イヴの総て

ALLTIME BEST

劇場公開日:1951年9月16日

解説・あらすじ

女優に憧れる若い女性がベテラン女優を踏み台にのし上がっていく姿を描き、1951年・第23回アカデミー賞で作品賞など6部門に輝いた名作。実在の女優エリザベート・ベルクナーをモデルにしたメアリー・オルの短編小説を原作に、ブロードウェイの内幕を描き出す。アメリカ演劇界で最高の栄誉とされる賞が、新進女優イヴ・ハリントンに贈られた。満場の拍手が沸く中、イヴの本当の姿を知る数人だけが、複雑な表情で彼女の受賞を見守るのだった。8カ月前、劇作家ロイドの妻カレンは、大女優マーゴに憧れて毎夜のように劇場の楽屋口に現れるイヴを、マーゴに引き合わせる。マーゴはイヴの哀れな身上話に心を動かされ、彼女を住み込み秘書として雇うことに。しかしイヴは徐々に本性を現し始め、マーゴの周囲にいる演劇関係者たちに取り入っていく。大女優マーゴを「何がジェーンに起ったか?」のベティ・デイビス、イヴを「十戒」のアン・バクスターが演じ、マリリン・モンローが端役で出演。

1950年製作/144分/G/アメリカ
原題または英題:All About Eve
配給:セントラル
劇場公開日:1951年9月16日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第23回 アカデミー賞(1951年)

受賞

作品賞  
監督賞 ジョセフ・L・マンキウィッツ
助演男優賞 ジョージ・サンダース
脚色賞 ジョセフ・L・マンキウィッツ
衣装デザイン賞(白黒) エディス・ヘッド チャールズ・ル・メア
音響録音賞  

ノミネート

女優賞 アン・バクスター
女優賞 ベティ・デイビス
助演女優賞 セレステ・ホルム
助演女優賞 セルマ・リッター
撮影賞(白黒) ミルトン・クラスナー
編集賞 バーバラ・マクリーン
作曲賞(ドラマ/コメディ) アルフレッド・ニューマン
美術賞(白黒)  

第8回 ゴールデングローブ賞(1951年)

受賞

最優秀脚本賞 ジョセフ・L・マンキウィッツ

ノミネート

作品賞  
最優秀主演女優賞(ドラマ) ベティ・デイビス
最優秀助演男優賞 ジョージ・サンダース
最優秀助演女優賞 セルマ・リッター
最優秀監督賞 ジョセフ・L・マンキウィッツ
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フォトギャラリー

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写真:Collection Christophel/アフロ

映画レビュー

4.5 アワードシーズンに観るには打ってつけのハリウッドクラシック

2026年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

怖い

1950年代のニューヨーク、ブロードウェー。劇作家、ロイド・リチャーズの妻、カレンは、劇場の楽屋口で当代の人気舞台俳優、マーゴに憧れて田舎から出てきたという女性、イヴを見つけ、彼女の一途さに魅せられて迂闊にも友人であるマーゴに紹介する。イヴの純粋な熱意に絆され、マーゴも見ず知らずの相手に思わず心を許すのだった。

その後、イブが表ではその野望を隠しながら、手練手管を用いてスターダムをのし上がって行くかを描いたショービズ内幕劇は、ありそうでなさそうな、否、あるであろう芸能界の熾烈な競争原理を、我々の前に突き付ける。とは言え、総てとは言えないまでも割りと早くからイヴの胡散臭さを嗅ぎ取っている観客にとって、騙され、利用され、翻弄される舞台関係者たちがまるでピエロに見えてしまうのだ。タイトルの『イヴの総て』とはつまり、皆が見ているいるイヴの顔は太陽に照らされた月の半分でしかないというアイロニーなのだ。

そして、クライマックスに用意された受賞スピーチのシーンで用いられるのは、例えばアカデミー賞の壇上で幾度となく聞かされて来た決まり文句。その白々しさたるや、オスカーに向けて期待が膨らむこの時期に聞くと、痛烈過ぎて笑えない。そういう意味で今観ると余計に付加価値が付くハリウッドクラシックの名作である。

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清藤秀人

5.0 一所懸命も悪くなくない?

2026年6月24日
iPhoneアプリから投稿

単純

知的

何の気なしに予備知識なしで本作を見、すっかりベティ・デイビスが好きになってしまった。
(8月の鯨の役者とも気付かず)
古い映画だが普遍のテーマが辛辣に描かれ、かえって健やかさすら感じた。

憧れて追いかけて頂点に辿り着いたら、次は追われる番になる。
下り坂をも楽しめれば見事なものである。

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robin

3.0 モンローは太って美人になった

2026年6月8日
PCから投稿

名監督と大女優の愛のカタチをビューティフルに書こうとしたようだが上手くいってないと思う。映画全体にも上手く絡んでいないし。脚本家もどういう狙いのキャラだったのか分からないし。奥さんの役割も中途半端。

ネタバレ注意

誠実なファンを装って大女優に近づき、その誠実さと卓越したマネジメント能力で気に入られる。やがては自分も女優になりたいことをほのめかし、女優になれるようにうまく相手をはめたり 仕込んだり。代役 ゲットするために嘘をついたりしていく。 そして 大女優へのエスカレーターにうまく乗ったと判断した瞬間に突然本性を発揮して強権をふるいだす。そこに業界で力を持つ批評家が現れ「お前のしてきたことは全て掴んでいるぞ。書いてやろうか」みたいに脅してくる・・・
色んなものを織り込んでなんとか脚本をまとめようと頑張ったあとをありありと残してしまってると思った。主人公が本性だしてきたのも唐突だったし。オチもなぁ・・なにより長くて退屈に感じた。冒頭でキャラが自分のことを口頭で説明し始めたら全部嘘・・ってのはセオリーなので分かっちゃってたし。撮影に気を使ってないのでアン・バクスターの首が短いのが目立ってしまってた。

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KIDOLOHKEN

5.0 実は愛の讃歌

2025年10月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

今作は成功に魅せられ、夢見た少女が周りの人間を次々と不幸にしながら大成する話である。近年のヒット作に例えると『国宝』である。
二流の作品と比べ得ることもできないほどにこれは完成度が高い。
大河ドラマのように人生をなぞるだけではなく、今作は成功のなんたるかを端的に見せることに成功している。
まず、今作は授賞式から始め、これが栄誉の話であることを明示する。そして最後に授賞式を映すことで、シナリオの構造が綺麗な円環を結んだ。
成功の蜜と、その副作用が交互にやってくるこの苦痛の円環を抜け出せた今作唯一の人物はマーゴである。夫のビルとの愛情が唯一この円環から抜け出せることを可能にした。愛こそ本当の人生の甘美であることを表していた。
今作の主人公はイヴではない。イヴは名前の通りイーヴルである。悪役であるため黒い服をよく着ている。今作は成功者に黒い服を着せる。
今作が一貫して愛を肯定し、成功を非難しているのは視覚的にわかるようになっている。

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悠