2021年興収トップ10、邦画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」、洋画「ワイルド・スピード」が首位

トップ10中6本を東宝配給作品（1本は共同配給）が占め、ワーナー・ブラザース配給の2本「東京リベンジャーズ」が4位、「るろうに剣心　最終章　The Final」が5位に、東京テアトルとリトルモア共同配給の「花束みたいな恋をした」が8位にランクイン。そして、松竹配給のライブフィルム「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”」が、11月3日（先行上映開始日）からの公開で7位に食い込んでいる。トップ10中の実写作品6本合計で興収244億2000万円、アニメ作品4本合計で興収278億3000万円、10本合計で興収522億5000万円（続映中あり）を記録。「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が歴史的ヒットとなった2020年の合計興収553億3000万円（2020年12月13日時点）を下回った。

コロナ禍の影響を受けて公開延期が続いた洋画は、8月6日公開の「ワイルド・スピード　ジェットブレイク」が興収36億6000万円をあげてトップ。2位は10月1日に公開され、興収27億円を記録した「007　ノー・タイム・トゥ・ダイ」、3位には7月2日公開の「ゴジラvsコング」が興収19億円で続いている。

上位3本はいずれも大ヒットシリーズの最新作で、4位「モンスターハンター」は大ヒットゲームシリーズのハリウッド実写版。さらに5位「エターナルズ」、6位「シャン・チー　テン・リングスの伝説」、7位「ブラック・ウィドウ」、8位「ジャングル・クルーズ」はディズニー配給作品が占め、「エターナルズ」「シャン・チー」「ブラック・ウィドウ」はマーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）を展開するマーベル・スタジオ作品だ。ただ、「エターナルズ」以外は興収10億円に届かなかった。トップ10本はすべて実写作品（9位「トムとジェリー」はアニメと実写の融合）で合計興収は150億3000万円（続映中あり）。2020年の合計興収338億1000万円を大きく下回った。

なお、邦画と洋画を合わせた総合興収トップ10では、邦画が9本、洋画が1本のランクインで、そのうち実写作品が7本、アニメ作品が3本という結果になった。総合興収トップ3も邦画のアニメ作品が占めている。コロナ禍の影響とはいえ、総合興収で洋画が「ワイルド・スピード」の1本だけというのは寂しい状況と言え、洋画の配給会社にとってはより厳しい1年となった。ただ、「映画の日」執行委員会の11月末までの統計では、興収トップ10ではなく、全体では昨年対比135％程度と言われている。コロナ禍前の2019年対比ではまだ約57％となっているので、「マトリックス　レザレクションズ」「あなたの番です　劇場版」などのお正月作品でどこまで巻き返せるか注目される。