故大滝秀治さん、日本アカデミー賞史上最年長で最優秀助演男優賞受賞！

［映画.com ニュース］　2012年10月2日に肺扁平上皮がんのため死去した大滝秀治さんが、3月8日に東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われた第36回日本アカデミー賞で、遺作となった高倉健主演作「あなたへ」で最優秀助演男優賞を受賞した。初受賞となる大滝さんは、最年長での同賞戴冠。代理で出席した劇団民藝所属の俳優・山本哲也は、ブロンズ像を受け取り「大滝さん、やったよ!!」と喜びを爆発させた。

大滝さんは「あなたへ」に出演し、頑固な猟師役を情感たっぷりに演じた。この演技に高倉は涙を流したと何度となく語っており、妻の大滝純子さんから寄せられた手紙にも「大滝に病気が見つかったときに、支えになったのが『あなたへ』でした。高倉健さんが大滝の名を出してくださるたび、顔に赤みがさし、リハビリに励むようになりました。生きる力となる仕事への情熱を家族を呼び戻すことができなかっただけに、この作品に出合えたことに心から感謝します」とつづられていた。

感無量の面持ちの山本は、「大滝さんはほめられることが大好きでした。こうやってほめていただくと、『これでもう1年、やれるかもしれないな』と言いながら一生懸命勉強される方でした。今夜は大滝さんの自宅へ報告に行き、遺影の前で乾杯したい」と語り、深々と頭を下げた。