シンドラーのリスト

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劇場公開日:1994年2月26日

解説・あらすじ

スティーブン・スピルバーグ監督が、ナチスによるユダヤ人大虐殺から多くの命を救った実在のドイツ人実業家オスカー・シンドラーを描いた名作。1939年、ナチスドイツ占領下のポーランド。戦争を利用して一儲けしようと狙うドイツ人実業家シンドラーは、軍の幹部に取り入り、ユダヤ人の所有していた工場を払い下げてもらう。軍用ホーロー容器工場を立ち上げた彼は、安価な労働力としてユダヤ人たちを雇い入れ、事業を軌道に乗せていく。しかしナチスによるユダヤ人の迫害は日ごとにエスカレートし、ついに虐殺が始まる。凄惨な光景を目の当たりにしたシンドラーは、私財を投じて彼らの命を救うことを決意する。リーアム・ニーソンが主演を務め、レイフ・ファインズ、ベン・キングズレーが共演。第66回アカデミー賞で作品賞など7部門を受賞し、スピルバーグは初の監督賞を獲得した。

1993年製作/アメリカ
原題または英題:Schindler's List
配給:UIP
劇場公開日:1994年2月26日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第66回 アカデミー賞(1994年)

ノミネート

主演男優賞 リーアム・ニーソン
助演男優賞 レイフ・ファインズ
衣装デザイン賞 アンナ・B・シェパード
音響賞  
メイクアップ賞  

第51回 ゴールデングローブ賞(1994年)

受賞

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀監督賞 スティーブン・スピルバーグ
最優秀脚本賞 スティーブン・ザイリアン

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) リーアム・ニーソン
最優秀助演男優賞 レイフ・ファインズ
最優秀作曲賞 ジョン・ウィリアムズ
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写真:Photofest/アフロ

映画レビュー

4.0死者は語ることができるのか

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

悲しい

スティーブン・スピルバーグ監督作品。

第二次世界大戦時、ナチス・ドイツが主導したユダヤ人へのホローコースト。その最中、ドイツ人実業家のオスカー・シンドラーが、自身が経営する軍需工場に雇うという名目で1100人以上のポーランド系ユダヤ人を絶滅収容所送りにすることを阻止した実話に基づいた作品。

オスカー・シンドラーは、生まれながらの人道主義者ではない。彼はむしろ社交に明け暮れ、金儲けしか考えてないような人物だ。軍需工場を営むのもそれが金になるからで、ユダヤ人を雇うのも人件費削減のためである。しかしホロコーストの惨禍を目の当たりにして、ユダヤ人を救おうと決心するのである。このように神のような善人ではなく、私たちと同じ人間味溢れる人物として描かれているからこそ、本作は多くの人の心に響くのだと思う。

しかし物語でホロコーストを扱うのは困難を極める。なぜなら死者の出来事を簒奪して物語ることにもなり得るからだ。ホロコーストという歴史的事実はある。ではそこで起こった出来事は、どのように語られるのだろうか。もちろんホロコーストを生き残った人からの証言に基づいて語られることは十分ある。だが証言には限界があるから、映画のようにフィクションを用いて、事実の想像的拡張を行うのである。それによって私たちは、ホロコーストの事実を目撃できる。死が目前に迫って怯える顔を、培われる絆を、そして無根拠に殺戮される現場を。

このようにホロコーストによって死んだ人々の事実を、映画的手法で語ることはできる。それは私たちに理解可能な物語として解釈することにもなり得るから有効な手段である。しかし死者の出来事は十全に語り尽くされたのだろうか。私はそうは思わない。それは本作が不十分であると言っているわけでもない。つまり語りには、騙りが付き纏うということである。語りにはフィクションが含まれる。それは事実の拡張にもなるが、嘘にもなり得るということだ。この嘘、例えば人物の過度な美化や出来事の伝説化は、事実を歪曲させ、声を上げられない死者を蹂躙する行為にもなってしまう。それは避けなければならない。だから出来事を物語るのはとても危うい。

このような困難さを理解しているからスピルバーグ監督は、本作を監督することを躊躇したのだろう。しかし本作は完成され、多くの人が鑑賞した。それによって、ホロコーストとその惨禍に巻き込まれたユダヤ人の出来事を理解可能にした。それは後世に残る偉大な功績だと私は思う。

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まぬままおま

1.02回目の鑑賞。こんな映画だったんだ。

2025年6月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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マサシ

4.5もっと…もっと救いたかった

2025年5月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

…戦争
領地を奪い合うという中で
宗教差別にあったユダヤ人
この二つが重なった惨劇

シンドラーという人物
経営者として経理を任せるユダヤ人
を信頼し労働者をユダヤ人だけ雇い
家族たちも
すべて技能者リストとして登録する
真面目な人という印象はないが
真面目な人では無かったからこその
対応力に尽きる
当時の時代背景としてできない行動を
節目、節目で働くユダヤ人を護り
儲けたお金はすべてユダヤ人を
救う為に使った
救った後
もっと救えたはず
と言って泣き崩れたシンドラー
シンドラーの"人としての成り"に感動
"核"と共に忘れてはならない出来事です

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しろくろぱんだ

4.0モノクロが魅力を増幅させている

2025年3月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺から多くの命を救った実業家オスカー・シンドラーを描いた作品。
当時のナチスドイツの残虐性をモノクロにする事で緩和し、見やすくしてくれている。また要所でカラー映像が差し込まれていて、カラーのシーンがより印象深いものに仕上げられている。
シンドラーとゲート少尉の対比がとても印象的で、戦争は簡単に人間を狂わせるものだと強く感じた。
3時間を超える大作だが長さを感じさせない。スピルバーグの創作者としての幅の広さは凄まじいと感じました。

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かにから