網走番外地 北海篇
劇場公開日:1965年12月31日
解説
伊藤一の原案を「網走番外地 望郷編」の石井輝男が脚色・監督した“網走番外地”シリーズ第四作目。撮影もコンビの稲田喜一。
1965年製作/90分/日本
原題または英題:A Man from Abashiri Jail
配給:東映
劇場公開日:1965年12月31日
ストーリー
北海道北端の網走刑務所--。殺人傷害八年の刑で服役していた橘真一は、所内で起った脱獄騒ぎには眼もくれず、真面目に務めあげ仮出獄となった。さしあたって行くあてもない橘は「社長が俺の保釈金を出してくれる筈だ」という病身の葉山の願いをかなえてやろうと、釧路港の志村運送店へ赴いた。ところが、そこは運送店とは名ばかりで、オンボロトラックが一台あるきり、とても保釈金を出す余裕などなかった。そんなところへ、オホーツク海側の港町に荷物を運べば莫大な費用を出す、という男安川と金田がやって来た。ちょうど思案にくれていた橘は、葉山の保釈金を得るために、その危険な仕事をかってでた。安川と金田、それに志村の娘弓子を同乗させて、橘の運転するトラックは、雪の荒原を突走った。が、途中荒原で待ちうけていた脱獄囚の浦上が乗りこみ、さらに、小さな村にさしかかった橘たちの車は、警官に止められ、足を骨折したという幼い女の子エミとその姉で売春婦の雪江を港町の病院に運んでくれるように頼まれた。それからしばらくいった山道でトラックは、新進歌手をともなって心中し、生きのこった小谷本命寺管長の令嬢貴子に会い、橘が様子を見に降りたのに業を煮やした安川は、金田に運転させて、橘を残して車を出発させた。しかし不馴れな金田は崖道で車輪を踏み外し、さらに車をなおそうとした浦上をも、車輪に巻きこんで死なせてしまった。仕方なく安川はまた橘を呼び返した。だが、この事件でことの険悪なのを察した橘は、峰の頂上に居合わせた網走仲間の老侠徒鬼寅を乗せて、安川と金田を制圧しようとした。その甲斐あってトラックは大事なく目的地に着いた。そこで橘は、安川が阿片業者であることを知った。積荷は阿片だったのだ。安川は秘密を知った橘ら同乗者を殺そうとした。だが貴子をめぐって仲間割れを起し、安川に射たれた金田の拳銃を奪った橋の活躍と鬼寅の助力で、麻薬団は全滅した。町へ行くヘリコプターが定員過剰で一人荒原に踏みとどまった橘の口から、あのなつかしいメロディーが流れていた。--その名は網走番外地。