ボディ・スナッチャー/恐怖の街


解説
カリフォルニア州の小さな町。医師マイルスの周辺で異変が。人々は肉親が別人になってしまったと訴え始める。やがて明らかになる驚愕の事実。マイルスは、巨大な豆のサヤの中で人間が複製され、それが本物と入れ替わっていたことを知る! 未知の生命体による侵略の恐怖を描く。78年、そして93年にもリメイクされた。
1956年製作/80分/アメリカ
原題:Invasion of the Body Snatchers
カリフォルニア州の小さな町。医師マイルスの周辺で異変が。人々は肉親が別人になってしまったと訴え始める。やがて明らかになる驚愕の事実。マイルスは、巨大な豆のサヤの中で人間が複製され、それが本物と入れ替わっていたことを知る! 未知の生命体による侵略の恐怖を描く。78年、そして93年にもリメイクされた。
1956年製作/80分/アメリカ
原題:Invasion of the Body Snatchers
【世界の映画館】パチンコ店跡地に誕生! 独自に上映作品の調達も行う新しいスタイルのミニシアター「Stranger(ストレンジャー)」
2022年10月13日清水崇×平山夢明、ジョーダン・ピール「アス」を読み解く
2019年8月30日トランプ当選で「ゲット・アウト」のラストが変更された!町山智浩が製作背景を紹介
2017年10月31日スティーブン・キング、デル・トロら、ホラーマスターが選ぶ「ホラー映画ベスト100」
2016年8月31日科学者や作家、映画監督が選んだ「SF映画ベスト100」
2014年8月3日アルモドバル監督、新作で「ボディ・スナッチャー」風SF映画に挑戦?
2012年11月24日ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!より話はしっかりしている。
街が汚染されるっていうのは似ているけど、
正直オマージュ作品かな?なんて思う。
作品の発想は奇抜なので、かなり当時は斬新だったと思う。
病院に搬送された男が語る恐怖の出来事…。
カリフォルニアの小さな町で開業医を営むマイルズは、奇妙な噂を聞く。一部の住民が、肉親や知人が“偽物”であると…。
最初は信じていなかったマイルズだが、やがて戦慄の真実を目の当たりにする。
町や住民は侵略されていた…!
侵略SFの古典で、後に3度も映画化されるオリジナル。1956年の作品。
どうしてこうも何度も何度も映画化される…?
やはりそれは設定の秀逸さにある。
当時の侵略SFと言ったら、異星人がUFOで攻めてくるワンパターン。
そんな中で、異星人が人知れず住民の身体を乗っ取り、いつの間にか周りはもう…。
本当に異星人が侵略して来たら、こうなのかもしれない。
この“身近な侵略”は、後世の他の侵略SFや日本作品でも『ウルトラセブン』や黒沢清監督『散歩する侵略者』の原点として多大な影響を与えている。
50年代SFあるあるの退屈な恋愛要素混じりの人間ドラマやチープさも感じられる。
特撮を駆使した派手な見せ場も特に無い。
が、じわじわ煽る恐怖演出はなかなか。B級チックな特撮SFとは一味違う。
今改めて思うと、監督がアクション派のドン・シーゲルというのも意外だが、さすがの職人手腕を発揮。
謎、不審、“偽物”の身体と遭遇、不気味なサヤ…。
侵略者からの追撃。
マイルズは恋人と町を脱出しようとするが、まさかの展開に…!
「次は君だ!」「次は君だ!」
本来は理性を失ったマイルズが警告するシーンで終わる予定だったが、暗すぎるとの理由で今の形に。
当初のラストも今のラストもインパクトは充分。
身近な侵略はもう始まっている…かもしれない。
先に1993年のリメイク版やニコール・キッドマン主演の『インベージョン』(2007)を見ていたために既視感たっぷり。また、最近ではジョーダン・ピール監督の『アス』も似たような設定のため、アメリカ人は何でこうも侵略される作品が好きなのかと、ちょっと引いた目線で見てしまいました。
しかし、さすがドン・シーゲル監督!1956年作品だというのに、主人公たちの恐怖感を見事に描いていました。最初は主人公のマイルス・ベネル医師が他の町の病院へ逃げ込んできたシーンから始まり、彼の経験した異常な3日間を供述していくといった流れです。
悩み事を抱えた患者が留守中に溢れかえってた事実を聞かされたマイルス。また、患者のジミー少年は母親が別人だと訴え、ウィルマは叔父・叔母が別人だと訴え、その他の患者は水が引いたように静まり返った事実。そして友人のジャックからは「家に自分そっくりの死体がある」と相談を受けるのだ。
やがて、宇宙からやってきた何かが植物のサヤを置いていき、それが本人そっくりに育ち、記憶や知識を本人から吸収するという驚愕の事実が判明する。眠ってる間に本人にすり替わる恐怖。マイルスと元恋人のベッキーは旧交を温め、再び愛を交わそうとしていた矢先の出来事。彼ら二人は眠らないよう薬を飲み、町から脱出しようとするのだが・・・
死体というより不完全な肉体を表現する手法で、指紋も無いという不気味さ。さらに自分そっくりの肉体を見つけたときの恐怖。乗っ取られた後は殺されるのかどうか、これは描かれなかったけど、生きてはいまい。悩みも葛藤もなければ愛もないという宇宙植物の未来は耐えられないのだ。
ジャック・フィニーの原作「盗まれた街」は数多く作られていて、多くの評論があるみたいですが、当時はソ連の共産主義がアメリカの国民に忍び寄ってくる恐怖を描いたと思われていた。しかし、マッカーシー(主演俳優と同じ姓であることは皮肉か?)の赤狩り政策により、実は人がそうした自由に考えることが奪われていくことの恐怖。アメリカ政府による国民の洗脳という恐怖を表していたという解釈が一般的のようです。
とにかく、ドン・シーゲル監督による恐怖演出や細かなテクニックが冴えてます。特に印象に残るシーンは逃亡中、車を隠すために中古車センターに置いて値札をサッと差し込んだところ。眠らない日の朝には無精髭を生やしている点だとか、細かすぎます!また、ヒロインのベッキー(ダナ・ウィンター)がセクシーすぎる。久しぶりに会って恋が再燃するのも納得です。
宇宙からやってきたサヤが人間の姿、形を乗っ取り、その人間が眠っている間に心と記憶を吸い取る。眼が覚めると悩みがなくなるらしい。ちょっと羨ましいではないか(笑)
ただ、悩みと同時に個性も消え失せ、人を愛する気持ちもなくなる。
宇宙人は語る「君らも知ってのとおり永遠の愛などない」「愛、欲望、野心、信念などない方がシンプルに生きられる」…深い!ちょっとそう思ってしまうじゃないの(笑)
抗う主人公、ヒロインへチューの嵐。それが少々うざったい。
内容は私の大好きなxfileのようで面白い。でもやはりxfileの勝ちだな。だってモルダーはスカリーにチュー攻撃しないからね、その分爽やか。
ドン・シーゲル監督、いろんな作品を撮ってるんですね。大好きな監督さんです。
Powered by
SF/ボディ・スナッチャー -HDリマスター版-[Blu-ray/ブルーレイ]
発売日:2018年3月2日最安価格: ¥4,329
ボディ・スナッチャーズ[DVD]
発売日:2013年9月4日最安価格: ¥1,152
ボディ・スナッチャー/恐怖の街[DVD]
発売日:2016年6月24日最安価格: ¥1,439