中村倫也、大活躍だった2019年を振り返る 恋愛ドラマの三角関係に絡む役に喜び
2019年12月12日 16:10
[映画.com ニュース]ファッションメディア「ELLE」が独自の視点で選出した「エル シネマアワード2019」の授賞式が12月11日、東京・丸の内の東京會舘で開催された。日本の映画界で輝いていた女優に贈る「エル ベストアクトレス賞」に門脇麦、男性部門「エル メン賞」に中村倫也、今後の活躍に期待したい人物を称える「エル・ガールライジングスター賞」に佐久間由衣、監督部門にあたる「エル ベストディレクター賞」は蜷川実花監督が受賞した。
2019年は「長いお別れ」「台風家族」などが公開され、「アラジン」日本語吹き替え版の声優として美しい歌声を披露した中村は、Diorのタキシードで登場し、「今日は5割増しです。これが限界です(笑)」とジョークを飛ばす。「今年は1個1個着実に、不安でいっぱいだったけど、やってみたら手ごたえを感じた1年でしたね。そういう実感はなかなか持てるものではないと思うので、貴重な、生涯財産になるような経験をたくさんさせて頂きました」と述懐する。映画に加え、「初めて恋をした日に読む話」「凪のお暇」など恋愛ドラマ2本にも出演し、大活躍だった1年。「去年までだったら、恋愛ドラマの“何角関係”に入れない人の役をやっていたので(笑)、今年はその三角関係に入ることができて。自分に務まるのか不安もあったんですけど、街で『見てるよ』って声をかけられたりもして、良い仕事ができたと思います」と笑みを浮かべた。
「チワワちゃん」「サムライマラソン」「さよならくちびる」など出演作が相次いだ門脇は、20年にはNHK大河ドラマ「麒麟がくる」や舞台「ねじまき鳥クロニクル」など、様々なフィールドでの作品が控えている。この日はバレンチノのドレス、ショパールのエメラルドイヤリングという華やかな出で立ち。「今年公開された映画は、私よりも年下の若いキャストの方々と仕事をする機会が多くて。まだまだ私も未熟者ですし、気持ちは若手なんですが……、それでももう若手の気分でもいられないというか、早く現場を支え、引っ張っていける人間になりたいと強く思った1年でした」と決意をにじませた。
映画初主演作「“隠れビッチ”やってました。」が公開中の佐久間は、「19歳の時にこのお仕事を始めさせていただいて、それまでファッションには無頓着で、ぼーっと生きてきたんです。このお仕事を始めてから、衣装を着て役づくりしたり、心が豊かになっていったり、また自分が選んだ洋服を着て気持ちが変わっていくことだったり……、様々なことをファッションから勉強させて頂きました」と胸中を吐露。そして、「映画とファッションは切っても切り離せない関係性にあるなと感じています。これからも、両方に自分らしく向き合っていけたらなと思っています」と意気込んだ。
「Diner ダイナー」「人間失格 太宰治と3人の女たち」を手掛けた蜷川監督は、「本当に素敵な賞を頂いてすごく嬉しいです。去年から今年にかけて映像の作品が多くて、髪を振り乱して必死にやってました」としみじみ。「今もいろいろ大変なこともあるんですけど、めげずに来年も走り抜けようっていう思いです」と、「人間失格」に出演し、麻薬取締法違反で逮捕、現在は保釈された沢尻エリカをめぐる騒動を暗示する発言もあったが、「映画って不思議なもので、やっている最中は大変なんですが、終わるとすぐまた撮りたくなる。とり憑かれたようにやりたくなるものなんだなと思いました」と映画製作に思いを馳せる。さらに女性監督や女性スタッフがまだまだ少ない日本映画界の現状に触れ、「少なくとも自分の組では、映画の現場で働く女性たちをサポートしていきたいと思っています」と語った。
また、「エル・ジャポン」の坂井佳奈子編集長と、映画ライターのよしひろまさみち氏が、作家の松田青子氏、ピアニストの清塚信也氏らを審査員に迎えた「エル シネマ大賞」を発表。第1位には、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターが共演したクエンティン・タランティーノ監督作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が選ばれた。
▽第2位「女王陛下のお気に入り」
▽第3位「マリッジ・ストーリー」
▽第4位「ジョーカー」
▽第5位「マックイーン モードの反逆児」
▽第6位「グリーンブック」
▽第7位「COLD WAR あの歌、2つの心」
▽第8位「イエスタデイ」
▽第9位「ボーダー 二つの世界」
▽第10位「バーニング 劇場版」
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