【全米映画ランキング】「シャン・チー」V3 イーストウッド監督・主演の新作は3位デビュー
2021年9月21日 21:00

先週末の全米ボックスオフィスは、3本の新作がランクインしたが、大ヒット中のマーベル・スタジオ最新作「シャン・チー テン・リングスの伝説」が約2100万ドルの興収で首位を守り、V3を果たした。
同作の17日間の累計は約1億7690万ドルを記録し、2億ドルが射程圏内に。今年度暫定首位の興収約1億8300万ドルをあげているMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の前作「ブラック・ウィドウ」を今週中に超える見通しだ。また、MCUの大きな市場である中国で未公開ながら全世界では約3億2000万ドルを上回る大ヒットとなっている。
2位は前週と変わらず「フリー・ガイ」。公開6週目ながら粘り強い興行を展開。北米で約1億860万ドル、海外で約1億8970万ドルを稼ぎだし、全世界興収を3億ドル目前の約2億9830万ドルとしている。
そしてオープニング興収約451万ドルで3位デビューとなったのが、今年91歳になった映画界のレジェンド、クリント・イーストウッド監督・主演の最新作「クライ・マッチョ」。1971年の長編監督デビュー作「恐怖のメロディ」から50年、39作目の長編監督作(クレジットはないものの実際には監督した84年公開の「タイトロープ」を含むと40作)となる今作は、落馬事故をきっかけに家族と離散し、孤独に生きるロデオ界の元スターのマイク(イーストウッド)が、元雇用人からメキシコにいる彼の息子ラフォの誘拐を依頼され、メキシコからテキサスにラフォを連れ戻す旅が描かれるロードムービー。批評家・観客の双方から高い評価を得てきたイーストウッド作品だが、今回は平均的なレビューが多く、興行面でもワーナー配給作品のためHBO Maxでの配信の影響を受け、OP興収は振るわず、寂しいデビューとなった。
製作は映画「ゴッドファーザー」誕生の最大の立役者といわれ、2004年度のオスカー作品賞受賞作「ミリオンダラー・ベイビー」でもイーストウッドとタッグを組んだ91歳の名プロデューサー、アルバート・S・ラディ。1975年発表のN・リチャード・ナッシュの同名小説を脚色したのは「グラン・トリノ」「運び屋」のニック・シェンク。共演はカントリー歌手兼俳優のドワイト・ヨーカムにエドゥアルド・ミネット(=ラフォ)、ナタリア・トラべン、フェルナンダ・ウレホラ。
約230万ドルのOP興収で6位デビューとなったのはジェラルド・バトラー&フランク・グリロ主演のアクション「Copshop」。詐欺師のテディ(グリロ)は殺し屋(バトラー)から逃れるため、わざと逮捕され、小さな町の警察署に逃げ込んだが、テディの追っ手が次々とやってきて署は戦場のような状態になってしまう。共演はアレクシス・ラウダー、トビー・ハス。監督は「NARC ナーク」「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」のジョー・カーナハン。
OP興収約68万ドルで初登場9位にランクインしたのは、ジェシカ・チャステイン&アンドリュー・ガーフィールド主演の実録ドラマ「The Eyes of Tammy Faye」。1970年代から80年代にかけて放送されたキリスト教のTV番組「PTLクラブ」で成功し、巨万の富を築いたジム・ベイカーとタミー・フェイ夫妻の栄枯盛衰が描かれる。共演にビンセント・ドノフリオ。2000年公開の同名ドキュメンタリーを「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」のマイケル・ショウォルター監督が劇映画化した。
今週末は人気同名ミュージカルを「ウォールフラワー」「ワンダー 君は太陽」などで知られるスティーブン・チョボスキー監督が映画化した「ディア・エヴァン・ハンセン」(ベン・プラット、ジュリアン・ムーア、エイミー・アダムス出演)などが公開される。
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