かぐや姫の物語
劇場公開日:2013年11月23日
解説
高畑勲監督が「ホーホケキョとなりの山田くん」(1999)以来、約14年ぶりに手がけた監督作。日本最古の物語といわれる「竹取物語」を題材に、「罪を犯したために、この地に下ろされた」とされてるかぐや姫の犯した罪、そして、罰とは何かを描き出す。主人公のかぐや姫役の声優は、映画「神様のカルテ」やNHK連続テレビ小説「てっぱん」などに出演した新進女優の朝倉あき。2012年6月に他界した俳優の地井武男が、作画完成前に声を収録するプレスコ方式で生前に収録を済ませており、かぐや姫を見つけ育てる翁役として声優出演を果たした。宮崎駿監督作品で常連の久石譲が、高畑監督作で初めて音楽を担当。
2013年製作/137分/G/日本
配給:東宝
スタッフ・キャスト
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手描きでしか出せない繊細なニュアンスで描かれたアニメーションは、見ていて息が詰まるほどの凄みがあって、特に都にでるまでの描写は圧巻です。赤ん坊や小さな子どものほやほやとした感じが線1本で表現されていて、予告編にも使われた荒々しいタッチでかぐや姫が駆けるところなど、気持ちが伝わってくる“いい絵”のシーンがたくさんあります。
ひとりの女性の生涯を描いた物語も、いろいろな読み解き方ができます。例えば、最後にどんなことをしてもかぐや姫が月に連れていかれてしまうのは、人間は死から逃れることはできない、というふうにも読み取れるように思えました。
2023年1月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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原作者も不明であれば、脚本にもう少し融通をきかせてかえてもよかったかもしれない。
色々な要素が組み合わさった結果、かなりギャグとして面白い作品ではあった。
独特な古風なタッチはどちらかといえば嫌いではないが、静止画一枚でかぐや姫のガチ切れ顔を映すシーンとかは非常にシュールで面白くなってしまった。
名付けじじいが恍惚の表情を浮かべながら車輪と顔が重なるシーンもかなり笑った。
そして最後の観音様が陽気なドラゴンナイト風のエレクトリカルパレードを奏でながらやってくるシーンは雰囲気をぶち壊しすぎて爆笑。
あれで感動がかなり興醒めしてしまった。なんだかんだ魅せるところは魅せれていたので、及第点は達成している?かも。
あまりのすごさに息が詰まった。
高貴な人との結婚しか女性の「幸せ」の選択肢がなかった時代の女の子たちの悲しみが詰まっていた。脚本は高畑勲と坂口理子の共作。高畑勲のビジョンに驚く。10年早かったのでは。
あんなに慈しんだ子を、だんだんと交換する商品として扱ってしまう翁。かぐや姫の本当の望みと向き合うことはない。媼は同じ女性として理解して心を寄せる。
前半の翁とおうなの子どもと暮らす喜びの演出がほんとにいい!宴席を飛び出す怒りの描写、桜の下でくるくると廻る姿、捨丸と自由に飛び廻る流れなど、心情の演出も胸に迫る。
すばらしい時間もあったけれどもう、ここには居たくない、居場所もない。月に帰り、まためぐりめぐっていつか自由に生きられるといいね。
Disneyが王子様と結婚してめでたしめでたしの物語を紡いできた中で、結婚を拒み月へ帰る(伝承では悲恋の扱い)物語が語られてきたことと、それを大胆に解釈したことのすごさを思った。
かぐや姫はナウシカみたいでもあり、ナウシカになれなかった私たちの姿でもあった。
2022年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
絵的にどうなのかなと思ってたのですが、豊かな表情の表現にはびっくり。
映像は配色といい、動きといい、表現といい、すごかった。
時間をかけてこだわったわけだなぁと思った。