ソウルフル・ワールドのレビュー・感想・評価
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きらめきが生きる目的じゃない
私たちの人生や生活には映画のような出来事やドラマはあまり起こらない。子どもの頃からの夢を叶える人だって一握りだ。私のようなその他大勢は、「タラレバ」を夢見ながら毎日を積み重ねてゆく。つまんない人生?退屈な毎日?
いいや、そんなことない。寒さが少し緩むと季節の移り変わりを感じる。雨の日の翌日の晴天には思わず空を見上げる。
見知らぬ人と電車で席の譲り合いをしたときに思わず微笑み合い、見知らぬ幼児と目が合えば手を振る。言葉に出来ない瞬間ほど美しい瞬間はない。
一瞬一瞬が美しく、貴い。
ただ、私たちは時々その美しさをわすれてしまうのだ。
生きる意味の意味の意味
CGアニメ作品にして、実は大人でも(私だけ?)難しい深いテーマでした。大して説明も読まず、字間の都合だけで映画館に飛び込んだら、その話の展開に驚いた。のっけからディズニー定番の「星に願いを」の素人演奏で始まるあたり、ああ、音楽がテーマだと思い込んでしまったから。
正直、自分じゃ初見では理解できたと言いがたいのですが、あの映画に似ていると思った。自分の大好きな映画、「ベルリン天使の歌」。
生まれ変わろうとする耳年増なソウル(魂)を通して生きる意味は何かと考えさせられる。私たちの視点はそのソウル(魂)ではなく、すでに人生を実体験した音楽先生なんだけど、その先生もまた既成概念を取り払って、様々なことを感じる喜びを知り得た、ということなのでしょうか。終盤、ソウル(魂)との和解を経て先生はまた、もとの人生に還るのだけど、やはりそのままステージに立ち続けるのか。個人的には、音楽教師としての道に、改めて意欲を燃やしても良いような気がする。
でも、あそこまでのピアニストなら、すでにそれなりの感性を持ち合わせてはいなかったのかな? どんなに成長しても、改めて気付きと閃きを繰り返すものなのでしょうか、人生というのは。
映像的にも凄かった。いつものCGアニメだと思ったら、物凄いクオリティー。町並み、人混みのリアリズムは、もう実写で撮った方が早いのにって思ってしまった。これじゃもう、トイストーリーはゲーム機レベルになっちゃった。
あの同時上映のミニシアター、「夢追いウサギ」が最高。なんという優しい世界。
人生のきらめきとは何か
ディズニープラスで鑑賞。
ひょんなことから、魂の世界に迷いこんだジャズピアニストを夢見るジョーと100年以上人間の世界に生まれずに暮らしてきた22番の冒険が繰り広げられます。
現実世界に迷いこんだ22番がジョーの身体に入り込むだけでなく、そこで彼女は様々な経験をしていきます。ピザの味や様々な人々と関わりながら、人生の素晴らしさを知っていく姿に感情移入しました。
彼女に影響されたジョーも、人生のきらめきは音楽で有名になることではなく、普段の日常の中にあると気づきました。これは、忙しく生活する現代人へのメッセージであり、日常で小さな喜びを味わえるだけでも素晴らしい人生であると解釈しました。
また、これまでのピクサー映画とは違い、柔らかいタッチで描かれる魂の世界は神秘的であり、線で表現した人型のカウンセラーは新鮮で、CG技術の進歩を感じました。
人生を過ごす大切さを学べた素晴らしい作品でした。
怖い領域にもガシガシと踏み込んでいく果敢さ
特に前知識を入れてなかったので、ピクサーがジャズをモチーフにした映画を作ったのだと思いこんでいた。実際、主人公はジャズマン(に憧れる音楽教師)だし、劇中にはジャズを演奏する印象的なシーンがいくつかある。
しかし、お決まりの夢をつかみたい男の苦闘と奮闘、という物語は、「人間が持つ執着心」というテーマに置き換えられ、そして映画はさらに大きくてテーマへと際限なく広がっていく。要するに「人間とはなにか?魂とはなにか?」という哲学的な大命題に手を出しているのだ。
しかも、魂が作られていく過程が、非常にファンタジックでありながらも、ロジカルに描かれていることに驚く。この映画は「誰もが違っていて素晴らしい」なんてキレイごとは言わない。例えば人間なんていくつかのパターンにたやすく分類できてしまうし、本人の意思で属性や性格を変えるのにも限界がある。そんな皮肉めいた人間分析を、こんなに楽しいビジュアルで描いてしまったことに驚く。
もちろんピクサーの映画が、人間なんてつまらない存在だ、なんて結論に行き着くわけではないのだが、だからといって安易な人生讃歌でもない。とてもポジティブな映画だけれど、普通なら向き合いたくないようなことにもきちんと目を逸していない、勇猛果敢な作り手の姿勢に拍手を送りたい。
中年世代の魂を癒すヒーリングムービー
人には生まれながらに与えられた使命がある。人生に於いて目的を達成することは素晴らしい。人生とは目的探しの旅だ。。。。。そんな風に描き尽くされてきた人生に関する考察(または意味付け)を一旦リセットし、そもそも、目的を達成できなくても、目的そのものを持ちえなくても、平凡な日常に感謝し、身を委ねることこそが、生きるという行為なのだ。と、ピクサーの最新アニメは我々に問いかける。長いハリウッド映画の歴史でこのような提案は実写でも珍しいと思う。ある日突然、マンホールから落っこった先にある、この世に生まれる以前のソウル(魂)の世界へ飛んでしまったしがないジャズピアニストの体験談は、瞬間瞬間が示唆に富み、同時に大胆な空間転換で楽しませる。死にたくないともがく主人公と、彼がソウルの世界で出会う、逆に生まれたいとも思ってない22番との冒険が、やがて、互いの中に欠けていたものを発見することになるバディムービーの形式を借りて。ビジュアル的には、深い色彩に溢れる現世ニューヨークの風景と、徹底して無機質かつミニマムを追求したソウル界の対比が明確だ。これは、いい歳をしていまだ人生に目的を見出そうとする、若い世代にとってはけっこう傍迷惑な、迷える中年世代の魂を癒すヒーリングムービーだと、筆者は解釈した。正義、友情、女性の自立、死生観、感情の視覚化と来て、ディズニー&ピクサーは遂にこんな領域に侵入したのである。で、次は何?
