ヤマトよ永遠に

劇場公開日:

解説

二二〇二年、重核子爆弾を用い地球征服をもくるむ暗黒星団帝国のスカルダートと、地球防衛のために迎え撃つ古代進をはじめとするヤマトの乗組員の戦いを描いたシリーズ三作目だが、続篇ということではなく、新しい構想で作られた。原作は松本零士と西崎義展、脚本は「二百三高地」を監督した舛田利雄、「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士」の山本英明と同作の藤川桂介の共同執筆、総設定、監督に松本零士、監督は舛田利雄、撮影は片山幸男がそれぞれ担当。上映に際し後半よりビスタ・モノラルからシネスコ・ステレオに切り替わる”ワープディメンション方式”を採用している。

1980年製作/145分/日本
配給:東映
劇場公開日:1980年8月2日

あらすじ

西暦二二〇二年のある日、豆粒のような光の点が、もの凄いスピードで地球に迫っていた。謎の光は、巨大なミサイル状の物体で、やがて地球に軟着陸。さらに、黒色艦体が押し寄せ、地球防衛軍は劣勢に追い込まれる。その頃、故沖田艦長の記念像の下で、古代、森雪をはじめ、島、相原、徳川、佐渡、アナライザーなど旧ヤマトの乗組員が集まっていた。そして、惑星イカルスの真田と連絡をとり、そこにヤマトのあることを知る。イカルスへ飛ぶため、高速連絡艇のある秘密ターミナルに向かう乗組員。敵兵が迫る。最後を走る雪の背に敵の銃弾が命中。押し寄せる敵に、一行は、傷ついた雪を残し、イカルスに出発する。イカルスでは真田、山崎、山南新艦長、そして、雪にうりふたつの真田の姪、澪が待っていた。そして、あの謎のミサイルは重核子爆弾といい、爆発すれば一瞬のうちに人類の脳細砲が破壊されることをつきとめる。ヤマトは起爆装置のある四十万光年のかなたの暗黒星団帝国に向けて発進。一方地球では、傷ついた雪に、黒色艦隊将校アルフォンは「私の愛を受け入れれば爆弾の解体方法を教えよう」と迫る。その頃、ヤマトの船内で、古代は、澪が真田の姪ではなく、スターシャと守との間に生まれたサーシャであり、イスカンダル人の血により、一年で十七歳に成長したことを知る。ヤマトは立ち塞がる暗黒星雲と浮遊要塞を突破する。ところが、雲の向こうから現れたのは、何と地球だった。何故地球が? 動揺する乗組員たち。その地球のような星から女が現れ、ヤマトの一同を案内する。恐る恐る追いていく一行は、大広間に通された。そこには、ゴッホ、ピカソをはじめ数々の美術品が。そして、聖総統スカルダートが現れ、「ここは二百年後の地球だ。破壊すればお前達の未来はない。このまま、ここにとどまれ」と説明する。愕然とするヤマト一同。信じられない。しかし、古代たちは総統の説得をフリきってヤマトに戻る。だが、サーシャはそこへ残ると主張。裏切られた気持のヤマト一行。そして、大助が、ロダンの“考える人”の腕が逆なのに気づき、その地球が偽物と見破った。その時、敵の巨弾が迫り、ヤマトも反撃。ヤマトから発っせられた光の束は巨弾に命中。ところがその大爆発のショックで、敵の母星も誘爆。「あの星にはサーシャが」茫然と見つめる古代。猛火が鎮まると、中から巨大なパイプの突き出たメカニックな球体が出現。そのとき、ヤマトのスクリーンにサーシャが現れ、「この星は内部に敵の本部があり、外から攻めてもダメ、南極のハッチを開くから、そこから突入して、中心部に破動砲を打ち込んで。総統が重核子爆弾のスイッチをいつ入れるかわかりません。そして北極のハッチから逃げて」と言うと姿を消した。古代たちは、サーシャが全てを知っていて、敵のもとに残ったことを悟る。再び、スクリーンにサーシャが。銃をかまえ、向かい合うサーシャと総統。倒れる二人。這いながら必死にスイッチに向かう総統。涙をためて、破動砲を射つ古代。大爆発。ヤマトは危ういところで北極ハッチから脱出。そこへ、雪がパルチザンとともにアルフォンを倒したと地球から通信が入った。雪を愛してしまったアルフォンの教え通り、自動起爆装置をはずす雪。これで全てが終った。スクリーンを通して、古代と雪の顔に笑みがこぽれている。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2

(C)東北新社

映画レビュー

1.5物語の根っこが脆弱な子供騙し作品

2025年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

Amazonprimeで視聴。
大人になった今見ると、本当にご都合主義な物語と設定・・・・
マジンガーZなどのエンタメに振り切ったスーパーロボット作品のアンチテーゼとして始まった「ヤマトシリーズ」。そのヤマトに対抗心を燃やして出来た「ガンダム」(リアルロボット作品)
本作はちょうどガンダムがテレビ放送時終了後に公開されたという時系列。

