ソウルフル・ワールド

劇場公開日:

解説

「インサイド・ヘッド」「カールおじさんの空飛ぶ家」を手がけ、ピクサー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーも務めるピート・ドクター監督が、人間が生まれる前の「ソウル(魂)」たちの世界を舞台に描いた長編アニメーション。

ニューヨークでジャズミュージシャンを夢見ながら音楽教師をしているジョー・ガードナーは、ついに憧れのジャズクラブで演奏するチャンスを手にする。しかし、その直後に運悪くマンホールに落下してしまい、そこから「ソウル(魂)」たちの世界に迷い込んでしまう。そこはソウルたちが人間として現世に生まれる前にどんな性格や興味を持つかを決める場所だった。ソウルの姿になってしまったジョーは、22番と呼ばれるソウルと出会うが、22番は人間の世界が大嫌いで、何の興味も見つけられず、何百年もソウルの姿のままだった。生きる目的を見つけられない22番と、夢をかなえるために元の世界に戻りたいジョー。正反対の2人の出会いが冒険の始まりとなるが……。

日本語吹き替え声優は浜野健太、川栄李奈。アニメ界のアカデミー賞と言われるアニー賞を制したほか、第93回アカデミー賞でも長編アニメーション賞、作曲賞を受賞。当初は劇場公開予定だったが新型コロナウイルス感染拡大により劇場公開を断念し、2020年12月25日からDisney+で配信された。2024年、コロナ禍で劇場公開できなった他のピクサー作品とともに劇場公開が実現。

2020年製作/101分/アメリカ
原題:Soul
配給:ディズニー
劇場公開日:2024年4月12日

その他の公開日:2020年12月25日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第93回 アカデミー賞(2021年)

受賞

作曲賞 ジョン・バティステ トレント・レズナー アティカス・ロス
長編アニメーション賞  

ノミネート

音響賞  

第73回 カンヌ国際映画祭(2020年)

出品

カンヌレーベル「アニメーション」
出品作品 ピート・ドクター
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映画レビュー

4.5怖い領域にもガシガシと踏み込んでいく果敢さ

2020年12月31日
Androidアプリから投稿

特に前知識を入れてなかったので、ピクサーがジャズをモチーフにした映画を作ったのだと思いこんでいた。実際、主人公はジャズマン(に憧れる音楽教師)だし、劇中にはジャズを演奏する印象的なシーンがいくつかある。

しかし、お決まりの夢をつかみたい男の苦闘と奮闘、という物語は、「人間が持つ執着心」というテーマに置き換えられ、そして映画はさらに大きくてテーマへと際限なく広がっていく。要するに「人間とはなにか?魂とはなにか?」という哲学的な大命題に手を出しているのだ。

しかも、魂が作られていく過程が、非常にファンタジックでありながらも、ロジカルに描かれていることに驚く。この映画は「誰もが違っていて素晴らしい」なんてキレイごとは言わない。例えば人間なんていくつかのパターンにたやすく分類できてしまうし、本人の意思で属性や性格を変えるのにも限界がある。そんな皮肉めいた人間分析を、こんなに楽しいビジュアルで描いてしまったことに驚く。

もちろんピクサーの映画が、人間なんてつまらない存在だ、なんて結論に行き着くわけではないのだが、だからといって安易な人生讃歌でもない。とてもポジティブな映画だけれど、普通なら向き合いたくないようなことにもきちんと目を逸していない、勇猛果敢な作り手の姿勢に拍手を送りたい。

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村山章

4.0中年世代の魂を癒すヒーリングムービー

2020年12月26日
PCから投稿

泣ける

笑える

楽しい

人には生まれながらに与えられた使命がある。人生に於いて目的を達成することは素晴らしい。人生とは目的探しの旅だ。。。。。そんな風に描き尽くされてきた人生に関する考察(または意味付け)を一旦リセットし、そもそも、目的を達成できなくても、目的そのものを持ちえなくても、平凡な日常に感謝し、身を委ねることこそが、生きるという行為なのだ。と、ピクサーの最新アニメは我々に問いかける。長いハリウッド映画の歴史でこのような提案は実写でも珍しいと思う。ある日突然、マンホールから落っこった先にある、この世に生まれる以前のソウル(魂)の世界へ飛んでしまったしがないジャズピアニストの体験談は、瞬間瞬間が示唆に富み、同時に大胆な空間転換で楽しませる。死にたくないともがく主人公と、彼がソウルの世界で出会う、逆に生まれたいとも思ってない22番との冒険が、やがて、互いの中に欠けていたものを発見することになるバディムービーの形式を借りて。ビジュアル的には、深い色彩に溢れる現世ニューヨークの風景と、徹底して無機質かつミニマムを追求したソウル界の対比が明確だ。これは、いい歳をしていまだ人生に目的を見出そうとする、若い世代にとってはけっこう傍迷惑な、迷える中年世代の魂を癒すヒーリングムービーだと、筆者は解釈した。正義、友情、女性の自立、死生観、感情の視覚化と来て、ディズニー&ピクサーは遂にこんな領域に侵入したのである。で、次は何?

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清藤秀人

4.0ソウルフルな世界

2024年4月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

ジャジーでソウルフルな大人のアニメーション

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褐色の猪

きらめきとは何か

Nさん
2024年4月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

今回の作品では、生きる意味が序盤において大きなテーマの一つとなっていた。
主人公のジョー・ガードナーは生きる意味をジャズに求めるも、その夢を叶えることができない中年男性。そんなジョーに突然のビッグチャンスが訪れる。しかし、ジョーは夢を叶える目前で不慮の事故により魂の世界に迷い込んでしまった。
そこで出会ったのが22番。彼女は人として生きるために必要なきらめきを見つけることができずにいた。
この世界におけるきらめきと自分の夢中になれるもの、つまりは才能。ジョーと22番はきらめきを見つけ、ジョーが元の肉体に戻る為の旅をする。
しかし作品の後半、きらめきとは才能ではないことがわかる。
きらめきとは才能ではなく自分は生きていいと思える気持ちだったのだ。22番は今まで自分が生きていいと思えなかった。そのためにきらめきを得ることができずにいたのだ。
人生で成功を積み重ねてきたメンターは人生を業績と同一視していたが、何者でもないジョーによって22番は人生の目的は何かを成し遂げることではなく、生きることそのものが人生の目的であることに気づく。
我々は何かを成し遂げるために生きているのではない、生きるために生きているのだ。

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