【第43回日本アカデミー賞】「新聞記者」が作品賞含む3冠!最多は「キングダム」4部門
2020年3月6日 23:21

[映画.com ニュース] 第43回日本アカデミー賞の授賞式が3月6日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、「新聞記者」(藤井道人監督)が作品賞、最優秀主演男優賞(松坂桃李)、最優秀主演女優賞(シム・ウンギョン)の3部門を制し、幕を閉じた。
この日は、新型コロナウイルスの影響で無観客状態での開催となった。異例尽くしの授賞式を席巻したのは、東京新聞記者・望月衣塑子氏の同名ベストセラーを原案に、若き新聞記者とエリート官僚の対峙と葛藤をオリジナルストーリーで描いた意欲作。作品賞の発表を受け、メガホンをとった藤井監督は「本当に、本当にうれしいしか言えないんですが、本当にたくさんのスタッフと力を合わせてこの映画を作ったので、早くみんなに報告したい」と喜びをかみ締めた。
最優秀主演男優賞に輝いた松坂は、昨年の第42回では「孤狼の血」で最優秀助演男優賞を獲得しているが、主演男優賞では初の戴冠となった。ブロンズ像をしっかりと両手で握りしめ、真っすぐ前を向くと「この作品は、僕の知る限り、実現するまでに二転三転、四転、五転くらい色々なことがあって、それでもこの作品を『しっかりと映画を見てくださる方に届けたい』という人が一致団結し、藤井監督の舵のもと、撮影を終えることができました」と振り返る。「僕自身も、10年ちょっと(俳優を)やってきて、ハードルが高い役だなと思いましたが、ウンギョンさんと一緒にお芝居をすることができて最後まで駆け抜けることができました。何より『この作品で頑張ってこい』『行ってこい』と言ってくれた事務所のマネージャーさん、社長を含めて、後押ししてくれて嬉しい気持ちでいっぱいです。今日という日を糧に、また新たに作品の一部に自分がちゃんとなれるようにいけたらと思っております」と述べ、深々と頭をさげていた。
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一方、最優秀主演女優賞のシムは、自身の名前が読み上げられると茫然自失の様子だ。ブロンズ像を手にすると、涙が止めどなく流れ「(受賞するとは)全然思ってもいなかったので、全然準備をしていませんでした。ごめんなさい。本当にありがとうございます」と声が震わせた。そして「まず映画『新聞記者』を見てくださった皆さん、そして藤井監督をはじめ、河村(光庸)さん、橋本(申二)さん、高石(明彦)さん、本当にありがとうございます。そして共演できて本当に光栄でした。松坂桃李さん、本当に本当にありがとうございました。これからも頑張って活動します」と思いの丈を述べていた。
最優秀監督賞を受賞したのは、「翔んで埼玉」の武内英樹監督。初の戴冠について「とっちゃいけない作品が、とっちゃったという感じで……、本当にどうしようかな」と全く想像していなかったようだ。「とにかく、埼玉の733万5000人の県民の皆さん、映画を応援していただいて、温かく見守ってくださってありがとうございました!」と謝意を示していた。
また、最優秀助演男優賞は「キングダム」の吉沢亮が初受賞した。中国春秋戦国時代を描いた同作で、吉沢は戦争孤児の少年・漂と、中華統一を目指す若き王・えい政を1人2役で体現。発表の瞬間、驚きながらもゆっくりとうなずいた吉沢は、ブロンズを両手で握りしめ、「僕が優秀助演男優賞を頂いたときに、最初に連絡が来たのが主演の山崎賢人でした。『おめでとう』という連絡をくれて、『次は続編で、ふたりで(この会場に)来ようぜ』と熱い話をしていたんです」と振り返る。そして、「彼が主演で皆を引っ張ってくれたおかげで、すごく素敵な作品になったと思うし、彼と一緒にお芝居をしたことで、僕が(賞を)頂ける結果になったのかなと思います」と、苦楽をともにした山崎への感謝を伝えた。
最優秀助演女優賞は、同じく「キングダム」で山の女王を演じた長澤まさみの手に。名前を呼びあげられると笑顔がこぼれた長澤を、隣の吉沢が拍手で称えた。2005年に「世界の中心で、愛をさけぶ」で同賞を獲得して以来、2度目の受賞となる長澤は、「17歳の時に助演女優賞を頂いたことがあって、その時はまだ何もよく分かっていなかったんですが、年を重ねるごとにこの仕事の魅力を感じて、『自分にできることは何だろう』と考えながら、日々仕事と向き合ってきました」と丁寧に言葉を紡ぐ。そして、「まだ会ったことのない自分を目指して、励んでいきたいなと思います」と締めくくった。
最優秀監督賞:武内英樹(「翔んで埼玉」)
最優秀主演男優賞:松坂桃李(「新聞記者」)
最優秀主演女優賞:シム・ウンギョン(「新聞記者」)
最優秀助演男優賞:吉沢亮(「キングダム」)
最優秀助演女優賞:長澤まさみ(「キングダム」)
最優秀脚本賞:徳永友一(「翔んで埼玉」)
最優秀撮影賞:河津太郎(「キングダム」
最優秀照明賞:該当者なし
最優秀美術賞:斎藤岩男(「キングダム」)
最優秀録音賞:久連石由文(「蜜蜂と遠雷」)
最優秀編集賞:河村信二(「翔んで埼玉」)
最優秀音楽賞:RADWIMPS(「天気の子」)
最優秀外国作品賞:「ジョーカー」
最優秀アニメーション作品賞:「天気の子」
新人俳優賞:岸井ゆきの、黒島結菜、吉岡里帆、鈴鹿央士、森崎ウィン、横浜流星
話題賞:作品部門「決算!忠臣蔵」、俳優部門:星野源(「引っ越し大名!」)
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