風の谷のナウシカ

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劇場公開日:

風の谷のナウシカ

解説

アニメ誌「アニメージュ」に連載されていた宮崎駿の同名漫画を、宮崎自身が監督・脚本を務めてアニメ映画化した冒険ファンタジー。

「火の七日間」と呼ばれる大戦争で高度な文明社会が滅んでから1000年後。人類は巨大な蟲(むし)たちや毒を放出する菌類に覆われた「腐海」に脅かされながら生きていた。そんな世界の片隅にある小国「風の国」に、少女ナウシカが暮らしていた。族長の娘である彼女は、「メーヴェ」と呼ばれる乗り物にのって空を駆け、人々が恐れる巨大な王蟲(オーム)とも心を通わせる不思議な力をもっていた。その優しさで風の谷の人々に慕われ、平和な日々を過ごしていたナウシカだったが、やがてトルメキアと土鬼(ドルク)という大国同士の争いに巻き込まれていく。

宮崎監督の「ルパン三世 カリオストロの城」でヒロインのクラリス役を務めた島本須美がナウシカの声を担当。宮崎監督とさまざまな作品でタッグを組んできた高畑勲がプロデューサーを務めた。制作は、宮崎・高畑と同じ東映動画出身で後にスタジオジブリにも参加する原徹が設立したアニメーションスタジオのトップクラフト。本作の成功によって宮崎監督の次作「天空の城のラピュタ」の制作とスタジオジブリの設立へとつながっていった一作。宮崎監督が手がけたアニメ「名探偵ホームズ 青い紅玉(ルビー)の巻/海底の財宝の巻」が同時上映された。

1984年製作/116分/日本
配給:東映
劇場公開日:1984年3月11日

スタッフ・キャスト

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(C)1984 Studio Ghibli・H

映画レビュー

5.0宮崎駿監督のターニングポイントとなった伝説的な作品! (評価は庵野秀明監督らのオーディオコメンタリーも込みで)

2020年4月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これまで何度か見た作品ではありましたが、初めてDVDのオーディオコメンタリーも含めて見てみました。
物語りの設定は、産業文明が崩壊した1000年後で、(腐海の中では)大気中に毒があり、登場人物らはマスクをしていたりもするので、ちょうど今の時代と共通点もありそうです。
本作は宮崎駿監督が自分の名前だけで自立した初めての映画で、スタジオジブリの初作品とされています(厳密には、「風の谷のナウシカ」だけはジブリ前身のトップクラフトですが)。
当時は財政的にも厳しかったようで、宮崎駿監督が脚本や絵コンテ、レイアウトだけでなく、原画、さらには、動画さえも直して描いたりしていたようです。
オープニングとエンディングはさっぱりしていて、オープニングで原画スタッフまで出す映画は、私の記憶ではこれが初めてかもしれません。(それくらいスタッフが少なかった、とも言えると思います)
見どころとしては、「エヴァンゲリオン」で有名な庵野秀明監督が、駆け出しの時にラスト近くの巨神兵のシーンを描いているところと、金田伊功という「現在の多くのアニメーション作品のアクションシーンに多大な影響を与えたアニメーター」が描いたシーンでしょうか。
アニメーションの効果的な動きで重要なものに「パース」(遠近法を使った画面構成)というものがあって、この「パース」を使うことで、キャラクターなどに、より迫力のある動きをさせることができます。宮崎アニメでは、「天空の城ラピュタ」、「となりのトトロ」、「魔女の宅急便」、「紅の豚」、「もののけ姫」に至るまで、金田伊功氏の原画が宮崎駿監督作品のクオリティーを大きく支えていた面もありました。
例えば「風の谷のナウシカ」では、アスベルの登場シーンが象徴的でしょうか。
アスベルは、いわゆる「ヒーロー」的な立ち位置ですが、最初の登場シーンは「殺人鬼」にしか見えません。これは、「パース」を使った作画手法に加えて、目を設定とは程遠いほど違うように見せている上手さがあります。このように味がありシャープでダイナミックな映像を当時から確立していて、原画スタッフではトップでクレジットされています。
さて、私の中で「風の谷のナウシカ」は、何か他の宮崎駿作品とは違う、とずっと思っていたのですが、今回、DVDのオーディオコメンタリーを合わせて見て初めて気付いたのは、ヒロインのナウシカは、庵野秀明監督曰く「宮崎駿監督のダークサイドを背負った人物像」なのだそうです。
確かにこれ以降の宮崎アニメのヒロインは、人を殺したりはしないですよね。
とは言え、自然との共生を目指し、優しく強い正義感を持っているのでナウシカの人気は非常に高いわけですね。
ラストシーンも当初は別のパターンだったりしたようですが、私はこの最終版で良かったと思います。
現代のアニメーション映画の最先端を担う「エヴァンゲリオン」等にも影響を与えたといえる本作は、宮崎駿監督のみならず「日本のアニメーション映画のターニングポイント」になった作品と言えるでしょう。

なお、オーディオコメンタリーでは、演出助手だった片山一良氏が進行する感じで庵野秀明監督が、ワンカットごとに素直に褒めたり、宮崎駿監督のことをけなしたりと、なかなか愛に溢れた面白い出来になっていました(笑)。
いずれにしても、CGが使えない時代で、ここまで手書きで勝負できるって凄いことだと思います!

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共感した! 20件)
細野真宏

4.0善悪、表裏

2024年3月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

人類を滅ぼすほどの腐海の拡大と毒性胞子、人類の戦争で汚された環境の再生をしていた。人工環境の拡大、一見、住みやすく便利だが、自然環境無しでは生きられない、自然との共存、ググるとアマゾンは南部から侵蝕され1/2ぐらいに、危ない。

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多様性男女平等自由主義

5.0慈しみの姫

2024年3月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

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共感した! 0件)
sankou

4.05点つけないのは、宮崎駿の原作の最終刊を反映していないから。

2024年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

楽しい

興奮

知的

虚無、ニヒリズムとの対決をしっかりと本気で描いてほしかったが、エンターテイメント、商業作品の限界であったのあろうか。あのナウシカと古代のgeneral artificial intelligence(GAI)的な存在との対決まで踏み込んでほしかったです。

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りょう(映画2000本は視聴)
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