【世界の映画館】パチンコ店跡地に誕生! 独自に上映作品の調達も行う新しいスタイルのミニシアター「Stranger(ストレンジャー)」
2022年10月13日 13:00
東京・墨田区菊川のStranger(49席)は、2022年9月16日にオープンしたばかりのカフェ併設型の真新しい映画館で、東京城東地区唯一のミニシアターです。一風変わった館名は、クリント・イーストウッドの「荒野のストレンジャー」やジム・ジャームッシュの「ストレンジャー・ザン・パラダイス」などにインスパイアされたもので、オーナーでチーフ・ディレクターの岡村忠征氏が、「映画業界のストレンジャー」を自認する意味合いも含まれているという。
岡村氏は、映画美学校で学んだ後、映画館や配給会社でのアルバイト、黒沢清監督作品などの撮影現場の制作スタッフなどを経て独立し、デザイン事務所を経営していたが、コロナ禍によって仕事の選択と集中を模索していた2021年11月にたまたま訪れた試写室で刺激を受け、「こういったサイズ感の映画館であれば、自分でも作れるのでは」と思い立ったのが、映画館開業のきっかけとなった。
肝心の物件探しは今年の3月から始めたそうだが、映画館を建ててもよい地域や、横幅4メートルのスクリーン、ならびに換気・空調システムを設置するための天井高、そして法律で定められた通路幅(1.2メートル以上の2方向通路)などの条件を奇跡的にクリアしていたのが、菊川で70年続いたパチンコ店「菊川会館」の跡地だった。5月に同物件を紹介され、6月には契約を済ませ工事に着工、という目まぐるしいスピード感で9月16日の開業を迎えた。
なお、Strangerは本格的なエスプレッソマシーンを導入しており、カフェ単体としての利用も可能。コーヒー豆は群馬県前橋市のスペシャルティコーヒー焙煎所兼スタンド「敷島焙煎所」に考案してもらったオリジナルブレンドを使用。また、フードメニューも、ベトナムのローカルスイーツ“チェー”を提供する学芸大学の「チェー バーバーバー」に開発してもらっており、あらゆるところにスタッフのこだわりを感じる映画館だ。
また、既に上映期間は終了してしまったが、Strangerのこけらおとしとなったのは、岡村氏の思い入れが深いというジャン=リュック・ゴダール作品で、日本での上映権が切れていた「勝手に逃げろ 人生」「パッション」「ゴダールのマリア」「右側に気をつけろ」「JLG 自画像」「フォーエヴァー・モーツアルト」の6作品。代理店を通じてフランスのゴーモン社に打診したところ、同社の快諾を得て、3週間の上映のためだけに権利を購入した。
このようにStrangerでは配信や他の映画館では見られない作品を独自調達しており、その一部資金を7月からクラウドファンディングで募っていたが、9月末で当初の目標金額500万円を大幅に上回る約970万円の出資金を集め、同館に寄せる映画ファンの期待を感じさせる結果となった。現在は独自調達企画の第2弾としてブランドン・クローネンバーグの「アンチヴァイラル」を上映中。第3弾は、70年代アメリカン・インディーズを代表するレアな作品を11月上旬に。第4弾は、クリント・イーストウッドとのコンビで「ダーティハリー」など数多くのヒット作を世に出したドン・シーゲルの特集が来年1月から予定されている。
東京の東エリアにできた意欲的な取り組みを行う新しい映画館に、あなたもぜひ訪れてみませんか?
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