテーマに描くオリジナルの劇場長編アニメーション。人間と狼の2つの顔をもつ「おおかみこども」の姉弟を、ひとりで育て上げていく人間の女性・花の13年間の物語を描く。

「おおかみおとこ」と恋に落ちた19歳の女子大生・花は、やがて2人の子どもを授かる。雪と雨と名づけられたその子どもたちは、人間と狼の顔をあわせもった「おおかみこども」で、その秘密を守るため家族4人は都会の片隅でつつましく暮らしていた。しかし、おおかみおとこが突然この世を去り、取り残されてしまった花は、雪と雨をつれて都会を離れ、豊かな自然に囲まれた田舎町に移り住む。

「時をかける少女」「サマーウォーズ」に続いて脚本を奥寺佐渡子、キャラクターデザインを貞本義行が手がけた。第36回日本アカデミー賞で最優秀アニメーション映画賞を受賞。

2012年製作/117分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2012年7月21日

スタッフ・声優・キャスト

監督
細田守
原作
細田守
脚本
奥寺佐渡子
細田守
製作指揮
城朋子
製作
藤本鈴子
齋藤佑佳
岡田浩行
井上伸一郎
平井文宏
阿佐美弘恭
弘中謙
市川南
高田佳夫
植木英則
エグゼクティブプロデューサー
奥田誠治
Co.エグゼクティブプロデューサー
高橋望
プロデューサー
齋藤優一郎
伊藤卓哉
渡邊隆史
アソシエイトプロデューサー
川村元気
村上泉
キャラクターデザイン
貞本義行
作画監督
山下高明
美術監督
大野広司
色彩設計
三笠修
CGディレクター
堀部亮
美術設定
上條安里
衣装
伊賀大介
劇中画
森本千絵
編集
西山茂
録音
小原吉男
音響効果
今野康之
音楽プロデューサー
北原京子
音楽
高木正勝
主題歌
アン・サリー
高木正勝
アニメーション制作
スタジオ地図
プロダクション協力
マッドハウス
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受賞歴

第36回 日本アカデミー賞(2013年)

受賞

最優秀アニメーション作品賞  
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(C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

映画レビュー

3.5 行っちゃうのね。。。

2023年3月23日
スマートフォンから投稿

泣ける

田舎暮らしで頑張る姿に涙、、、子育ても、ただでさえ容易じゃないのに…おおかみこどもの雨と雪を育てるだもんね…。ピュアな芯の強さにパッと見、折れちゃいそうなのにしっかりと根を張って生きてる。。。そんなところに感動(T_T)。受け入れてくれる周りにもジ~ン。。。

それでも山に行っちゃうのね。。。自分らしく生きててくれればいいよ、と、お母さんは思うのでした。

コメントする 4件)
共感した! 6件)
ホビット

4.5 日常のきらめきを、アニメがみずみずしく蘇らせる

2012年7月24日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

細田監督の空は、どこまでも青い。緑は瑞々しく、水は眩しいほどにつややかだ。そんな世界を、おおかみこどもの「雨」と「雪」、そしてにんげんの母親「花」が思う存分駆け回り、きらきらと生命力を放つ。
育児中の身には、この物語は一際しみる。にんげんのこどもも、暴れっぷり・散らかしっぷりはおおかみこども並み。居たたまれないほどの泣きわめき声も、胸がきゅんとなる玉のような大粒の涙も、安心を求めすり寄ってくるときの愛くるしさも。…見覚えのある情景が、次々に描き出される。ああ、そうそう、確かにそうだ、そうだった。…と、日常過ぎるあれこれを、アニメを通して新鮮に実感することができた。
男の子の母親として特に印象深かったのは、あるきっかけから急激に変化していく雨の物語。実体験のない異性の成長は、心身ともに不思議なことだらけ。親とはいえ、ちょっと不安でもある。子であっても、所詮は他人、自分とは別の存在。いつかは親ばなれする、してもらわないと困る…と思いつつも、「その日」が来るのが少しさみしくもある。
花が子連れで働き始めた自然観察センターで、幾度となく並んで佇む花と雨。母にくっつくようにしていた雨の視線は次第に深く、遠くなっていき、彼ひとりの行動が増えていく。ちなみに、私は息子をたいてい前向きに抱っこする。前向きでスタスタ・てくてくと公園を散歩し、買い物をする。同じ向きで歩けば、同じ景色が目の前に広がる。けれど、同じものを見ているとは限らない。ときどき、ジーッと真顔になる息子に気づき、何を見つけたんだろう?何を思っているんだろう?と首をひねることがある。言葉を発する前から、すでに彼独自の世界がかたちづくられているんだなあ…と頼もしく、それでいて取り残されたような気持ちになる。すると、今度は急に振り向きニッコリされ、何にもかえがたい至福をふいに感じるのだ。
何はともあれ、今を大切に、日々を丁寧に過ごそう。そう素直に感じさせてもらった。

