【ステイホームのお供に】「ワイスピ」「インディ・ジョーンズ」「バーフバリ」…夏休みに一気見したいシリーズ映画5選 【映画.comシネマStyle】
2021年8月14日 15:00
毎週テーマにそったおすすめ映画をご紹介する【映画.comシネマStyle】。
夏休みも本番ですが、うだるような猛暑、集中豪雨、社会情勢の影響で、ステイホームで過ごす日々が続いてる人も多いと思います。しかしせっかくの夏休み、何かを成し遂げたいと思っている方や、いい暇つぶしを探しているなんて方に、今週は「夏休みに一気見したいシリーズ映画」をご紹介します。お得に映画が鑑賞できるクーポンもあるので、ぜひ最後までお付き合いください。
「スパイキッズ」シリーズ 全4作
スパイ同士の両親のもとに生まれた姉弟が、“スパイキッズ”としてミッションを遂行していくファミリーアドベンチャー。「デスペラード」「アリータ バトル・エンジェル」のロバート・ロドリゲスが、シリーズ4作品全ての監督を務めています。
かつては国際的に活躍する凄腕スパイだったが、ミッションのなかで恋に落ち結婚したグレゴリオ(アントニオ・バンデラス)とイングリット(カーラ・グギーノ)は、いまやふたりの子を持つ父と母。ある日、秘密諜報員組織「OSS」のエージェントが次々と姿を消す事件が発生する。9年振りに捜査に乗り出したふたりは敵に捕まり、彼らの娘カルメン(アレクサ・ベガ)と息子ジュニ(ダリル・サバラ)が救出に向かう。
「平凡で(ちょっと冴えないとすら思っていた)パパとママが、実は元スパイだったら?」――小学生だった筆者は本作を映画館で見てからというもの、何度もそんなシチュエーションを夢想したものです。同じ時期に「チャーリーズ・エンジェル」を見たことで影響を受けまくり、休み時間になるとスパイになるためのトレーニングをしていました(懐かしくも痛々しい思い出……)。第1作(2001)で両親の秘密を知ったカルメン&ジュニは、シリーズを追うごとに様々なミッションを通して、一流のスパイへと成長していきます。
ちなみに第2作「スパイキッズ2 失われた夢の島」(02)では、ふたりのライバルとなるスパイキッズの兄妹ゲイリー&ガーディや、母方の祖父母も登場。大統領の機密情報を盗んだ犯人を追って、奇妙な巨大生物たちで溢れる、地図にない謎の島へと冒険に出かけます。第3作「スパイキッズ3-D:ゲームオーバー」(03)の舞台はバーチャルゲームで、シルベスター・スタローンが悪役を体現。また筆者にとっては、初めて3Dメガネで映画鑑賞をした思い出深い作品でもあります。そして第4作「スパイキッズ4D ワールドタイム・ミッション」(11)は、新キャストによる新たなスパイキッズが活躍しますが、ベガとサバラのコンビも出演。現在は“生みの親”であるロドリゲス監督によるリブート企画も進行中で、引き続き目が離せないコンテンツなのです。
シリーズ共通の魅力は、マチェーテおじさんが発明する奇想天外なスパイグッズ。レンジでチンすると一瞬でハンバーガー&ポテトになる謎の食べ物や、電気ショックガム、硫酸クレヨンなど、子どもの想像力がそのまま形になったようなアイテムがとにかく楽しい! さぞやガジェットバトルが巻き起こるのだろうな……と思っていると、第2作の舞台である島ではバリア装置の影響で電子機器が使えなくなり、泥臭くアナログな戦いを強いられるなど、意外な展開にも注目です。
そして何といっても忘れてはいけないのが、家族の絆。最初は仲が悪く、両親に秘密を抱えていたカルメン&ジュニをはじめ、様々な思いを持ったキャラクターたちが、冒険のなかで「家族は最強で最高だ!」ということに気付いていきます。ハラハラ、ドキドキの大冒険のなかで、大人でもホロリと涙してしまう家族のあたたかいシーンがあり、ファミリームービーとしておすすめのシリーズです。
「ファイナル・デスティネーション」シリーズ 全5作
予知夢を見たために大事故での死を免れるメンバーが、死からは逃れられず、突発的な事故へと巻き込まれる恐怖を描くスリラー映画シリーズ。ややグロい表現が多いので、苦手な人にはおすすめしませんが、あの手この手で迫ってくる死の状況は秀逸です!
