ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ
劇場公開日:2009年10月10日
解説
太宰治の小説「ヴィヨンの妻」を、「雪に願うこと」の根岸吉太郎監督が映画化し、第33回モントリオール世界映画祭で監督賞を受賞した人間ドラマ。人気作家として世間から注目されるも、生きることに苦しみ酒や女に溺れる大谷と、そんな彼が酒代を踏み倒した小料理屋で働き、放蕩を続ける夫を愛し続ける妻・佐知の姿を描く。主演は松たか子、浅野忠信。共演に広末涼子、妻夫木聡、堤真一ら豪華キャストが揃う。
2009年製作/114分/PG12/日本
配給:東宝
スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る

- ×

※無料トライアル登録で、映画チケットを1枚発行できる1,500ポイントをプレゼント。
2021年11月28日
iPhoneアプリから投稿
太宰治だけでなく純文学と言われているものの大半は自伝的要素は多い。
とは言え 実際の津島夫婦は略歴から見ればこの作品のようには見えない。(太宰治が自殺未遂を繰り返したのち実際に自殺し、女に関しては不道徳こそ心情といった風ではあるが)
なのでこの映画の(原作とも離れて)、二人について話したい。
夫はたぶん、さち が万引きしたのを救った時点で一目惚れにちかい熱狂的恋情を感じた。
そして彼女と迷う事なく結婚した。
彼女が、外に出せば男たちを惹きつけてやまない女である事は知っていた。
そして彼女を貧しさの中に閉じ込めた。
自分が彼女を何者にも替え難いほどに心底思う事だけが愛情だと、自分勝手に判断し彼女の心情など存在しない玩具のようなものとしか思えない人間であったから。
そうしてその持て余した愛情や感情を他の女にも向けるのだ。
自分の中にある確固たる愛があれば何をしても(彼の中では)問題などないとしていたのが 居酒屋で働き始めた途端に(しかも原因は彼自身である)、それが激しい嫉妬となる。
だがその嫉妬心は彼の内側に向けられる。
自分が閉じ込めた籠から解き放たれた妻が、それでも自分に向ける愛情に変わりないと、そんな事すら彼にはどうでもよく、妻に向ける他の男の視線や感情に執拗に嫉妬する。
挙句、自分の愚かさ(実は先刻わかっていたもの) に向き合うとそれはもう結論的に死にたくなるのだ。
そういった感情の流れを
とどめることなく流れるように描写している作品だった。
2021年8月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
純文学の世界観ってやつか・・・(?)
松たか子美しい。
ダメ男に惹かれるカンジ、分からなくもないが・・・
いや、捨ててしまえ!!
2021年7月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
浅野の不可解なパワーはいいけど、作家は似合わない。もっと優しさもかもしたてられる人の方がいい。
広末はこういう役は絶品だ。でもそもそも病気なんだろうか。よく考えると不自然だけど、ただただ怪しく、男に従属してるのもすごい。薬を飲むシーン(とてもセクシー)、松とスレ違うシーンがよかった。
松もいい。盗みの場面できっぱりと自分の生き様を主張する強さと、無意識に男に寄り添ってしまう、矛盾のある役どころをうまく演じている。
主人公のピュアな感じはいい。
松は、大豆田といい、ダメンズホイホイの役がはまり役か。ダメンズにはピュアな一面があり、そこが松を動かすのか。堤真一とかも、最低の役で(このいやらしさ加減がすごくうまかった)、まだ太宰の方がまし。それにしても、こんな話は太宰の中にあったっけ。
根岸の描く世界は正直もう古い。過去の男のエゴについてはうまく描いていると言うべきか。
肺病の飲んだくれのわりに、筋肉質で白目が白いすっとした浅野忠信。
疲れ果ててやつれているはずが、いきいきとしてぽっちゃり元気はつらつの松たか子。
悲惨な人生のはすが、まるで朝ドラのようなすがすがしさ。
しかしながら、二人の名演技には目を見張らせられました。
脇役の堤真一と妻夫木聡も良かった。