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cma

5.0 子どもの決断を見守る母

2026年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

細田守監督作品をまとめて見直していたけど、この作品がやはり一番いい。キャラクターの未熟な部分も含めて人間が描けているというか、アニメでこれだけ地に足の着いた、取るに足らない、欠点だらけの普通の人間を描写できるということ自体、すごいことだ。細田監督は、スーパーなキャラクターよりも、こういう人間を描く作品が一番力を発揮する。
狼と人間、どちらの世界で生きるべきか、姉と弟がそれぞれ異なる分かれ道を行く。家の前の道がT字路になっているのが、効いている。分かれ道の演出が『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』や『時をかける少女』でも効果的に使われていた。
2つの世界を選ぶ、あるいは2つの世界を行き来しながら生きるということが、細田作品では繰り返し描かれるのだけど、狼として生きることを選ぶ弟と、人として生きることを選ぶ姉、それぞれが自分の生き方を自ら選べるようになるまで、成長を見守る母親の、未熟だけれど強い気持ちと愛情が本当に胸を打つ作品で、何度見ても感動する。

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杉本穂高

4.0 【80.4】おおかみこどもの雨と雪 映画レビュー

2026年5月6日
iPhoneアプリから投稿

細田守という作家のキャリアにおいて、2012年に発表された『おおかみこどもの雨と雪』は、単なるアニメーション映画の枠を超え、日本映画史に刻まれるべき「母性」と「自立」の叙事詩として君臨している。瑞々しい躍動感で衝撃を与えた『時をかける少女』や、夏の熱狂を描いた『サマーウォーズ』を経て、細田監督がより深く、ひとりの女性の半生と異質な血を引く子供たちの成長を13年にわたって描き切った本作は、彼の作家性が新たな地平へと到達したことを示す野心作である。ファンタジーという意匠を借りながらも、そこで語られるのは普遍的な育児の苦悩であり、親離れという痛切な儀式である。その完成度は、実写映画では到達し得ない時間の跳躍と、アニメーションだからこそ表現可能な感情の純度を併せ持っている。
本作の根幹を支えるのは、脚本を手掛けた奥寺佐渡子と細田監督による、緻密かつ大胆な物語構成である。前半の瑞々しくも切ない恋物語から、中盤の厳しい自然との格闘、そして終盤の「人間」として生きるか「狼」として生きるかというアイデンティティの選択に至るまで、物語は力強く進んでいく。特に、都会を離れて田舎のボロ家へと移り住むシークエンスは、社会からの隔絶と自給自足の厳しさを通じて、花という女性の強靭な精神力を浮き彫りにする。終盤の展開において、情緒的な演出が物語の論理を追い越していくような危うさは孕んでいるものの、彼女が聖母としてではなく、失敗し、悩み、それでも笑うことを選ぶひとりの人間として描かれている点は、本作に揺るぎない説得力を与えている。
演出面では、背景美術の美しさと、それと対照的なキャラクターの素朴な線が、絶妙な調和を見せている。山形県の上市町をモデルとした大自然の描写は、時に優しく子供たちを包み込み、時に峻厳な表情で彼らを拒む。特に雪山を親子3人が駆け抜けるシーンのカメラワークと躍動感は、観客の心拍数を直接揺さぶるような解放感に満ちている。音楽を担当した高木正勝による「おかあさんの唄」をはじめとする楽曲群は、ピアノの旋律を主軸に据え、日常の機微を音符へと変換している。アン・サリーの透明感のある歌声は、物語の終幕において、すべての母性への賛歌として響き渡る。