高校生のアレックス(デボン・サワ)は、修学旅行でパリへ向かう飛行機のなか、離陸直後に飛行機が爆発し、非業の最期を迎える自分の姿を夢に見る。目が覚めた後も、夢のなかの出来事をなぞるような現実に恐怖し、「この飛行機は爆発する!」と騒ぎ立て、彼を含む7人が飛行機から降ろされることになる。その直後、彼の夢の通り飛行機は大爆発を起こし、7人は奇跡の生存者となった。しかしその数日後、アレックスの親友トッドが非業の死を遂げる。そして、生存者がひとり、またひとりと、ありえないような事故に巻き込まれ死んでいく……。彼らにつきまとう死の運命から逃れることはできるのか……。
このシリーズの特徴は、なんといっても全員に確実な死亡フラグがたっているのにも関わらず、いつ彼らが致命傷を負うのかが予想外なところ! 死が迫っていることがわかっているので、すべてのものが恐ろしく、「あそこから来るのか? こちらから来るのか?」と、見ているこちらの心拍数もずっと高いままになるんです。この興奮がなんとも病みつにきなり、新シリーズのために姉とふたり、ちょっと遠い映画館までわざわざ見に行っていました。
第2作「デッドコースター」(2003)では、友人との車旅行の道中、ハイウェイで起こる悲惨な多重事故の現場を目撃し生き延びた主人公が、第1作の180便の事故の話から、生き残る方法を探していきます(ちなみに本作の主人公は、海外ドラマ「クリミナルマインド」のA・J・クックが演じています)。続く第3作「ファイナル・デッドコースター」(06・R15+)では、卒業パーティで訪れた野外遊園地のジェットコースターが脱線。迫る死の運命が、事故当日に主人公が撮った写真に隠されていることを発見し、生還者たちに知らせようとするのですが……。
第4作「ファイナル・デッドサーキット 3D」(09・R15+)はその名の通り、初の3Dで描かれています。サーキット場でダブルデートをしていた主人公たちが、レーシングカーの激しい追突事故の末、クラッシュした車のタイヤやエンジン、ボンネットが次々と客席に降り注ぐ悲惨な事故から逃れてから、死の運命に巻き込まれます。全編フル3Dで製作され、よりリアルな恐怖体験を観客に与えました。そしてシリーズの最後を締めくくる第5作「ファイナル・デッドブリッジ」(11・R18+)では、社員旅行で出かけていた主人公たちが老朽化による吊り橋落下事故から免れるが……、というもの。ラストシーンは、シリーズファンなら大興奮の結末へとつながっていきます。
全シリーズで主役が入れ替わっていきますが、シリーズすべてに共通する要素や、作品ごとに追加されていく新たな事実やルールもあり、ついシリーズ全部を追いたくなる作品です。
しつこく追いかけてくる死の運命は、本当に多彩かつ意外。風呂場、カフェ、キッチン、美容院、洗車場、日焼けサロン、病院、ショッピングセンター、そして映画館……。シリーズを見終わったあと、自分の横に置いてあるペンを見るだけでも恐怖を感じるかも……! 夏の肝試し代わりに、シリーズマラソン鑑賞をしてみてはいかが?
「インディ・ジョーンズ」シリーズ 全4作
スティーブン・スピルバーグ(監督)、ジョージ・ルーカス(製作総指揮)という夢のタッグによるアドベンチャー映画の金字塔。ハリソン・フォード主演で、考古学者インディ・ジョーンズの活躍を描きました。
物語の舞台は、第2次世界大戦前夜の1936年。旧約聖書に記されている十戒が刻まれた石板がおさめられ、神秘の力を宿しているという契約の箱(=聖櫃)をめぐり、ナチスとインディ(フォード)が争奪戦を開始する。
筆者が映画好きになるきっかけとなり、「日曜洋画劇場」での初鑑賞以来、何度見ても「映画を見る楽しさ」を思い出させてくれる本シリーズ。一度は考古学者を志したものの、母に「実際は、インディ・ジョーンズみたいにポンポンお宝が出てくるわけじゃないのよ。考古学者になったら、ほとんどの時間、土を掘って過ごすんだよ。考古学者をなめちゃだめだよ」と言われた苦い思い出も……(涙)。インディのかっこよさ、息つく間もないアクション、胸を高鳴らせた歴史ロマン、子ども心に大人の階段を登った気にさせてくれた背筋の凍る“虫”描写などなど、全てが完璧で、映画的興奮に満ちているのです。
なお第2弾「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」(1984)ではインドの山奥で、邪教集団にさらわれた子どもたちを救い、秘宝サンカラストーンを取り戻すための戦いが展開します。続く第3弾「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(89)ではインディの父ヘンリー(ショーン・コネリーさん)が登場し、キリストの聖杯をめぐり、再びナチスとの争いが勃発。そして19年ぶりの続編となった第4弾「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」(2008)では、第1作に登場したインディのかつての恋人マリオン(カレン・アレン)、息子マット(シャイア・ラブーフ)とともに、南米アマゾンの山奥に眠る秘宝クリスタル・スカルを求め、冒険を繰り広げます。
シリーズファンにとっては嬉しいことに、日本テレビ系「金曜ロードショー」で「魔宮の伝説」が9月24日、「最後の聖戦」が10月1日に放送決定。また第5弾の撮影も進行しており、主演のフォードをはじめ、マッツ・ミケルセン、アントニオ・バンデラス、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、ボイド・ホルブルック、シャウネット・レネー・ウィルソン、トーマス・クレッチマンら豪華キャストが参加予定です。最新作公開に備え、この夏はシリーズを総復習しましょう!
