カジノ
劇場公開日 1996年4月20日
解説
巨匠マーティン・スコセッシが、1970年代ラスベガスのカジノをめぐる欲と暴力にまみれた人間模様を描いた骨太ドラマ。スコセッシ監督作「グッドフェローズ」の原作者でもあるニコラス・ピレッジのノンフィクションを基に、ピレッジが自ら脚本に参加した。凄腕の予想屋サムはマフィアのボスたちに才能を見込まれ、ラスベガスのカジノ「タンジール」のマネージャーを任される。見事な経営手腕でカジノを大繁盛させたサムは、美しいハスラーのジンジャーを見初めて結婚し、豪奢で満ち足りた人生を手に入れたかに見えた。しかし、幼なじみの相棒ニッキーがラスベガスへ移り住んできたことで事態は一変。血の気が多いニッキーは暴挙を繰り返し、彼らは警察やFBIから目をつけられてしまう。ロバート・デ・ニーロが主演を務め、ジョー・ペシが相棒ニッキー、シャロン・ストーンが妻ジンジャーを演じた。
1995年製作/178分/アメリカ
原題:Casino
配給:UIP
スタッフ・キャスト
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2019年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
スコセッシ映画では時にデ・ニーロとジョー・ペシがタッグを組み、そこに第三者が入り込むことで黄金率が崩れて運命の終わりが訪れる。『グッドフェローズ』の第三者がレイ・リオッタだったとするなら、本作でその役目を負うのはシャロン・ストーンか。こうして三すくみ状態が出来上がることで、ラスベガスにてカジノ稼業を営み大成功を築いてきた男の転落劇が幕をあける。
ジョー・ペシの役柄は序盤からキレると誰にも止められない。早く厄介払いしたいのに、親友のデ・ニーロにはそれができない。で、そこに妻役シャロン・ストーンの本性発揮というか、最初は天真爛漫な美女だった彼女が、やがて金と薬物とアルコールで凄まじい怪物性をあらわにしていく姿は凄まじい。右はジョー、左はシャロン。かくして主人公の両足が思いっきり引きずり降ろされていく甘美かつ破壊的な崩壊劇が何よりの美酒だ。こういうの撮らせるとスコセッシは本当にずば抜けて巧い。
”グットフェローズ”の流れでスコセッシ監督作品とすぐわかる。
猛禽の目を持つデニーロとジョーペシのコンビ、大好き(笑)。
ここでもやっぱりジョーペシ逝っちゃった。
2021年12月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
内容は実話だそうです
邦画風の題名をつけるなら「実録シカゴマフィア ベガス死闘編」か「ベガスの帝王」でしょうか
スコセッシ監督の観客を掴む握力はものすごく、3 時間があっという間です
ベガスに行ったのはもう10年ほど昔
本作のラストにあるように、今ではディズニーランドみたいな健全な観光地でした
公営ギャンブルの競技場や場外馬券売場のような殺伐とした感じは全くしません
世界中から集まる家族づれの観光客で賑わっていました
シルクドソレイユのショーなどの観光がメインで、博打はオマケみたいになっています
幕張メッセのような大規模コンベンション会場もあって仕事の出張先としていく人も多いくらいです
自分も仕事で行きました
とはいえ、どの超デカいホテルも1階がカジノで、フロアが東京ドームくらいあったりします
スロットマシンのコーナーは、日本のパチスロ店と見た目はそう変わりありません
それが恐ろしく広いというだけです
なんか大阪ミナミの大きなパチスロ店に迷います混んだ感じになるくらいです
でも、ポーカーや、ルーレットのテーブルはやはりカジノ!と感じさせます
花形なのでやっぱり中央にあります
みんなカジュアルな服装で、ちょいと小綺麗なくらいでドレスアップしてるような人は誰もいません
ネクタイしているのなんか従業員くらいでしょう
ストリップ大通りは土産物屋が並んで、子供連れの家族が大勢歩いてます
お目当てのショーをしているホテルまでぶらぶらしているのです
夜ストリップを子供連れで歩いても怖い思いをすることはまずないでしょう
ゴミすら落ちていなく、本当に見た目は清潔でした
健全な娯楽の街です
雰囲気は新宿というより、大阪ミナミの道頓堀のノリ
歌舞伎町の雰囲気ではないのです
ちょいとダークではなく、底抜けにネアカ
このニュアンスが伝わるでしょうか?
暴力は水面下に見えないように、完全にコントロールされています
凄みのある本物、半グレ、チンピラさえ見かけません
ナンパ師が交差点の信号待ちの女の子に声をかけまくってうろちょろしているくらいです
金、賭博、女、酒
清潔なわけがありません
今のベガスも一皮むけば、強烈な暴力の統制があるに違いないと感じさせもします
そこが歌舞伎町と違うのです
水面下に透けて見えるか、見えないかの違いです
本作はそんな歌舞伎町がともっともっとヤバかった時代のようなベガスの物語です
中西部のマフィアの親分衆がリアルです
日本の実録ヤクザ映画と比べてみるのも一興かと思います
蛇足
本作では日本人ギヤンブラーが序盤に登場します
金持ちの紳士でした
10年前のカジノでは中国人の連中が生意気な態度で大きな顔で博打していました
あんな態度ではいずれ締められるのではないかと冷ややかにみてました
いまはなんか米国挙げて締めているようです
グッドフェローズとキャストも似ているし、ギャングもの、構成も似ている。
メチャクチャ暴れて女は酒とドラッグに溺れて最後は身を滅ぼす。
ただ、舞台がカジノだけにいろんな手口やり口が楽しめる。シャロンストーンのぶっ壊れ具合もなかなか新鮮。
単体で見るなら、ブラックユーモア盛り沢山なマーティンスコセッシ節が存分に味わえるので楽しめるだろうが、同監督作と比べると内容の迫力は弱い。基本全てモノローグで語られる説明調なのもちょっと微妙。
グッドフェローズ、ウルフオブウォールストリートにはとてもかなわないが、なかなかの面白さではありました。
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