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子供のままでいたいしんちゃんが、大人になりたいと決心する話。
物語の起伏がすくなく、中盤以降ダレて長く感じた。起承転結の承が延々と続いてる感じ。タイムリープものが好きなので期待したけどガッカリ。つまらなかった理由は3つある。
1つめは、「しんちゃんがタミコを花嫁だとすんなり受け入れてる」こと。
「アナタの未来の花嫁です」と言われて、しんちゃんがすぐに納得するとは思えない。まずは「え、ナナコお姉さんじゃないの...?」と反応するかと思ったのに。ナナコお姉さんについては一切触れられてないから違和感あった。終盤でしんちゃんがタミコを必死で助けようとしたけど、置いてけぼり。いくら未来の花嫁だとはいえ、タミコを助ける動機が弱いので感情移入できなかった。
2つめは、「敵が無能で弱い」こと。
花嫁軍団が弱すぎて緊張感がなかった。敵の幹部という立場でありながら、お笑い集団にしか見えない。せめて1人くらい強いやつ入れたり、ギャグ控えめにしたりした方が良かったんじゃないか。花嫁軍団の声優もヒドイ。ただでさえ弱いに、演技も下手で単なる無能集団だ。
タミコの父は無能感あったけど、終盤ロボ出したあたりからそこそこ強くて安心。花嫁軍団が無能だから、実質1人で闘ったようなものだろう。1対多数でよく奮闘したほうだ。
敵が弱すぎたというより、味方が強すぎたのかもしれない。科学者ボーちゃんのロボと、ひまわりは卑怯だと思った。2人ともパッと出なのに美味しいとこだけ持ってたな。特にひまわりさん、アンタは唐突すぎる。
3つめは、「タミコとタミコ父の描写が薄い」こと。
タミコの父の描写が薄くて、タミコと仲悪い理由が分からなかった。最後まで言及なかったので、タミコ父は娘嫌いの嫌なジジイ、という印象しか残らない。せめて少しでも回想シーンで深掘りしてあげても良かったのでは。
タミコと大人しんちゃんの描写も薄い。タミコと大人しんちゃんが、惹かれあった理由が分からなかった。タミコが大人しんちゃんの好きな理由を言うシーンあったけど、もう少し踏み込んで欲しかった。まあ、おバカにベタ惚れたってことだろうけど。
逆に、良かったと思った点は1つある。
それは、「未来のねねちゃんたちの生活がリアルだったこと。
「現実はリアルママごとより辛いのよ」大人ねねちゃんのセリフが辛辣だった。ボーちゃん、風間くんを除き、マサオくんとネネちゃんは夢を叶えてないのが現実味を帯びていて、妙にリアルだった。現実なんてそんなもんだろう、夢を叶えてる奴なんてごく僅か。ここをリアルに描いてくれたおかげで勇気をもらえた。私はマサオくんとネネちゃん側なので、ボーちゃんと風間くんサイドに向かって生きたい。
クレヨンしんちゃん×タイムリープ×近未来、という設定は良かったが、材料を活かしきれていない。
ただ、しんちゃん達の成長した姿を拝める唯一の映画なので、それだけでも観る価値はあるかも。