「ワイルド・スピード」シリーズ 全10作
暑い夏だからこそ、熱いヤツらの暑苦しいまでのアクションを堪能したい! そんなあなたにおすすめなのが、言わずも知れた「ワイルド・スピード」シリーズ。様々な改造車を操る巧みなドライビングテクニックで、あらゆる犯罪・事件へと関与していくド派手カーアクション映画です。
ロサンゼルスを車で自在に走り回るドミニク(ビン・ディーゼル)は、夜な夜なレースに挑んでくる連中を相手に、一度のレースで一万ドルを稼ぐ凄腕。そんな彼に、謎めいた男ブライアン(ポール・ウォーカー)がレースで挑むことになる。実はブライアンは、トラックの連続ジャック事件を極秘に追う警官だった。容疑者は腕の立つストリートレーサーたちだったため、潜入捜査を行っていたのだ。しかし、ドミニクと、チャイニーズ系のジョニー(リック・ユーン)がそれぞれ率いる二大組織の対立が高まりつつあるなか、ブライアンはドミニク、また彼の妹ミア(ジョーダナ・ブリュースター)との絆を深めていく。
現在最新作「ワイルド・スピード ジェットブレイク」が劇場公開中ですが、このシリーズの魅力は作品を追うごとにどんどん派手になっていく改造車と、規模がメガトン級のカーアクション、そして個性豊かで魅力的なキャラクターが集まって形成されるファミリー愛です。
昨日の敵は今日の友、とでもいうかのように、前作で敵同士だった相手と次の作品ではファミリーとして一緒に戦っていきます。さらには、ルール無用のキャラクター復活劇(?)が見られたりもします。車を愛していることと、血の気が多いということ以外はあまり共通点のない、個性豊かなメンバーのなかからお気に入りを見つけるのも楽しいです(筆者のお気に入りは、いっつも車から振り落とされるローマンです)。
また、多種多様な車たちの登場は、車好きはもちろん、特に車に興味がない人でもついつい目を奪われてしまいます。高級スポーツカーにクラシックカー、改造車に果ては戦車や装甲車まで……。もはやタイヤがあれば彼らに乗りこなせないものはありません。空を飛ぶ車や強力磁石を付けた車なんて、もはやロボットアニメーションの世界観です。
また、彼らのレースの場所は世界中にわたります。第3作「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」(2006)はタイトル通り東京が舞台。日本からも北川景子、妻夫木聡、真木よう子らが出演しているので、要チェックです。
「ワイルド・スピード スーパーコンボ」(19)までを自宅で鑑賞(合計1096分?)してから、満を持して劇場で「ワイルド・スピード ジェットブレイク」を鑑賞するもよし! 劇場で大画面の熱いアクションを思いっきり楽しんでから、総復習をするもよし! ぜひ見終わった後はあなたの推しメン、推し作品を教えてください。
インド映画史上歴代最高興行収入を達成し、インド映画として初めて全米映画興収ランキングのトップ10入りも果たしたアクション大作。
ハエに生まれ変わった主人公が活躍する奇想天外なアクションコメディ「マッキー」を手がけたS・S・ラージャマウリが監督、主演は「サーホー」のプラバース。日本でも第1作「バーフバリ 伝説誕生」は2017年4月から公開され、半年以上にわたってロングランヒットを記録しました。(執筆:和田隆)
巨大な滝の下で育った青年シヴドゥ(プラバース)は、滝の上の世界に興味を持ち、ある日滝の上へとたどり着く。そこでシヴドゥは美しい女戦士アヴァンティカ(タマンナー)と出会い、恋に落ちる。彼女の一族が暴君バラーラデーヴァ(ラーナー・ダッグバーティ)の統治する王国との戦いを続けていることを知ったシヴドゥは、戦士となって王国へと乗り込んで行くが、そこで25年もの間幽閉されている実の母の存在と、自分がこの国の王子バーフバリであることを知るのだった。
歌って踊るインド映画の楽しさはそのままに、さらにアクションやCG、ストーリーなどをスケールアップさせて世界へ放ったエンタテインメント映画の極みとも言える作品です。古代インドの神話的叙事詩「マハーバーラタ」をベースに、伝説の戦士の壮絶な愛と復讐を描くものですが、身分の低かった者が苦難を乗り越えて復讐を果たす姿を描く英雄譚は、種族や言語が違っても、老若男女が楽しめ、見応え充分です。
完結編となる第2作「バーフバリ 王の凱旋」(17)も続けてご覧ください。夏休みは、上映時間の長い作品やシリーズものを制覇する絶好の機会です。
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いかがだったでしょうか? 今回おすすめしたシリーズを全部見ると合計2815分(46時間55分?)かかるので、ぜひチャレンジしてみてください!
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奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
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