池松壮亮、「宮本から君へ」で日刊スポーツ映画大賞主演男優賞「絶望見た分、格別な思い」
2019年12月28日 19:00
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[映画.com ニュース]第32回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞の授賞式が12月28日、都内のホテルで行われた。
作品賞は、日本の権力に切り込むメディアの姿を描いた野心作「新聞記者」が受賞し、藤井道人監督は、「政治に興味がなく新聞も読まない若者だったので、2度お断りしたが、今思えば人生において大きな意味があったと実感している」と感激の面持ち。主演の松坂桃李もステージに上がり、「無事に公開できればいいなと思いながら撮影に臨んでいた。始まる前に、プロデューサーが『公開したら僕らはいないかも』と言っていたので」と明かし笑わせた。
「宮本から君へ」の真利子哲也監督と主演の池松壮亮が、それぞれ監督賞、主演男優賞を獲得。真利子監督は、白石和彌監督から表彰楯を受け取り「白石監督は年間で3本撮っているのに、僕は10年で3本。まだまだ精進しなければいけない」と意欲も新た。白石監督は「日本映画の最終兵器がようやく覚醒した」と称えた。
体を張った熱演を見せた池松は、14年の助演男優賞以来の戴冠で「この役と心中しようと思わなければやれなかった。何度も絶望を見た分、格別な思いがあります」と感慨深げ。恋人役の蒼井優は、「撮影中から素晴らしく、日本映画界にとっての宝。池松くんの新たな引き出しが思い切り開いたことをお祝いできてうれしい」と笑顔で祝福した。
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直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸さんの小説を映画化した「蜜蜂と遠雷」で主演女優賞を射止めた松岡茉優は、「尊い小説なので、中途半端な映像化は許されない。すべてのスタッフ、キャストが一生懸命作って、私が賞を頂けたのは映画全体を褒めていただいたと認識しています」と感慨深げ。「映画は一期一会だけれど、これからも悔いのないよう1作1作に挑んでいきたい」と誓った。
「半世界」、「閉鎖病棟 それぞれの朝」などで助演男優賞の渋川清彦は「映画が好きで、情熱のある現場ばかりだったから頂けた。毎年、この日は原田芳雄さんの家で餅つきに参加しているので、芳雄さんに報告したい」と歓喜。「初恋 お父さん、チビがいなくなりました」、「よこがお」で助演女優賞の市川実日子も、「現場で出会ったたくさんの人と、その仕事ぶりを思い出せたことがうれしい」と喜びをかみしめた。
新人賞は「デイアンドナイト」、「いちごの唄」などの清原果耶が選ばれ「撮影してからの2~3年で教えられたことが多く、よりお芝居を愛して向き合っていきたいと思いました」と笑顔で話した。
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石原裕次郎さんの遺志を継ぎ、完成度の高い大作感のあるヒット作に贈られる石原裕次郎賞は「アルキメデスの大戦」で、山崎貴監督は05年「ALWAYS 三丁目の夕日」以来の受賞。「エンタテインメントに賞を与える場があるのはありがたい。今の日本もさまざまな問題が起きていて、それを映画という形で照射できないかと思って作った。作る人間として、これからも闘っていかなければいけないと思う」と気を引き締めた。
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「さよならくちびる」など4作品で同新人賞の成田凌は、「日々自分の足りない部分を感じている。今まではたくさんのことをもらってばかりだったので、これからは与えられる人間になりたい。でも、自分の出ている作品は面白いと胸を張っていえます」と宣言。石原プロモーションの石原まき子会長は、公開中の「カツベン!」を見たそうで「セリフ回しが素晴らしくてビックリした」と賛辞を送った。
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