種田陽平
日本映画美術を代表する美術監督の一人。「スワロウテイル」(96)、「不夜城」(98)、「THE 有頂天ホテル」(05)、「フラガール」(06)、「ザ・マジックアワー」 (08)、「悪人」(10)などで日本アカデミー賞優秀美術賞、「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」(09)で同最優秀美術賞を受賞。その独特なセンスは鬼才クエンティン・タランティーノ監督の支持を得て、「キル・ビル」(03)に参加。これらの功績により10年に芸術選奨文部科学大臣賞、11年には紫綬褒章を受けた。以降、チャン・イーモウ監督の「金陵十三叙」(11・日本劇場未公開)、俳優キアヌ・リーブスの初監督作品「太極侠」(12・日本劇場未公開)など海外作品に参加。日本映画の公開待機作としては、三谷幸喜監督の「清須会議」(13) がある。スー・チャオピン監督作「シルク」(06・日本劇場未公開)やウェイ・ダーション監督の「セデック・バレ」2部作(11)といった台湾映画でも美術を手がけ、後者では30年代の台湾の日本人街霧社と先住民族セデック族のマヘボ村を構築し、ドラマを支える世界観をつくり出した。