映像技術が進化している。戦闘シーンは色々な演出やカット割りやカメラワークが取り入れられている。

「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」もそうだったが、それよりも更に物語と設定が今見るとガバガバで冷めるんだよなぁ。。。。

・いきなり地球占領されて、征服をするなら重核子爆弾を発動させればいいじゃん。
・ヤマトが動き出したのをキャッチしたら「地球側の抵抗・反乱」と見なして発動させればいいじゃん。「爆弾=地球が人質」の意味をなしていないんだよ・・・・
・暗黒星団帝国がどこに有るかわからないのに、なぜ真っ直ぐ目指せる・・・・(説明がどこにもなかった)
・混血とはいえ、ご都合良すぎるサーシャの成長・・・・
・サーシャが姪と告白するシーンはどこ???宇宙空間だよね?????????物語の時系列で言うと1歳だぜ????SFだから、宇宙人との混血だから急成長は良しとしても一歳だぜ??1歳の色恋・・・気持悪っ!! しかも死んじゃうというか演出上スタッフの脚本に殺されちゃうという表現が適切な死に方。(スパイ活動をしても敵のセキュリティーがガバガバというか、スカスカでやりたい放題・・・)
・唐突過ぎる守兄さんの死に方・・・・思わずビックリして声を出してしまった・・・
・雪さん、あの高さから落下してノーダメージって・・・・古代と離ればなれになるにしても、スマートで観客が納得のいく方法、演出があるだろうに。
・真田さんの知識量はどうなってるの????未知の世界なのに、何故わかる??
・ヤマトクルー行き当たりばったりすぎるんよ。。。。
・敵の攻撃中に「考える人の手が逆なんですよ!!」と会話をする余裕・・・・まぁ、偽情報だったということのやり取りで許すとしても、島大介は操縦席から離れちゃいかんだろ?古代も敵ミサイル迎撃しなくては駄目だろう・・・・
・40万光年先から起動できるスイッチって。。。。。どんな超技術だよ。。。。いや、地球も通信出来てるし⁉️ めちゃくちゃだよ。。。

大人になって思うのだが、プロデューサー西崎氏のキャラクターが大いに反映されているというか、個人的に感じ取ってしまうんだよね。まさに昭和の山師の作品。

それ故にざっくりした物語(と設定)で根っこが脆弱だから「アニメ史としての資料的な面白さ」はあっても、大人になった今は楽しい、カッコイイとは思えない。「こういうシーンカッコイイだろう!」というアイデア先行でそこから肉付けしているような印象。それと、お金があったんだろうね。アニメーターのレベルは高いので、それ故に全体像がとてもイビツに感じてしまう。歌手も豪華ですよ。岩崎宏美も布施明も歌唱力が超一流なので、歌だけならお涙頂戴のクオリティーなのに、むしろ別の物悲しさを感じる・・・・歌手の方々の責任は一切なく、演出の罪です。

マジンガーZなどはエンタメに振り切っているから、荒唐無稽な設定でも「楽しさ、格好良さ優先」で今見ても楽しい。
ガンダムは企画段階で設定が練り込まれ、富野監督が「物語」に重きをおいているので根がしっかりしていて、何度見返してもカッコイイし、自分が歳を重ねると新しい発見がある。そして、根がしっかりしているから、続編ができても揺るがない(ユニコーンガンダムなど本当に名作)

ヤマトはシリーズ全般にスーパーとリアルの橋渡し的な存在なのだと、改めて感じる作品です。一度見れば十分。

今、令和でこの作品を再構築しているので、そちらを見てみようと思います。(2199からの新シリーズは整合性を考慮してくれているので、楽しいし、カッコイイと思います)

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ヤナコ

2.5劇場で見た最後のヤマト

2024年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

初回公開時、ここまではつきあった。「完結編」以降は、DVDで鑑賞。3199を見る前にと、再鑑賞したんですが・・・、印象はあまり覆りませんでした。作監変わってるし、音楽も「やっつけ」感が漂っているし。ことに、女性キャラの自己犠牲っぷりがいただけない。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
しょうじ

3.5ツッコミ所は多々

2024年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
背中にエンジン

1.0商業主義に嫌気がさした頃

2024年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

当時、大した話題にもならなかった「世界初ワープディメンション上映」という隠し玉を謳って、派手にぶち上げてくれました。

『さらば宇宙戦艦ヤマト』で、見事に物語を終えた後だけに、どうしてこんな簡単にキャラクターたちが復活してしまうのか、腹の底から怒ったのを覚えています。そしてプロデューサーのことが大嫌いになったものです。私も若かった。

この後さらに続編が製作されますが、見に行く気にもなれなかったので、私にとってこれが最後の『ヤマト』になりました。

この時にはもう『ガンダム』が生まれていて、『ヤマト』の価値観がなんとも古臭く感じたものです。やがてガンダムですら、粗悪な続編が製作され続けることになるのですが。

2017.12.24

コメントする (0件)
共感した! 0件)
うそつきかもめ

「宇宙戦艦ヤマト」シリーズ関連作品