22年越しの悲願達成!ディカプリオ、アカデミー賞初受賞までの長かった道のり
2016年2月29日 15:24
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ハリウッドきっての大スターなのに、アカデミー賞ではいつも涙を飲んできたレオナルド・ディカプリオが、ついに「レヴェナント 蘇えりし者」で悲願の主演男優賞に輝いた。俳優部門で5度目のノミネートにして初受賞、オスカー獲得までの長かった道のりを振り返る。
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ディカプリオがアカデミー賞初ノミネートを果たしたのは1994年、19歳の時。青春映画「ギルバート・グレイプ」でジョニー・デップ演じる主人公の弟を演じ、助演男優賞の候補者に。知的障害を持った無邪気な少年役は批評家から絶賛されたものの、「逃亡者」で執念の追跡者を演じたトミー・リー・ジョンズに軍配が上がった。
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ディカプリオといえば、やはり「タイタニック(1997)」。世界中で空前の大ヒットとなった同作は、アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演女優賞を含む歴代最多14部門(「イヴの総て」とタイ)にノミネートされたにもかかわらず、なんと主演男優部門だけ落選。ジャックのごとく撃沈したディカプリオ、あまりに理不尽だったのか「なんで僕が行かなきゃいけないんだ」とふてくされて授賞式を欠席してしまった。だけど、数年後には「思い上がっていた」とばっくれを猛省。ちなみに、「タイタニック」は「ベン・ハー」と並ぶ歴代最多11部門制覇の快挙を成し遂げた。
「タイタニック」で世界的大スターとなったディカプリオだが、「仮面の男」では屈辱を味わうハメに。最低映画の祭典“ラジー賞”ことゴールデン・ラズベリー賞で、1人2役で演じた双子の兄弟がワースト・スクリーン・カップル賞に選ばれてしまったのだ。2001年公開の「ザ・ビーチ」でも同ワースト主演男優賞にノミネートされたが、受賞の不名誉は免れた。
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巨匠マーティン・スコセッシ監督との初タッグ作「ギャング・オブ・ニューヨーク」では、殺された父親の報復に燃える主人公アムステルダムを好演。なのに、スタジオが主演俳優としてアカデミー賞にエントリーしたのは、あろうことか仇敵ビル・ザ・ブッチャー役のダニエル・デイ=ルイス。劇中では父の敵をとったディカプリオ、現実では“返り討ち”にあってしまった。授賞式でオスカー像を手にしたのは、誰が見ても主演俳優だった「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディ。
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再びスコセッシ監督と組んだ「アビエイター」で、飛行機と映画製作に情熱を注いだ大富豪ハワード・ヒューズを熱演し、主演男優賞に初ノミネート。ようやくチャンスがめぐってきたが、“ソウルの帝王”レイ・チャールズのパワフルで波乱に満ちた生き様をスクリーンによみがえらせたジェイミー・フォックス(「Ray レイ」)に敗北を喫した。
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内戦下のアフリカを舞台にした社会派ドラマ「ブラッド・ダイヤモンド」で、違法ダイヤモンド密売人を説得力たっぷりに演じ、再び主演男優賞にノミネートを果たす。しかし、「ラストキング・オブ・スコットランド」でウガンダに実在した狂気のカリスマ独裁者になりきったフォレスト・ウィテカーが圧勝。作品賞に輝いた「ディパーテッド」(スコセッシ監督)で、助演男優賞にノミネートされたのがマーク・ウォールバーグじゃなくて自分だったら……なんて思いが、ディカプリオの頭の片隅をよぎったに違いない。
その後も名監督のもとで野心的な役どころに挑んでいくディカプリオ。サム・メンデス監督の「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」(08)ではアンハッピーな夫婦役で「タイタニック」のケイト・ウィスレットと再共演し、クリント・イーストウッド監督の「J・エドガー」(11)では特殊メイクで74歳に変身すれば、クエンティン・タランティーノ監督の「ジャンゴ 繋がれざる者」(12・助演)では嬉々として悪漢になりきった。いずれの作品でもゴールデングローブ賞にはノミネートされたのだが、アカデミー賞では最終候補にすら入れない。ここまでそっぽ向かれてばかりだと、「もしや業界で嫌われてる?」なんて勘ぐる人も。
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なかなかオスカーに手が届かないディカプリオ、この頃には「自分でどうこうできるものじゃないと、とっくの昔に学んだよ」と悟りの境地。スコセッシ監督と5度目のタッグとなった「ウルフ・オブ・ウォールストリート」では、実在した破天荒な株式ブローカーに扮し主演男優賞にノミネートされただけでなく、プロデューサーも務めていたので、作品賞受賞でもオスカー像を握り締められるはずだった。が、栄光はまたも“おあずけ”。21キロ減量してエイズ患者を演じたマシュー・マコノヒー(「ダラス・バイヤーズクラブ」)の名前が授賞式で呼ばれると、ほほにキスして祝福する一幕も。作品賞には、「それでも夜は明ける」が選ばれ、ダブルチャンスははかなく散った。
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2016年、サバイバル復しゅう劇「レヴェナント 蘇えりし者」(4月22日公開)で、ついにアカデミー賞主演男優賞を受賞! 初ノミネートから実に22年、とうとう悲願を成就させた。氷点下30度の極寒のなか、鼻を骨折し、バッファローの生レバーにかぶりついた甲斐があった!!! めでたくオスカー俳優となったディカプリオ、ますますの活躍に期待したい。
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