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『ルパン三世』スピンオフシリーズ第4弾。
今回主役となるのは、第1弾のTVアニメに続き、
男を虜にする魅惑の美貌とボディ、敵か味方か、“裏切り”というアクセサリーを身に付ける、魔性の女。
峰不二子!
毎回毎回あらゆる場所に居て、肩書きも変える不二子。今回は…
とある会計士のメイドをしている不二子。心臓の悪い幼い一人息子の母親代わりとして面倒も見ている。
あの不二子にしては真っ当な仕事…?
…な訳ない。
ある狙いと、厄介な問題が…。
大企業“コドフリー・マイニング”の会計士であったランディ。
5億ドルを横領。息子の手術代の為。
金の在りかを知るのはランディ本人と、もう一人。
息子のジーン。“キー”を握っている。
それを狙っている不二子。
奇しくもルパンと次元も。
コドフリー側も。
奪われた金を取り返そうと躍起のコドフリー。
客観的に見れば否は無いように思えるが、何かきな臭い。(と、ルパンは睨む)
どうやらやはり真っ当な人物や会社ではなく、父子の追跡に殺し屋を雇う。
凄腕のガンマン、バケモノ並みのタフさの大男と来て、今回も。
名は、ビンカム。青白い顔、異様に長い手足、指や爪。まるで吸血鬼のよう。
普段は鎖に繋がれ、コドフリーの部下の指パッチン合図で目を覚ます。妙な花の実を食べる。
人間の感情を持ち合わせてないようで、銃で撃たれても死なず。
極め付けは、“呪い”。砂嵐を起こし、相手に催眠術をかける。
人間か得体の知れない存在か、その正体は…?
荒野のボロ小屋に身を隠すランディとジーン、そして不二子。
居場所を突き止めたコドフリーの命令で、ビンカムが襲撃。
ランディは不二子にジーンを託して逃がし、小屋ごと爆破して犠牲になる。
が、ビンカムはそれでも死なず…!
父との別れと死に、激しいショックを受けるジーン…。
時折ルパンたちの助けを借りたりするも、メインは不二子とジーンの逃避行。
命懸けで守り、望むなら母親になってもいいと抱き締める不二子。
が、本当の狙いは…、言うまでもない。
いつもなら確実に男を落とす不二子の誘惑と話術も、子供には通用しない。(次元曰く、あの女にも弱点あったか)
ましてや父親を失ったばかりの幼い子供。復讐を誓う。
ビンカムを殺してくれたら、金を隠した金庫の暗証番号を教える。
ルパンと次元にとっては美味しい話。
不二子にとってはライバルが増えた。
不二子がジーンを守って信頼を得て、暗証番号を聞き出すのが先か、
ルパンと次元がビンカムを倒して暗証番号を聞き出すのが先か、
コドフリーがジーンを捕らえ、ビンカムの“呪い”で暗証番号を聞き出すのが先か。
三者三様の思惑と、文字通り“キー”のジーン。
口論と衝突が絶えない不二子とジーン。
不二子は“愛情”と“優しさ”で接するも、ジーンは反発。
頑なに復讐に固執するジーン。モーテルのオーナーを色仕掛けでたぶらかして宿泊代をゼロにする不二子の“ふしだらさ”を嫌悪。
不二子もさすがに我慢の限界となり、強い口調で迫る。あいつらに捕まるか、私と“母子”になって盗んだお金で遠くに逃げて悠々と暮らすか。
ジーンの答えは決まっている。遂には、誘拐されたと騒ぎ出す。
モーテルのオーナーの通報を受け、警察が。
不二子は今一度選択を迫るが、ジーンは拒む。
不二子は一人で逃げ出し、ジーンは警察に保護される。
その後を追う不二子。単に金の為か、やはりジーンを見捨てきれないのか…?
パトカーは警察署ではなく、思わぬ所へ。
コドフリー・マイニング社。すでに警察にも手を回していた。
再びビンカムに“呪い”をかけられるジーン。
不二子が助けに現れる。ビンカムと再戦。
この時、不二子が“いつもの武器”を使い、ビンカムに意外な反応が…。
ルパンたちも助太刀に現れ、ジーンの救出成功。
助けてくれた事で不二子を信頼し、暗証番号を教えるジーン。
すると、態度を変え、ジーンを見捨てる不二子。
やはり金だけが目的の裏切りの女だったのか…?
父親を失い、信用しようとしていた不二子にも見捨てられ、怒りと悲しみと涙のジーン。
一人で生きていける強い男になりなさいと告げ、部屋に鍵を閉めて出て行く…。
一方のルパンは、ランディが爆破した跡地を調べる。
コドフリーについても調査。とある施設に行き着き、そこで見たものは…!
一つの真実と一つの陰謀を掴む。
金を餌に、コドフリーを揺さぶる不二子。
不二子の居場所を突き止め、再びビンカムを送り込む。
荒野の決戦。
力ではビンカムの方が強い。鋭い爪で、不二子の服を破る。
不二子は前回の対峙で得た確信で迫る。
いつもの武器…即ち、色仕掛け、誘惑、話術。
感情など無いと思われていたビンカムだが、異変が起こる。
動揺、身体から込み上げてくる“何か”。
一体、これは何なんだ…?
“呪い”のからくりも暴いた不二子。
特殊能力なんかではない。
科学で証明が付く。ヒントは、“乾いた地”と“毒性のとある花”。
“呪い”で人を操っていたビンカムだが、今度は自分が翻弄される。
人を惑わすに長けていたのは、ビンカムだったのか、不二子だったのか。
答えは分かり切っていた。
微かな“人の心”を見つけ、その心に触れる。“愛”という名の媚薬で。
その媚薬の虜になってしまったら、もう勝ち目は無い。
“愛”や“感情”を知らずに殺し屋として作り上げられたビンカム。それを知って絶命する最期は哀しい。
ビンカムは、ルパンが見つけた“施設”で人為的に作られた殺し屋。
“殺し屋工場”とでも言うべきか。
何もビンカム一人だけじゃない。ルパンたちは以前にも、この工場の殺し屋たちに命を狙われていた。
それに関わるコドフリー。
問い詰め、口を割らせようとした時、コドフリーは射殺される。
撃ったのは、あいつ! 口封じか…?
射殺の寸前、コドフリーが口にした“あのお方”。
全ては、“あのお方”の陰謀。
“あのお方”とは…?
あのキャラしか思い付かなかった。自らを“神”と称し、後にルパンたちと対する天才科学者…。
その作品へと繋がる更なる続編も見たかった! これで本シリーズは終了なのが残念!
独りでいるジーンの元に、信じられぬ訪問者が…!
不二子が付いていた“嘘”。
それはどんなに嫌われ、罵られ、信頼されなくてもいい。
不二子なりの“嘘”という名の優しさと愛…。
約束通り守り抜いた。
口では嘘を付いたかもしれないが、心は嘘を付いていなかった。
戦い終え、月夜の荒野で肩を並べてしっとりと語り合う不二子とルパン。
何処か悲しく、切なく、しかしロマンチズム溢れる。
これから幾度となく、騙し、裏切り、手を組み、愛を語り合う事になっていこうとは。
だけど、今はただこうしてーーー。
“ルパン三世1.5”とでも言うべきスピンオフシリーズ。
いや、ただのスピンオフではなかった。
各キャラの魅力、知られざる一面、新たな活躍、脅威的な敵と充実した内容…。
ムラが激しいTVSPなんかより、寧ろ遥かに、『ルパン三世』であった!