ロサンゼルス・タイムズ紙が選ぶ2019年の小説原作映画8本

2019年12月28日 14:00

「アイリッシュマン」の一場面
「アイリッシュマン」の一場面

[映画.com ニュース]世界的ベストセラーから古典まで毎年小説を原作にした映画が数多く製作されるなか、米ロサンゼルス・タイムズ紙が、2019~20年公開の小説を原作とした映画ベスト8本を選出した。

原作本をすでに読んだという人も未読の人も、このリストを参考に映画と原作本を比較してみてはいかがだろうか。

▼「黒い司法 0%からの奇跡」(デスティン・ダニエル・クレットン監督)

原作:米アラバマ州を拠点に、えん罪で服役中の人々を解放するため日々闘う人権弁護士のブライアン・スティーブンソンが、自身の体験をもとにアメリカ司法制度における不正にメスを入れた、2014年出版のノンフィクション本「Just Mercy: A Story of Redemption and Justice(原題)」。

映画:スティーブンソンが弁護を担当したなかで最大の注目を集めた「ウォルター・マクミリアン裁判」に焦点を絞り、白人女性を殺害したとして、無実であるにもかかわらず死刑を宣告された黒人の被告(ジェイミー・フォックス)と、様々な差別と不正に阻まれながらも、無罪を勝ち取るべく奮闘する弁護士スティーブンソン(マイケル・B・ジョーダン)が織りなす物語を紡ぐ。

▼「アイリッシュマン」(マーティン・スコセッシ監督)

原作:米作家チャールズ・ブラントが、04年に発表したノンフィクション本「I Heard You Paint House(原題)」。1975年に失踪した全米トラック運転組合委員長ジミー・ホッファの暗殺をはじめ、多くの殺人事件に関与したとされる実在の殺し屋、フランク・“アイリッシュマン”・シーランの人生を紐解く。日本では映画の公開に合わせ、「アイリッシュマン」のタイトルでハヤカワ文庫から出版された。

映画:名匠スコセッシ監督が、9度目のタッグとなるロバート・デ・ニーロを主演に迎え、第2次世界大戦後のアメリカ裏社会を生きた無法者たちの人生を、ひとりの殺し屋の視点を通して描く。3時間半の長尺にふさわしい壮大でドラマチックな内容ながら、「シンドラーのリスト」のスティーブン・ザイリアンが脚本を手がけたことで、「グッドフェローズ」や「カジノ」といったスコセッシ監督の過去作にはなかった静観的なムードが全編に漂っている。

▼「リチャード・ジュエル」(クリント・イーストウッド監督)

原作:爆弾の第一発見者として英雄視されたのも束の間、FBIの性急な捜査とメディアの過熱報道によって犯人に仕立て上げられてしまった実在の警備員、リチャード・ジュエルの物語を通して、1996年アトランタ五輪爆破テロ事件の真相に迫る新刊ノンフィクション「The Suspect(原題)」。事件に携わった連邦検察官のケント・アレクサンダーと、米ウォールストリート・ジャーナル紙の元記者ケビン・サルウェンが共著。

映画:イーストウッド監督の熟練の演出が冴える重厚な作品とはいえ、綿密な調査のもと事件をくまなく検証した原作本とは違い、ドラマ性とキャラクターを重視するがあまり数多くの点で事実が歪められているとの批判も。とりわけ、オリビア・ワイルド演じるアトランタ・ジャーナル・コンスティテューション紙の女性記者キャシー・スクラッグスをめぐっては、同紙の編集長が「中傷的で誤った描写」と抗議文を掲載するなど、物議を醸している。

▼「キャッツ」(トム・フーパー監督)

原作:T・S・エリオットが1939年に出版した子ども向けの詩集「キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法」。

映画:歌曲に関しては、エリオットの詩が土台になっているものの、ストーリー自体はアンドリュー・ロイド=ウェバー作の舞台ミュージカルにより近い内容。ロンドン初演時のオリジナルキャストであるジュディ・デンチをはじめ、テイラー・スウィフトジェニファー・ハドソンイドリス・エルバら豪華キャストが、大ヒットミュージカル初の実写映画版を華やかに彩る。

▼「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」(グレタ・ガーウィグ監督)

原作:19世紀を代表する女流作家ルイザ・メイ・オルコットが、南北戦争時代を舞台にメグ、ジョー、ベス、エイミーのマーチ家四姉妹の人生を綴った自伝的小説「若草物語」。

映画:四姉妹の成長が時系列に沿って綴られる原作を大胆にアレンジ。20代になった四姉妹の現在と過去を巧みに交差させながら、それぞれが辿ってきた道のりが掘り下げて描かれている。

▼「未来を乗り換えた男」(クリスティアン・ペッツォルト監督)

原作:ナチス政権下のドイツを逃れた独作家アンナ・ゼーガースが、フランス亡命時代に執筆した「トランジット」(1944年出版)。第2次世界大戦初期のフランスを舞台に、ナチスドイツ軍の侵攻によって祖国を追われた人々の運命を描く。

映画:「東ベルリンから来た女」で知られるドイツの名匠ペッツォルト監督は、舞台を原作の1940年から架空の現代に置き換えることで、ファシズムの風が吹き荒れたナチス占領下のフランスにおける史実に現代の難民問題を重ね合わせ、戦争がもたらす悲劇、行き場を失った人々の苦難といった普遍的テーマを提起する。

▼「ドクター・スリープ」(マイク・フラナガン監督)

原作:スティーブン・キングが、代表作「シャイニング」の続編として2013年に発表した「ドクター・スリープ」。雪山のホテルでの惨劇を生き残り大人へと成長したダニー・トランスが、生まれ持った“特別な力=シャイニング”に導かれ、不可解な連続殺人事件をめぐる新たな恐怖に巻き込まれていくさまを描く。

映画:原作となるキングの小説と、スタンリー・キューブリック監督による映画「シャイニング」の40年後という“2つの世界”を見事に融合させた本作には、原作から極端に逸脱した映画版「シャイニング」への嫌悪を以前より公言してきたキングも太鼓判を押す。トラウマを抱えたまま大人へと成長した主人公ダニーの葛藤を、ニュアンスたっぷりに体現したユアン・マクレガーの演技にも注目だ。

▼「マザーレス・ブルックリン」(エドワード・ノートン監督)

原作:米作家ジョナサン・レセムによる1999年出版の同名小説。ニューヨークを舞台に、トゥレット症候群を患う私立探偵ライオネル・エスログが、恩人を殺害した犯人を追うハードボイルド・ミステリー。

映画:俳優のエドワード・ノートンが、構想20年を経てようやく映画化にこぎつけた本作。時代設定を原作の1999年から1957年に変更し、ハーレムのジャズクラブからブルックリンのスラム街へと舞台を移しながら50年代ニューヨークの闇に迫ってく内容は、往年の名作フィルムノワールを彷彿とさせる。

(映画.com速報)

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