バーニング 劇場版 劇場公開日 2019年2月1日
解説 「シークレット・サンシャイン」「オアシス」で知られる名匠イ・チャンドンの8年ぶり監督作で、村上春樹が1983年に発表した短編小説「納屋を焼く」を原作に、物語を大胆にアレンジして描いたミステリードラマ。アルバイトで生計を立てる小説家志望の青年ジョンスは、幼なじみの女性ヘミと偶然再会し、彼女がアフリカ旅行へ行く間の飼い猫の世話を頼まれる。旅行から戻ったヘミは、アフリカで知り合ったという謎めいた金持ちの男ベンをジョンスに紹介する。ある日、ベンはヘミと一緒にジョンスの自宅を訪れ、「僕は時々ビニールハウスを燃やしています」という秘密を打ち明ける。そして、その日を境にヘミが忽然と姿を消してしまう。ヘミに強く惹かれていたジュンスは、必死で彼女の行方を捜すが……。「ベテラン」のユ・アインが主演を務め、ベンをテレビシリーズ「ウォーキング・デッド」のスティーブン・ユァン、ヘミをオーディションで選ばれた新人女優チョン・ジョンソがそれぞれ演じた。第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、国際批評家連盟賞を受賞。
2018年製作/148分/PG12/韓国 原題:Burning 配給:ツイン
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2020年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD
Burning is a read-between-the-lines masterpiece, cryptic and not conforming to any genre. Jong-Su barely talks throughout the film, but through his motions in the chain of events and interactions with other characters and subplots of the film, we are always within his thinking. It's a sad tale dealing with loss of heart and jealousy; promises perceived but not fulfilled. Happy endings can't occur.
2019年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
イ・チャンドン監督の8年ぶりとなる新作は、日本では先にNHKで95分版が放送されるなど、実に不可思議な公開方式となった。村上春樹の短編小説を読むと、どちらかというとNHK版の方が原作のニュアンスに近いかなと思う。対する148分の劇場版はそこから完全にイ・チャンドン世界に振り切れてしまった印象だ。忽然と姿を消した「彼女」と同様、この消えた(編集削除された)「50分」もまた、二つの兄弟のごとき作品の間に漂う浮遊物のように思えてならない。 ともあれ、村上が著した頃と時代が一回りして、本作には逆に現代社会を鋭く突き刺したような生々しさが充満する。例えば、存在と不在。ネット世界では本当に実在するかなどもはや問題ではない。創作という行為もこれとよく似ている。イ監督はこれらを否定も肯定もせず、霧の中で手を伸ばすかのように世界を泳ぐ。我々も泳ぐように映画に触れる。とても刺激的なひとときがそこにはあった。
2021年11月20日
iPhoneアプリから投稿
ほとんど三人しか出てきていないのに、人間、社会、人生を描いている。 一人の視点を追いかけているだけなのにずっと観れてしまう……。
原作を知らずに韓国映画好きが見た感想。 なんだか見てる時はつまらなかったが、終わった後に、じわじわっとずっと考えることになる。個人的には、ベンとヘミは、感覚の世界の人で、ジョンスは、常識と感情の人といった風刺なのかと思う。分からないから殺してしまったのではないだろうか?また感覚の世界に憧れたから裸になって。心理学的に見れば、ジョンスは、隠された怒りがピークになってしまって、もう抑えきれない状態の殺人。ベンは、欲求不満をどう解消したらよいか常に意識しているナルシスト。ヘミは不安からの逃避といったところか。
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