くじらびと
劇場公開日:2021年9月3日
解説
インドネシア・ラマレラ村で、伝統の捕鯨を400年間続けながら暮らす人々を捉えたドキュメンタリー。インドネシアの小さな島にある人口1500人のラマレラ村。住民たちは互いの和を何よりも大切にし、自然の恵みに感謝の祈りを捧げ、言い伝えを守りながら生きている。その中で、「ラマファ」と呼ばれるクジラの銛打ち漁師たちは最も尊敬される存在だ。彼らは手造りの小さな舟と銛1本で、命を懸けて巨大なマッコウクジラに挑む。2018年、ラマファのひとりであるベンジャミンが捕鯨中に命を落とした。人々が深い悲しみに暮れる中、舟造りの名人である父イグナシウスは家族の結束の象徴として、伝統の舟を作り直すことを決意。1年後、彼らの舟はまだ見ぬクジラを目指して大海へと漕ぎ出す。ライフワークとして30年間ラマレラ村の人々を追い続けてきた写真家・映像作家の石川梵監督が、2017年から19年までに撮影した映像を基に制作。自然とともに生きるラマレラ村の人々の日常を、繊細かつ臨場感あふれる映像で描き出す。
2021年製作/113分/PG12/日本
配給:アンプラグド
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2021年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
グローバルな価値観とローカルの価値観が衝突したとき、私たちはどう考えたらいいのか。本作はインドネシアでクジラ漁を伝統文化としているラマレラ村のドキュメンタリーだ。この土地は火山岩だらけで作物は育たない。村人が食べていくにはクジラを狩る以外の選択肢はなかった。それが伝統として今も根付いている。
世界的な価値観の中で、クジラ漁は厳しい立場に立たされている。マイノリティの人権をと叫ばれる昨今ではあるが、こうした少数民族や小さな村の伝統は、グローバルな価値観に押しつぶされかかっている。
クジラ漁は危険だ。映画の中でも1人の若者が命を落とす。クジラの保護とともに、この危険な伝統は若い人の安全を考えていない、とグローバルな価値観の中では言われてしまうのかもしれない。
しかし、この村にとってのクジラ漁は単なる食糧確保の手段ではない。村の文化の中心でもあり、彼らのアイデンティティのよりどころでもある。
自分が自分らしく生きられるようにするのが、今の「正しい」生き方なのだとしたら、いかにクジラ漁が残酷で危険だったとしても彼らのアイデンティティを否定できない。
この映画には、本当の意味での多様性の複雑さと奥深さがある。そして、人間の生きるエネルギーに満ち溢れている。今年最高の一本だ。
2022年8月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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主に日本人スタッフが関わった、
インドネシアが舞台のドキュメンタリー映画
冒頭の、日本人親子の場面は不要だと思った
本編は、くじら漁で(も)暮らす、
小さな村が舞台で、淡々と話が進む
余計なナレーションが無かったのは良かった
現実は、撮影中(映画製作側にとって)都合よく
アクシデントなど起きないと思うし、
漁でくじらが捕れないと村人が
飢えて死ぬほど暮らしぶりが貧しいとも思えず
(皆小奇麗な恰好していて貧しそうに見えない。
スマホ使ってたり、豚や犬飼ってるし。
豚はともかく犬はペットでしょ
特に貧しい人々がお菓子作ってるというのも変)
ドキュメンタリーとは言っても話を作って
きれいにまとめた感があったが
それなりに興味深く観ることが出来た
漁師は皆、漁師のような顔立ちや体形している
ものなんだな・・・と、しみじみ
御馳走?の、くじらをどうやって食べるのか
興味津々で観ていたが・・・
泥のような得体のしれない何かだった
(え・・・貴重な御馳走じゃないの?と思った)
終盤のくじら漁は迫力あったが
血まみれのくじらを執拗に皆で囲い込み、狩るのを
空撮して高みから見下ろすのは
なんだか残酷と思ってしまった
くじらって哺乳類だし。
一撃で綺麗に仕留めるのは難しいのだろうけど
(狩る方も命懸け)
事と場合によるが
皆で力を合わせるのは大切、
伝統を守ろうとするのは良い事だと思うが
こういう閉鎖的な空間(村)で宗教に浸って
皆で同じことを考え
皆で同じ行動をとらないと罰が当たる
的な世界では、考え方が同じでない人は
暮らしにくそうだと思った
2022年7月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
上空から撮影した大海原と舟とクジラ。面と線が織り成す「奇跡の映像」。
上空からでは、静かな海に漂う舟のようにしか見えない。
けれど、ひとたびカメラが地上に下りてくると、そこはくじらの血しぶきと漁師たちの歓声。
漁師たちと一頭のマッコウクジラの死闘。
そこには、年間クジラを10頭捕獲しないと生活がたちゆかない村人たちの背景まで飲み込まれる。
この遠近の見事な映像に完全に引き込まれる。
このために、漁師みんなが新たに最強の舟を作り、最強の帆と、最強のモリでくじらを迎え撃つ。
その職人芸すらも混ざり合って、私たちが目にするのは、ただただ、大海原と舟とクジラ。
まさに、「奇跡の映像」ここにあり、である。
2022年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
インドネシアの人口1500人ほどの島で行われている、鯨漁を取材している。
銛を持ってクジラめがけて船から飛び降りて打ち込むという大変危険な漁だ。
取材中にロープが絡まって島民が命を落とすなど、生きていくために命がけなことがよく分かる。