私的にピクサー映画ナンバーワン作品
テーマが!!深い!!!
私は、子ども向け映画によくみられる、子どもに向けた優しいメッセージがある作品が好きなんだけど、この作品は「大人に向けた優しいメッセージ」だなと思った!
自分の心に響いたというよりも、
「この映画で誰かの命を救うことができるのでは」「この映画を、人生に疲れている人にみてほしい」と思った。
と、同時に、優しい人たちが「誰かを救いたい」とつくったであろうこの作品を、心から愛おしいと思った。
アニメーションが本当に素敵で、ピクサーの映像作品で1番「ピクサーすげぇ…」と感動した作品だと思う。
特に、主人公がソウルの世界へ落ちていくシーン…何度見ても新鮮だと思う。ソウルの世界の住民のデザインもめちゃくちゃ好き。
「何者かにならなければ」「なにか一つ、自分はこれだというものを見つけなければ」と、周りと比べて生き急いでいる人へ。
「自分にはこれしかない」と一つに熱中するうちに、苦しくなっている人へ。
「自分はこれだ」というものを失って、人生の意味を見失った人へ。
多くの人に届いてほしい。
芸術的なイマジネーション表現
ピクサーは他のアニメーション映画とは一線を画すレベルに到達してることはよく分かった。
最初はニューヨーカーがよろしくやってる話で「これアニメーションでやる意味ある?」と思ってた。
しかし途中から来ました。アニメでしかやれないイマジネーションの怒涛の表現が。
まるで芸術作品を見てるよう。展開も読めないし、力量がすごいの分かる。
シュガーラッシュのバディ感もあり、頭の中の感情を描く様子はインサイドヘッドみも感じられる。
とても面白くよく出来た映画だと思います。
ただ、「2分の1の魔法」が素晴らし過ぎたので、それと比べてこの評価。
自分はアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞したこちらより、2分の1の魔法の方が素晴らしいと思った。
生きてるだけで丸儲け
素晴らしき哉、人生
非常勤講師で生計を立てていたジョー・ガードナーは
ある日ずっと夢見ていたジャズの演奏ができることになったが
途中の道でマンホールに落ちて魂の世界へ行ってしまう。
死んだものは虚無へ、これから生きるものは生前の世界へ。
地球へ向かう前のソウルたちの中でも生まれることを拒否した
22番ソウルと奮闘する物語。
おもちゃに命を吹き込んだピクサーが遂に魂にも命を与え
命を題材にしたテーマを描いた。
「海を泳いでいる最中には海の広さはわからない。」
「バガボンド」の中でもこういったセリフがありました。
人は何者でなくてはいけないなんてない。
今、ある生活の環境や連れ添う人を大切に。
道徳の授業で見てほしくなるような映画。
劇場で見てたらエンドクレジット前に拍手したくなるような映画でした。
これから職業を決めて生活を自分で責任を持つ大人が見てこそ
響くような映画になっています。
インサイドヘッドを見た時も思いましたがピクサーは
心理学だったり難解なテーマをわかりやすく、ほぐして
ファンタジーに落とし込むのが素晴らしいと思いました。
想像以上に良かった
前情報を入れずに観たら、想像以上に良くてビックリした。
以下、個人的な備忘録🙇♂️
私は無意識に社会からストレスを受けていたと気づいた。それは、何者かにならなければならないという重圧。賢く生きなければならない、消費者であってはならない、生み出す人でなくてはならないという重圧。
でもこの映画を見て、必ずしもそうなることが私の幸せとはかぎらない、と思い直した。
日々の小さなときめき、映画の中のような、紅葉した葉が落ちる様子が美しいとか、そういうことにときめきを感じられることはとても幸せなことだ。そういう幸せを積み重ねていくほうが、私の人生は満ち足りたものになるのではないか。
私にはそういう生き方のほうが合っている気がする。
幸せとは?世界の美しさを感じて。
22番&猫
是非、日本語字幕版で観たい
ジャズピアニストを夢見ながらも中々世に出られない男が、ふとした事故で冥界に迷い込み何とか現世に戻ってステージに立とうとするお話です。高い評価を受けながらも日本では NETFLIX 配信のみだった作品が漸く劇場上映になりました。
