【ゴールデングローブ賞】映画部門でNetflixが圧勝 「Mank マンク」が最多6部門ノミネート
2021年2月4日 15:30

ハリウッド外国人記者協会(HFPA)の会員投票によって選出される第78回ゴールデングローブ賞のノミネーションが2月3日(現地時間)、発表された。
映画カテゴリーでは、不朽の名作「市民ケーン」を脚本家ハーマン・J・マンキウィッツの視点から描いた野心作「Mank マンク」が、作品賞(ドラマ部門)をはじめ、主演男優賞(ドラマ部門)、助演女優賞、脚本賞、監督賞、作曲賞の最多6部門でノミネートを獲得した。
次いで、ベトナム戦争の抗議運動から逮捕・起訴された7人の男たちの裁判の行方を描いた実録ドラマ「シカゴ7裁判」が、作品賞(ドラマ部門)、助演男優賞、脚本賞、監督賞、歌曲賞の5部門にノミネートされている。
ベネチア国際映画祭金獅子賞をはじめ、トロント国際映画祭観客賞受賞と、今年の賞レースでトップを独走しているクロエ・ジャオ監督の「ノマドランド」は、作品賞(ドラマ部門)、主演女優賞(ドラマ部門)、脚本賞、監督賞の4部門でノミネートされた。
今年最大の注目は、監督賞にノミネートされた5人の映画監督のうち、「あの夜、マイアミで」で監督デビューを果たしたレジーナ・キングをはじめ、「Promising Young Woman(原題)」のエメラルド・フェンネル監督、「ノマドランド」のジャオ監督と、女性が3人を占めたことだ。2016年の“白すぎるオスカー”騒動をきっかけに、アメリカの映画界では多様性を推進するためのさまざまなイニシアチブや意識改革がおこなわれたといわれており、その成果が実ってきたといえそうだ。
また、2020年に他界したチャドウィック・ボーズマンさんが、「マ・レイニーのブラックボトム」で主演男優賞(ドラマ部門)にノミネート。また、サシャ・バロン・コーエンが、「続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」で作品賞(コメディ部門)と主演男優賞(コメディ部門)、「シカゴ7裁判」で助演男優賞と3部門でノミネートという偉業を達成している。
配給別では、「Mank マンク」「シカゴ7裁判」「マ・レイニーのブラックボトム」「ザ・プロム」などを抱えるNetflixが最多22ノミネートで圧勝。「続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」などのAmazonが7ノミネートで続いている。動画配信系がコンテンツを増やしていることに加えて、コロナ禍による公開延期や動画配信への切り替えなどの影響といえそうだ。
第78回ゴールデングローブ賞授賞式は、2月28日(現地時間)にバーチャル形式で実施される。史上初めて米ニューヨークとロサンゼルスからの二元中継になるという。
映画カテゴリーのノミネートは以下の通り。
▽作品賞(ドラマ)
「ファーザー」
「Mank マンク」
「ノマドランド」
「Promising Young Woman(原題)」
「シカゴ7裁判」
▽主演男優賞(ドラマ)
リズ・アーメッド「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」
チャドウィック・ボーズマン「マ・レイニーのブラックボトム」
アンソニー・ホプキンス「ファーザー」
ゲイリー・オールドマン「Mank マンク」
タハール・ラヒム「The Mauritanian(原題)」
▽主演女優賞(ドラマ)
ビオラ・デイビス「マ・レイニーのブラックボトム」
アンドラ・デイ「The United States vs Billie Holiday(原題)」
バネッサ・カービー「私というパズル」
フランシス・マクドーマンド「ノマドランド」
キャリー・マリガン「Promising Young Woman(原題)」
▽作品賞(コメディ/ミュージカル)
「続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」
「ハミルトン」
「ミュージック(原題)」
「パーム・スプリングス」
「ザ・プロム」
▽主演男優賞(コメディ/ミュージカル)
サシャ・バロン・コーエン「続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」
ジェームズ・コーデン「ザ・プロム」
リン=マニュエル・ミランダ「ハミルトン」
デブ・パテル「どん底作家の人生に幸あれ!」
アンディ・サムバーグ「パーム・スプリングス」
▽主演女優賞(コメディ/ミュージカル)
マリア・バカローバ「続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」
ケイト・ハドソン「ミュージック(原題)」
ミシェル・ファイファー「French Exit(原題)」
ロザムンド・パイク「I Care a Lot(原題)」
アニヤ・テイラー=ジョイ「エマ(原題)」
▽アニメーション映画賞
「The Croods: A New Age(原題)」
「2分の1の魔法」
「フェイフェイと月の冒険」
「ソウルフル・ワールド」
「ウルフウォーカー」
▽外国語映画賞
「アナザー・ラウンド(英題)」(デンマーク)
「ラ・ヨローナ 彷徨う女」(グアテマラ/フランス)
「これからの人生」(イタリア)
「ミナリ」(アメリカ)
「The Two of Us」(フランス/アメリカ)
▽助演男優賞
サシャ・バロン・コーエン「シカゴ7裁判」
ダニエル・カルーヤ「Judas and The Black Messiah(原題)」
ジャレッド・レト「The Little Things(原題)」
ビル・マーレイ「オン・ザ・ロック」
レスリー・オドム・Jr.「あの夜、マイアミで」
▽助演女優賞
グレン・クローズ「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」
オリビア・コールマン「ファーザー」
ジョディ・フォスター「The Mauritanian(原題)」
アマンダ・セイフライド「Mank マンク」
ヘレナ・ゼンゲル「この茫漠たる荒野で」
▽監督賞
エメラルド・フェンネル「Promising Young Woman(原題)」
デビッド・フィンチャー「Mank マンク」
レジーナ・キング「あの夜、マイアミで」
アーロン・ソーキン「シカゴ7裁判」
クロエ・ジャオ「ノマドランド」
▽脚本賞
エメラルド・フェンネル「Promising Young Woman(原題)」
ジャック・フィンチャー「Mank マンク」
アーロン・ソーキン「シカゴ7裁判」
フロリアン・ゼレール、クリストファー・ハンプトン「ファーザー」
クロエ・ジャオ「ノマドランド」
▽作曲賞
アレクサンドル・デスプラ「ミッドナイト・スカイ」
ルドウィグ・ゴランソン「TENET テネット」
ジェームズ・ニュートン・ハワード「この茫漠たる荒野で」
トレント・レズナー、アティカス・ロス「Mank マンク」
トレント・レズナー、アティカス・ロス「ソウルフル・ワールド」
▽主題歌賞
“Fight For You”「Judas and The Black Messiah(原題)」
“Hear My Voice”「シカゴ7裁判」
“IO SI (SEEN) ” 「The Life Ahead(原題)」
“Speak Now”「あの夜、マイアミで」
“Tigress & Tweed”「The United States vs Billie Holiday(原題)」
(映画.com速報)