仏映画サイトユーザーが選ぶ、ジブリ作品ランキング
2020年5月5日 11:00
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[映画.com ニュース] 今年2月から、日本、アメリカ、カナダを除く世界約190の国と地域のNetflixでスタジオジブリ作品が視聴可能となった。世界各国で子どもから大人までを魅了するジブリ作品に対して、このほどフランスの最大手映画情報サイトallocineが、ユーザーによる人気作品ランキングを発表した。ランキングは、4月9日午後6時(現地時間)までに、0~5でなされた評価の平均値と評価人数で算出。ランキングと、各作品へのコメントを引用して紹介する。
仏版タイトルは「LE VOYAGE DE CHIHIRO」(千尋の旅)。「千尋は日本の伝統的価値観を中心とした『不思議の国のアリス』のような“イニシエーションの旅”に乗り出す。子どものキャラクター設定が巧妙で、千尋が感じるノスタルジーは、むしろ描き方としては新しい。視覚的にも壮大で、第75回アカデミー賞長編アニメーション映画賞と第52回ベルリン映画祭金熊賞を受賞したこの作品は、子どもたちにとって良い価値観を守り、かつ現代社会を批判しています。宮崎駿監督の才能に触れる最初の作品として最適です」
「もののけ姫は、神話や伝説を通して、平和、人災から環境を守ることを提唱する力強い哲学的な寓話です。久石譲の音楽が、強く感動的なヒロインを称えるこの壮大なフレスコ画を昇華させている」
「高畑勲監督の最も完成度が高く感動的な本作は、大人の繊細な傑作であり、人は無傷ではいられない。この映画は、より成熟した観客のおかげで、長編アニメをカルト映画のような特別な地位に押し上げた」
「『かぐや姫の物語』は、『ホーホケキョ となりの山田くん』の形式を受け継ぎ、スケッチのように不規則な鉛筆の線と水彩色で描かれている。高畑勲監督は完璧な表現ではなく、記憶の呼び起こしを追求している。驚くほどの精巧さと繊細さを持つこの形式から、深い哀愁が浮かび上がってくる。高畑監督の究極の傑作」
あらすじのほか、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作のファンタジー小説について、当初は細田守監督が手掛ける予定だったと解説されている。
「ジョナサン・スウィフトの『ガリバー旅行記』からインスピレーションを得た作品。宮崎監督が旅した、英国ウェールズ地方の風景が取り入れられている。当時の鉱山労働者によるストライキから、この映画の主人公2人の勇気と連帯を想像するようになったという。彼のフィルモグラフィーによく見られるように、宮崎監督の人格的特徴が映像詩の背後に表れている」
「誰にでも親しみやすく、詩的で、繊細で、幻想的な作品です。遊び心のあるカラフルな冒険を発見できます」
「宮崎駿は、理想主義的で情熱的なヒロインと、この崇高な生態学的寓話を私たちに与えてくれました。そして久石譲の豪華な音楽によって昇華された、美しさと灼熱の闇を併せ持つ作品です」
「2014年にジブリ単独で構想された最後の長編作品で、前作『借りぐらしのアリエッティ』を成功に導いたノスタルジーに満ちています」
「当時、宮崎駿の後継者として期待されていた近藤喜文が生前に製作した唯一の監督作品」
「ファシズムの脅威にさらされた1920年代のイタリアを舞台にしながらも、当時本格化していたユーゴスラビア戦争からインスピレーションを得て、宮崎駿の原作漫画からさらなる暗さが加わっている」
「2008年のベネチア国際映画祭で上映。宮崎監督は5年間をかけて小さなヒーローである主人公の宗介のキャラクターを作り上げた」
「2013年の第70回ベネチア国際映画祭の公式コンペティションで発表された。ジブリ作品の中でも最も不穏な雰囲気を漂わせる作品であり、少なくともこの監督の最も個人的な作品であることは間違いない。ロマンティックなメランコリーの息吹が強く漂うこの映画は、戦争に向けて進む国のために利用される男の人生についての痛ましい内省的な作品でもある」
「作曲家セシル・コルベルのケルト調の素晴らしいスコアに乗せた米林宏昌の初監督作品。魅力的な音楽、緻密なセット、そして、その音の雰囲気に没入できる旅のような物語」
「2016年のカンヌ国際映画祭ある視点部門で特別賞を受賞。本作は、高畑勲監督がアーティスティックプロデューサーを務め、オランダのマイケル・デュドク・ドゥ・ビットが監督を務めた日仏合作映画である。共同脚本家パスカル・フェランの助けを借り、ローラン・ペレズ・デル・マールが作曲したサウンドトラックに癒されながら、自然音、音楽、人の声をミックスしたセリフのないアニメーション映画を制作した」
仏版タイトルは「KIKI, LA PETITE SORCIERE」(小さな魔女、キキ)。「創意工夫に満ちたこの小さな傑作の中で、最も驚異的で詩的なものは、平凡な日常生活である。このヒロインの探求を通して、宮崎駿は私たちを彼女の壮大な世界へと連れて行ってくれます。彼の最も美しい業績の一つ」
「本作の製作は、2011年3月11日に日本を襲った津波の影響で数日間の作業が中断され、停電が頻発したため、編集の最終調整のために夜間の作業を余儀なくされた。長く大変な過程を経たが、11年の日本での興行成績で3位にランクインしたことで実を結んだ」
「ジブリ作品の中でも最も普遍的な作品の一つ。そのシンプルで繊細で人間味あふれるストーリーにより、あらゆる世代の人々の心を掴んでいる」
「アヌシー国際アニメーション映画祭でグランプリを獲得。滑らかな画、愛らしい生き物、迷える人間たち、環境破壊や都市主義への批判など、ジブリ長編映画の要素がすべて凝縮された作品」
「『耳をすませば』の続編で、柊あおい氏の漫画が原作。宮崎駿が企画の発案と脚本の監修を行い、森田宏幸の初の長編監督作となった」
「鈴木敏夫プロデューサーのアイデアで映画化。高畑勲は水彩画の美学を守りたいと考え、その独創性とメランコリックなトーンのため、公開時には成功しなかったが、その後再評価され、高畑の代表作の一つになった」
「宮崎駿の息子である宮崎吾朗の初監督作。ジブリ映画の純粋なファンからしばしば批判されている。物語の構成は粗いが刺激的でダークな雰囲気を持つ逸品」
「氷室冴子氏の小説が原作、望月智充監督によるTV放送向けのロマンティックなアニメ。繊細で素朴でメランコリックな愛が描かれている」
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