日本アニメではお約束となっている少年少女の物語ではなく、ジャズピアニストの中年男性が主人公というだけでまず嬉しいではないですか。そして、思い切った意匠を展開してアニメでしか描けない世界をアニメで描き、一方、アニメファンだけでなく広く思いを伝えようとする深い意図がしっかり感じられました。
声優としての川栄李奈さんがとても良かったのですが、やはり日本語字幕版ででも是非観たいな。
生きる意味は生きる喜びを知ること
自分の生きる喜びはピアノだと思っていた主人公。死んで自分の人生を振り返った時に、ピアノで成功していない自分の人生を見て生きる意味なんかなかったと思う。
自分の生きる意味をずっと探していた22番。どんな偉大な人物の人生を見ても生きる意味を見出せず、生きたいと思わない。
しかしそんな22番が生きたいと思えたきっかけは、ピザの味やイメチェンや綺麗な空や風に吹かれて落ちる葉だった。一度はそんな日常は生きる意味ではないと22番の行きたいと思った人生を否定する主人公だったが、今までの自分の人生にもピアノ以外の喜びがあったことを思い出した。
よく「この人は〇〇をするために生まれてきたんだ」と言われる人がいる。伝説的なミュージシャンや画家、政治家や発明家などだ。
しかしこの映画ではその考え方を全否定していると思った。最後の煌めきは生きる意味ではなく生きる準備ができるともらうことができる。人生は生きる意味を遂行するためのものではなく、生きる喜びを探しに行くものなのだと伝えたかったのではないかと思った。
今の自分の心に刺さる映画だったなぁ…
2つのギャップが良い
いまに満足出来ない男性が求める続けてるもの。
もしそれを掴むことが出来たときの高揚感が自分が求めているものだったのか?
中年に差し掛かる男が一旦立ち止まりこれからの人生を考えるにはとても素敵な作品だと思った。
ジャス好きな男が夢を掴み掛けようとしたときに階段を踏み外した様にマンホールに落ち…って展開で魂の表現も可愛く、その時のやり取りもトムとジェリーの様に引っ張っても踏んづけても直ぐに元に戻る愛おしさを醸し出している。そして主人公の魂は現実と真逆で活動的でドタバタ劇としても楽しめた。
上記で述べた様に活動的な魂は冒険ものとして描き、現実では人間ドラマとして描くことで、それぞれの良さを上手くミックスさせている。
生きる意味
生きている意味を聞かれて、即答できる人はなかなかいないと思う。
生まれる前の22番も、自分のきらめきを見つけられずにいた。そんな時にジャズピアニストを目指すジョーガードナーと偶然に生と死の狭間で出会う。
ジョーは、ジャズプレイヤーになるという自分のきらめきを追い求めていた。一方、22番は生きる意味を見つけられずにいた。
ひょんなことから22番は、ジョーの体を借りて生きることになったが、数々のきらめきを経験する。
友人との会話、街角のピザ、路上パフォーマンスにベーグルを分け与えること、人の優しさ、自然の美しさ。
生きていることこそ、きらめきであることに気付かされた良い映画でした。
個人的にはドロシア・ウィリアムズとの会話が好きでした。
「若い魚は、老人魚に言った。水じゃなくて海を探していると。」
「老人魚は、若い魚に言った。ここは海だよと。」
とんでもないSF超大作じゃないか!!!!!
コロナで劇場公開見送りからの復活シリーズ。
なのにあまり盛り上がらず。
なのでもうディズニーのホームグラウンド
舞浜 イクスピアリしかやってないんですよ。
親父が一人でディズニーの聖地へ(^_^;)
JAZZピアニストに起きた奇妙な……
いやいやいや待て待てぇーい!!
とんでもないSF超大作じゃないか!!
あのSFでしか出せない孤独という恐怖は
「A.I.」「ゼロ・グラビティ」に匹敵!!
「え?これピクサー?」
キャラに騙されちゃダメ!
これ、どなたか実写化しませんかぁー!!??
これ、ポスターで損してます!!
ちゃんとマーケティングしましたかぁ!!??
“生きる”をテーマに
笑って泣けて感動して哲学で
素晴らしい時間でした。
あ、あとJAZZもガチでいいけど
JAZZ以外の
ヒーリングエレクトロニカな
サントラのスコアにも注目…いや注耳ですよ!
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