ジョン・ウー監督、日本映画界のスタッフを絶賛「ハリウッドに負けていない」
2017年4月26日 16:00

[映画.com ニュース] 配給会社・ギャガの2017~18年ラインナップ発表会が4月26日、都内で行われた。今年の目玉は、福山雅治とチャン・ハンユーがダブル主演したジョン・ウー監督作「追捕 MANHUNT(原題)」。来日中のウー監督が登壇し、日本映画へのリスペクトの念や、故高倉健さんへの思いなどを語った。
同作は西村寿行氏の小説「君よ憤怒の河を渉れ」の再映画化。佐藤純彌監督、高倉さん主演で1976年に製作された際には、中国でも社会現象を巻き起こす大ヒットを記録した。ウー監督は「子どものころから日本映画が大好きで、その影響をかなり受けています」と明かしたうえで、「残念ながらこの世を去ってしまい、とても悲しくつらい思いでした。なんとか彼の作品を映画化したいと思っていたところ、映画会社の方から『追捕を映画化しないか』と言われ、一も二もなく受けさせていただきました」と振り返った。
全編大阪・九州ロケを敢行しているだけに、「健さん以外にも60年代、70年代の日本映画へのリスペクトしておりましたし、いつか日本で撮影したいという夢がありました。今回実現できて、とても嬉しいです」とニッコリ。続けて「日本のスタッフのプロ意識はハリウッドに負けていない。規律を守り、それでいて人間味があるという精神は、尊敬に値します」と絶賛し、「驚いたことに、エキストラの方々も役者に近い演技力を持った方々が大勢来てくれる。さらに95%の方々がボランティアで来てくれていたことは、40年間映画を撮ってきて初めてです。逆に、この作品を良い映画にしないと、その方々に申し訳ないです」と褒めちぎっていた。
また、大阪ロケでは「おばちゃんたちが、常にポケットにアメちゃんを入れている」ことに驚いたそうで、「誰かれ構わず出してくるんですね。中国では考えられない、素晴らしいことです」と話し場内を沸かせる。そして「この作品以外にも、日本で撮影する計画があります」と含みを持たせ、「ぜひ今作を気に入ってくれることを希望します」と呼びかけた。
そのほかのラインナップには、トム・ハンクス&エマ・ワトソン主演SNSスリラー「The Circle(原題)」、第89回米アカデミー賞2部門ノミネートのストップモーションアニメ「クボ・アンド・ザ・トゥー・ストリングス(原題)」、クロエ・グレース・モレッツ主演の青春ミステリー「ノーベンバー・クリミナルズ(原題)」などの洋画や、吉田大八監督作「美しい星」、是枝裕和監督作「三度目の殺人」の邦画など31作品。依田巽会長は「アニメ、新規事業、海外展開、より一層強いギャガブランドを構築していきたい」と述べた。
「美しい星」(5月26日/吉田大八監督)
「怪物はささやく」(6月9日/J・A・バヨナ監督)
「彼女の人生は間違いじゃない」(7月15日/廣木隆一監督)
「ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走」(7月22日/ニコラ・ブナム監督)
「エル ELLE」(8月/ポール・バーホーベン監督)
「三度目の殺人」(9月9日/是枝裕和監督)
「Overdrive(原題)」(9月/アントニオ・ネグレ監督)
「IT COMES AT NIGHT(原題)」(2017年/トレイ・エドワード・シュルツ監督)
「The Circle(原題)」(2017年/ジェームズ・ポンソルト監督)
「クボ・アンド・ザ・トゥー・ストリングス(原題)」(2017年/トラビス・ナイト監督)
「THE PARIS OPERA(英題)」(2017年冬/ジャン=ステファヌ・ブロン監督)
「How to Talk to Girls at Parties(原題)」(12月2日/ジョン・キャメロン・ミッチェル監督)
「嘘八百」(2018年/武正晴監督)
「The Leisure Seeker(原題)」(2018年/パオロ・ビルツィ監督)
「LUMIERE!(原題)」(2018年/ティエリー・フレモー監督)
「The Commuter (原題)」(2018年/ジャウム・コレット=セラ監督)
「追捕 MANHUNT(原題)」(2018年/ジョン・ウー監督)
「イップ・マン 継承」(公開中/ウィルソン・イップ監督)
「リベンジ・リスト」(6月17日/チャック・ラッセル監督)
「Will You Be There?(英題)」(10月/ホン・ジヨン監督)
「COLD HELL(英題)」(2017年/ステファン・ルツォビッキー監督)
「ノーベンバー・クリミナルズ(原題)」(2017年/サーシャ・ガバシ監督)
「ラプチャー 破裂」(6月3日/スティーブン・シャインバーグ監督)
「47メーターズ・ダウン(原題)」(8月12日/ヨハネス・ロバーツ監督)
「The Assignment(英題)」(2017年/ウォルター・ヒル監督)
「THELMA(原題)」(2018年/ヨアキム・トリアー監督)
「THE GUARDIANS」(2018年/サリク・アンドレアシアン監督)
「Julie and the Shoe Factory(英題)」(9月下旬/ポール・カロリ、コスチャ・テステュ)
「ゼロから始める魔法の書」(4月放送)
「天使の3P!(スリーピース)」(7月放送)
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