タミー・フェイの瞳
配信開始日:2022年2月2日
解説
1970年代から80年代にかけてアメリカで大きな成功を収めたテレビ伝道師タミー・フェイとジム・ベイカー夫妻の波乱万丈の人生を、タミーの視点から描いた実録ドラマ。キリスト教福音派のテレビ伝道師として愛にあふれたメッセージを発信するタミーと、その番組を製作するジム。視聴者は熱狂し、タミーは瞬く間に絶大な人気を得て成功を収める。人々を幸せにすることが自分の使命であり、人々から募金を集めることは神の意志だと信じて疑わないタミー。しかし、金銭的な不正やライバルの陰謀、ジムのスキャンダルなどにより、2人の築いた栄光は次第に崩壊していく。タミーを「モリーズ・ゲーム」「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャステインが演じ、「ハクソー・リッジ」「tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!」のアンドリュー・ガーフィールドが夫のジムに扮した。監督は「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」のマイケル・ショウォルター。2022年・第94回アカデミー賞では主演女優賞とメインアップ&ヘアスタイリングの2部門を受賞した。Disney+で2022年2月2日から配信。
2021年製作/127分/アメリカ
原題:The Eyes of Tammy Faye
配信:Disney+
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2023年3月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
まず日本ではいまいちピンと来ないこのテレビ伝道師という役職自体、キリスト教という宗教が生活に根差しているアメリカならではのもので、少々奇妙で興味深ったが、内容自体は善を説く者がその名誉と欲望に溺れるという、歴史で繰り返されてきたお馴染みの理。そんなストーリーをジェシカ・チャスティンとアンドリュー・ガーフィールドが圧巻の成りきり演技で快調に見せていく。特に神を妄信的に信仰するタミーの青年期から晩年までを、パワフルに演じたチャスティンの演技は、このスキャンダラスな人物に愛を込めた、ここ最近の映画では中々お目にかかれない驚異的な表現力を披露していて一等素晴らしい。
2022年10月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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最終的には金儲け主義に走った夫妻だが、ハナから金儲けだけを考えていた訳ではなく、神を真面目に愛し、信じ、救われているのは真実のようだ。
辛い少女時代にも関わらず常に笑っておりその明るさと見事な歌声で皆を魅了し、またマイノリティにも優しい視線を向けるタミーと、妻に先導され気味で、その人間性や魅力があやふやなジム。ジェシカ・チャステインとアンドリュー・ガーフィールドが上手く演じている。1990年代のタミーは同じチャステインが演じているとは思えない。
それにしても熱狂的な信仰は私にはカルトと紙一重に見え、日本人にはなかなか理解し難いが、海外サッカー選手を見ても神への祈りは他国では当たり前のことのようである。正義と宗教が絡むと難しくなる。
2022年4月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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ヘルプからジェシカが好きでした。
今回は最も彼女が活かされた役だったと思う。
彼女の持つ全て、肌の色や髪の色もあるけれど
時代背景とジェンダー、声からキャラまで
全てがタミーとリンクしているように見えた。
ある女性の一生を描いているのも良かった。
クライマックスの歌唱シーンは宗教が違えど
タミーが伝わってきたし、続けて3回くらい
見返してしまったほど素晴らしかったです。
観て良かったな。ジェシカもよかったけど
ジェシカの母と義父も良かったな。
母の葬式シーンは重なりますね。
愛とか信仰の全く無い私ですら、映画を通して
愛や信仰を信じてみたいと思えてしまった。
個人的にはタミーが歌ったOral Robertsの
建築物かなり気になりました。笑
2022年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ジェシカ・チャスティン、本年度アカデミー賞の主演女優賞獲得作品。いつ公開かと思ったら、日本では配信のみでそれも昨年末から見られたようで。布教の伝道師なんて日本ではまるで馴染みがなく、理解を超えた展開に驚くやら呆れるやら。ですが、すべて実話でチャンティン本人が熱望し権利を獲得した結果とか。まっとうなキリスト教への愛を布教と言うより伝道師、一段と深いところへ容易く誘う役割を担った夫婦のストーリー。
なにより感受性が豊かで敬虔なキリストを信奉している純な少女が成長し、大学で出会った彼氏と意気投合、各地の教会を回って経典を解く。それでやっていけるか?って、感極まれば寄付の名目でお金が廻り、彼らの活動費も補えるわけで。それがテレビの力を借りた途端に一挙にスケールアップ、全米で知らぬもののいない伝道師としてのキャラクターが売れに売れ。次第にお2人の金銭感覚もタガが外れ・・・・おまけに夫婦仲にも亀裂が入り・・・最後は横領の疑惑まで・・・・と、絵にかいたような天国と地獄の絵巻物。
殆ど実話をなぞるような展開で、ターニングポイントでの人物の深い描写にまで達せず、なにやらトントントンと描写が団子状態なのが本作の残念なところ、テレビ出身のミッシェール監督の力量今一つ。何が面白いって、米国での宗教の奥深さに圧倒されます。かのトランプ前大統領も含め共和党を支えるキリスト教団体ってのがタミーの属する団体なわけで、リベラルとは正反対の保守層の実態をまざまざと観察出来る。強大なパワーを握り、政治の策略も描かれるが、タミー自身はさらに純粋と言うか突き進んでおり、保守層の嫌悪するLGBTQへの寛容が素晴らしく、実際のエイズ患者とテレビ対談を中継し、同じ人間としての慈愛を唱える。この辺が人気の秘密でもある。ちょうど上沼恵美子が宗教番組を持っているような感じかな。
神の愛に触れる裏側を描くのだが、なにより圧巻はチャスティンの演技に尽きる。どうみたって彼女と似ても似つかぬおば様に扮し、顎の輪郭変えドギツイてんこ盛りメイクが売りですが、目と鼻はチャスティンそのもの。我が使命とばかりタミーの神がかった臭い演技をジェシカが巧妙に好演する。オンとオフが明確で確かに演じ甲斐がある。ノミニー3度目の正直で、獲得も当然の乗り移り演技。本年主演女優賞ノミネートの5人のうち3人は既にオスカー獲得済、でクリスティン・スチュワートとジェシカのどちらかで、華奢な2人ともにご贔屓で悩ましかったが、ここは年の功を優先した結果。クリスティンにはまだまだこれからチャンスも来るでしょ。
夫役のアンドリュー・ガーフィールドって凄い活躍で、本作の他に「チック、チック... ブーン!」で主演男優賞ノミネート、さらに「スパイダーマン」と大車輪。そしてディズニーに買収されてしまった20世紀フォックスで、このサーチライト・レーベルでの良作映画の先行きが案ぜられたが、「フレンチ・ディスパッチ」そして「ナイトメア・アリー」も含め、質重視の作品にチャレンジして頂きたい。