ユリゴコロ
劇場公開日 2017年9月23日
解説
沼田まほかるの同名ミステリー小説を、「僕等がいた」の吉高由里子主演で実写映画化。「君に届け」「近キョリ恋愛」の熊澤尚人監督がメガホンをとり、「人間の死」を心の拠り所にして生きる悲しき殺人者の宿命と葛藤を、過去と現在を交錯させながら描く。亮介は余命わずかな父の書斎で1冊のノートを見つける。「ユリゴコロ」と書かれたそのノートには、ある殺人者の記憶が綴られていた。その内容が事実か創作か、そして自分の家族とどんな関係があるのか、亮介は様々な疑念を抱きながらも強烈にそのノートに惹きつけられていく。謎に包まれた殺人者・美紗子役を吉高、彼女と運命的な出会いをする洋介役を松山ケンイチ、ノートを発見しその秘密に迫る亮介役を松坂桃李がそれぞれ演じる。
2017年製作/128分/PG12/日本
配給:東映、日活
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2017年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
原作小説を未読の人なら、運命的な出会いや宿命の再会がたびたび起きるこの筋を、現実味に乏しいご都合主義のように感じるかもしれない。だが沼田まほかるのファンなら、彼女がかつて僧侶だったことを知っている。リアリティーを追求するドラマではなく、人を殺して生きていくしかなかったある女性と彼女とかかわりのある人々の姿を通じて、殺生とは何か、愛とは何かを考えることを促す説話だと考えるといい。
熊澤尚人監督は残酷な描写に果敢に挑みつつ、映像としての美しさも追求して映画の品格を保っている。吉高由里子は、「蛇にピアス」の主人公に匹敵する強烈なキャラクター・美紗子を体現。美紗子の中学生時代を演じた清原果耶は、いつも明るい役の印象があるが、ずっと暗い表情でも魅力を失わない。出番が少ないのが残念だったが、そろそろ彼女が主役の企画が出てきてもいいのではないか。
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吉高さんと清原さんの演じる美紗子はとても美しくて、純粋で人外じみていてとても良かったです。
ユリゴコロについての淡々とした回想のくだりは全体的に良かったですがストーリーの大筋は想像通りでした。
基本的に好みのはずなのですが、とにかく主人公に感情移入出来なかったのが悲しかったです。
殺人鬼の血が自分に流れてると知ってショックを受けたあと破壊衝動に駆られるのが理解出来ず松坂さんが迫真であればあるほど、踏んだり蹴ったりな現状に加えてルーツが特殊なことを知ってバグっちゃった厨二病に見えて冷めてしまいました。
元からそういう素質があって、忘れていたり押さえつけたりしてたそれのタガが外れたみたいな描写があれば良かったのかなと思います。
最後の最後にヤクザを皆殺しにした所で急に美紗子の生々しさが薄れたのもなんだかなあと言う感じでした。
2022年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
殺人衝動に苦悩する殺人犯を描いた作品は多いが、ここまで共感性が高くゆえに観ていて辛い作品はあまりない。
殺人衝動を抱える殺人犯の多くは、
・親の影響や幼少時のトラウマが原因で殺人衝動が発露
・本人がすごいサイコパス
のどちらかまたは両方であることが多いが、美沙子はどちらでもないので自分の身に置き換えやすい。
例えば、エッチな衝動を抑えられない人、賭け事の衝動を抑えられない人、浪費の衝動が抑えられない人など普通にいるが、それが殺人衝動であったなら自分はどうしているだろうか。
2021年11月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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原作未読
原作は『彼女がその名を知らない鳥たち』の沼田まほかる
監督と脚本は『君に届け』『おもいで写眞』の熊澤尚人
山のペンション風カフェレストランを営む亮介の婚約者千絵が突然失踪
父が余命わずかな末期癌
父の部屋で表紙に「ユリゴコロ」と書かれたノートを発見
それは連続殺人鬼の美沙子が書き記した自らの暴露本だった
彼女が自分の母だと気づいた亮介は発狂
千絵の友人と名乗る細谷の協力でヤクザの事務所に監禁されている婚約者を救出に向かう
包丁を持って乗り込んだがヤクザを全て殺されていた
救出された千絵の証言で細谷が生きていた母だと知った亮介は整形した美沙子と再会する
内容が内容だけにちょっと悪趣味というかグロい
ナイーブな人にはお勧めできない
リストカットのシーンはあるしレイプシーンもある
亮介が虫を踏み潰すシーンはあるし子供が殺されるシーンもある
金井勇太が演じたラーメン屋のあんちゃんはちょっとかわいそう
『君に届け』の監督だからと同じ感覚で観るべきではない
亮介の母を演じたのが吉高由里子と清原果耶と木村多江
亮介の父を演じたのが貴山侑哉と松山ケンイチ
吉高由里子と松山ケンイチのカラミのシーンで大量のオナモミが由里子の裸体を覆うわけだがかなりインパクトがあった
マグリットの作品みたい
オナモミのような植物を地元では「バカ」と呼ぶがなぜだろう
寄生獣じゃあるまいしヤクザを皆殺しにすることに無理を感じたが拳銃でも使ったのだろうか
みんな良かったがリストカッターみつ子役の佐津川愛美が特に良かった
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