ミリオンダラー・ベイビー
劇場公開日 2005年5月28日
解説
ロサンゼルスの寂れたボクシングジムの門を叩いた田舎育ちのマギー。ジムのオーナー兼トレーナーのフランキーは彼女を拒んでいたが、彼女の真剣さに打たれ、彼女のトレーナーとなる。お互いに父娘の関係をなくしている2人は、激しいトレーニングの中で人間的に歩み寄っていく。アカデミー賞作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞の主要4部門を受賞した話題作。
2004年製作/133分/R15+/アメリカ
原題:Million Dollar Baby
配給:ムービーアイ、松竹
スタッフ・キャスト
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2022年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
作品の内容について何の前知識もなく観た。途中まで女性ボクサーのサクセスストーリーかと思って観ていたが、後半予想もしない展開に。こんなに重いテーマの作品とは思っておらず、観終わった後は頭が重く、心が苦しく、暫く放心状態で立ち上がることが出来なかった。
自分がマギーだったらどうしただろう、あるいは自分がフランキーの立場だったら、どういう選択を取っただろうか、、、と色々と考えさせられた。
ボクサー映画でもなければ、尊厳死の映画でもない。
血のつながりと愛の映画でもない。
映画を見た後、少しだけ歴史の勉強してみた。
新大陸を求め、アメリカに渡った最初の民族はイギリス(イングランド人)だ。
その後、フランス。そしてオランダ、ドイツなど。
イギリス人やフランス人は先住民であるインディアンを排除しアメリカを建国した。
その後、アイルランド人移民が入ってくる。
先に入った英仏はその後に来たアイルランド人やイタリア人を差別し
迫害する。
※アジア人(中華系)や黒人(アフリカ系)が入ってくるのは、さらにその後。
故郷アイルランドではイングランドやスコットランドからの植民地化が進み、
新天地アメリカでは迫害を受ける。そんな因縁を持つ民族。
それがこの映画のバックボーン。
憎きイギリス(青のイメージ)青い熊ビリーは汚くズルく、
そして強い「完全な悪」として描かれる。
一方、主人公マギー=アイルランド(緑のイメージ)は、
我慢強く努力を惜しまない「モ・クシュラ」として描かれる。
その二人がアメリカという地で激突する。
しかし、突然悲劇が訪れる。
2人が選んだ結末を否定する意見も多いが、
アイルランド人のほとんどがカトリック信者で
あることが深く関係している。
敬虔なカトリック信者ではない日本人には
理解しがたい。理解しようとしてはいけない。
と、思う。
そうした背景があってこそ、
アカデミー主要4部門受賞に意味がある。
アメリカのアメリカたる権威「アカデミー賞」受賞に
意味がある。のだ。
とかいう、私の浅い知識を差し置いても
キャラクター設定、物語のテンポ、人間関係の描写など
さすがイーストウッド監督と言わざるを得ない傑作で
あることは間違いがない。のだ。
2022年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
お互いに父娘の関係が切れた、トレーナーと女性ボクサーというのが、お互いに娘と父の影を追っているんだろうと思うと、それだけでもジーンとくる話だ。私も思春期の娘がいるので、なおさらジーンだ。
助演のモーガンフリーマンは、名作「ショーシャンクの空に」と同様に、主人公に寄り添う優しさが、またまた感動ものだ。
それぞれのアカデミー賞の受賞は、納得がいく。
2022年4月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ボクシングである程度の結果を残し
タイトル戦で怪我して
脊髄を損傷
寝たきり状態に…
自力で呼吸することもできない
出来るのは話をすることぐらい
家族に愛されず…愛する母親からも
寄り添ってもらえない
本人としてみたら希望も持てず
未来もなく生きる望みも
…持てない
いままで努力して得た栄光を留めて
最期を迎えたいと願う
…彼女にとって
果たしてこのまま生きて
いくことが幸せなのか
…または苦痛なのか
クリントイーストウッドは
私たちに問いかけている
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