本作の魂を吹き込んだキャスト陣の功績は計り知れない。主役の花を演じた宮﨑あおいによる演技は、まさに神髄と呼ぶにふさわしい。彼女の声は、19歳の大学生から、2児の母となり、やがて子供たちを送り出す中年期までの変遷を見事に表現し分けている。特に、花が常に絶やさない「笑顔」に込められた悲しみや覚悟、慈しみといった多層的な感情を、吐息ひとつ、語尾のわずかな震えだけで伝える技術は圧巻である。狼男の死に直面した際の慟哭から、雨が森へ消えていく際に見せる「しっかり生きて」という叫びまで、宮﨑の演技は記号的なアニメ声優の枠を完全に超越した。それは技術を超えた、花という人格との同化であり、観客は彼女の声を通じて、無償の愛の重みを知ることになる。
長女の雪を演じた黒木華は、幼少期の天真爛漫な奔放さから、成長に伴って芽еえる少女特有の羞恥心や葛藤を繊細に演じきった。人間の世界に適応しようとする雪の決意は、黒木の透明感ある声質によって、より切実な響きを持って伝わってくる。対照的に、弟の雨を演じた西井幸人は、内向的で繊細な少年が、自身のルーツである自然へと傾倒していく過程を、静かな熱量を持って表現した。彼の声の変化は、そのまま雨が狼としての矜持を獲得していく過程とリンクしており、姉弟の対照的な成長曲線を鮮明に描き出している。
そして、花の夫であり、物語の起点となる「おおかみおとこ」を演じた大沢たかおは、出番こそ限られているものの、作品全体を覆う孤独と包容力をその低音ボイスで見事に体現した。彼が残した「狼」としての遺志が、残された家族の運命を導く説得力は、大沢の存在感があってこそ成立している。
さらに、作品の格を決定的に上げたのが、近所の頑固な老人・韮崎を演じた菅原文太の存在である。彼が発する一言一言には、大地に根ざして生きてきた人間の重みと、言葉の裏に隠された不器用な優しさが宿っている。菅原の圧倒的なカリスマ性は、花が田舎社会に受け入れられていく過程における最大の障壁であり、同時に最大の理解者としての説得力を担保した。彼のような名優が脇を固めることで、本作は単なるアニメーションを超えた、日本映画としての重厚な品格を獲得するに至ったのである。
本作は、国内外で極めて高い評価を受けた。第36回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞したほか、シッチェス・カタロニア国際映画祭ではアニメーション部門の最優秀長編作品賞に輝いた。また、ノルウェーのサウス・フロム・ザ・サウス映画祭での観客賞受賞など、その感動は文化の壁を越えて世界中に波及した。
『おおかみこどもの雨と雪』が描くのは、親が子供に与えられるのは「居場所」と「選択肢」だけであり、最終的にその道を歩むのは子供自身であるという、残酷で、しかし希望に満ちた真実である。花の13年にわたる奮闘は、ラストシーンの雨上がりの緑の中で、一つの結実を見る。去りゆく背中を見送る母の笑顔は、私たちが人生のどこかで経験し、あるいはこれから経験するであろう、最も美しく、最も寂しい瞬間を象徴している。細田守はこの作品を通じて、個人の成長譚を神話の域へと押し上げたのである。
作品[Wolf Children]
主演
評価対象:宮﨑あおい
適用評価記号と点:A(9)
助演
評価対象:黒木華、西井幸人、大沢たかお、菅原文太
適用評価記号と点:A(9)
脚本・ストーリー
評価対象:奥寺佐渡子
適用評価記号と点:B+(7.5)
撮影・映像
評価対象:細田守
適用評価記号と点:A(9)
美術・衣装
評価対象:大野広司
適用評価記号と点:A(9)
音楽
評価対象:高木正勝
適用評価記号と点:A(9)
編集(加点減点)
評価対象:西山茂
適用評価点:+1
監督(最終評価)
評価対象:細田守
総合スコア:[80.4]

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honey

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