劇場公開日 2009年10月10日

「浅野の不可解なパワーはいいけど、作家は似合わない。もっと優しさもか...」ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ えみりさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0浅野の不可解なパワーはいいけど、作家は似合わない。もっと優しさもか...

2021年7月6日
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鑑賞方法:VOD

浅野の不可解なパワーはいいけど、作家は似合わない。もっと優しさもかもしたてられる人の方がいい。
広末はこういう役は絶品だ。でもそもそも病気なんだろうか。よく考えると不自然だけど、ただただ怪しく、男に従属してるのもすごい。薬を飲むシーン(とてもセクシー)、松とスレ違うシーンがよかった。
松もいい。盗みの場面できっぱりと自分の生き様を主張する強さと、無意識に男に寄り添ってしまう、矛盾のある役どころをうまく演じている。
主人公のピュアな感じはいい。
松は、大豆田といい、ダメンズホイホイの役がはまり役か。ダメンズにはピュアな一面があり、そこが松を動かすのか。堤真一とかも、最低の役で(このいやらしさ加減がすごくうまかった)、まだ太宰の方がまし。それにしても、こんな話は太宰の中にあったっけ。
根岸の描く世界は正直もう古い。過去の男のエゴについてはうまく描いていると言うべきか。

えみり