菅田将暉主演「アルキメデスの大戦」今夜放送 あらすじ・キャスト・撮影秘話まとめ
2023年12月3日 19:00
山崎貴監督がメガホンをとった菅田将暉主演作「アルキメデスの大戦」が、BS12トゥエルビの新たな映画枠「日曜シネマ劇場」で本日12月3日午後7時から放送されます。映画.comでは、今作のあらすじ、キャスト、撮影現場取材やインタビューなどで明かされた撮影秘話などをご紹介します。
三田紀房による同名マンガを、菅田主演、「ALWAYS 三丁目の夕日」「永遠の0」の山崎監督のメガホンで実写映画化。世界最大級の戦艦・大和の建造をめぐるさまざまな謀略に、帝国大学100年に1人の逸材と称される天才数学者・櫂直(菅田)が挑む姿を描いた。2019年7月26日に全国で封切られ、興行収入約19億3000万円のヒットを記録している。
日本と欧米の対立が激化する昭和8年、日本帝国海軍上層部は巨大戦艦・大和の建造計画に大きな期待を寄せていたが、海軍少将・山本五十六はその計画に待ったをかけた。山本は代替案を提案するも、上層部は世界に誇示する大きさを誇る大和の建造を支持していた。山本は大和の建造にかかる莫大な費用を算出し、大和建造計画の裏に隠された不正を暴くべく、天才数学者・櫂直を海軍に招き入れる。数学的能力、そして持ち前の度胸を活かし、大和の試算を行っていく櫂の前に帝国海軍の大きな壁が立ちはだかる。
櫂直:菅田将暉
田中正二郎:柄本佑
尾崎鏡子:浜辺美波
大里清:笑福亭鶴瓶
大角岑生:小林克也
宇野積蔵:小日向文世
永野修身:國村隼
嶋田繁太郎:橋爪功
平山忠道:田中泯
山本五十六:舘ひろし
大里商船の事務員:波岡一喜
セツ:木南晴夏
藤岡喜男:山崎一
高任久仁彦:奥野瑛太
料亭の女将:角替和枝
造船会社の部長:天野ひろゆき
若い士官:石田法嗣
菅田と山崎監督は、吉野家のCMシリーズ「吉野家 築地一号店物語」でのタッグを経て、映画作品としては今作が初めての顔合わせとなりました。山崎監督は、呉美保監督作「そこのみにて光輝く」で見せた菅田の演技に感銘を受け、「活きの良い人が出てきたな」と思ったそうです。
そして、ある人物の猛プッシュを経て、菅田とのタッグを模索するようになったといいます。
山崎監督「福田雄一監督(『銀魂』『新解釈・三國志』)と話す機会が多いんですが、『菅田は良い!』とやたら言っていて(笑)。そういう経緯もあって、色々な作品を見せてもらったんですが、仕事をするのが本当に面白そうだなと感じるようになったんですよ。吉野家のCMで組ませてもらった時もとても良かったので、何か映画に出演してもらえる機会はないかと――そこで『アルキメデスの大戦』の映画化の話が浮上してきたんです。そうなると『まずは菅田君だろ』とね」
菅田はもちろん、山本五十六役の舘ひろしも撮影で強く印象に残っているとして、クライマックスの「海軍のトップ陣が戦艦大和をかけてぶつかり合う大会議のシーン」を挙げています。
東京・成城の東宝スタジオで行われたこのシーンの撮影には、映画.comも取材に入りました。大和を作るか否かを決定する「巨大戦艦建造計画案 最終決定会議」のシーンは、4日間にわたり撮影を敢行。ましてや、うだるような暑さのなか、脚本20数ページ、110カット以上という膨大な量を撮り切ったのです。
日本映画界を代表する豪華俳優陣が、「日本の未来」をかけ壮絶な大舌戦を展開する今作の見どころのひとつ。菅田、舘のほか田中泯、橋爪功、國村隼らが一堂に会するなか、菅田は共演陣を圧倒するかのような芝居を披露してみせたのです。舘も後に語っています。
「菅田将暉くんは、数学的な長いセリフを機関銃のような勢いで話し、かつ、黒板に数式を書きながらそれをやってのけ、圧巻でした! 撮影のカットがかかった瞬間、思わず拍手してしまった程です」
同会議シーンは、菅田と山崎監督の脳裏にも鮮烈な印象を刻み込んだようです。
山崎監督「最後の会議だけで台本が異常な分量だったので『ヤバい脚本を書いてしまったのかも』と(笑)。撮影中は常に面白かったんですけど、その段階では『どんな化学変化が起きているのか?』ということがわからなかったんです」
菅田「原作漫画を読んでいる立場からすれば、絶対に面白いシーンになるとはわかっているんです。でも、自分たちは原作を超えなければならない。生身の人間で表現したら、一体どうなるのかと思っていました」
そんななか、山崎監督はあるアイデアを思いついてしまったと、映画.comに公開当時に明かしています。菅田と山崎監督のやり取りから、その思いつきがどれほど過酷なものであったかがうかがい知ることができます。
菅田「リハーサルは、少し力が抜けてるから上手くできるんですけど、それを見た山崎監督が『これ、カットを割らずに出来るな』とおっしゃったんですよ。『おっと、マジか!』と(笑)。確かにそれで出来るのがベストですけど…でも、チャレンジしました。そういう挑戦ができたのも良かったですね」
山崎監督「実際上手くいったんですよ(笑)。負荷を与えると燃えるタイプだなと思ったんです。舘さんたちは、それがどれほど大変なことか知っているから、芝居が上手くいった瞬間に『素晴らしい!』『あいつは一体何者なんだ!』と拍手喝さいでしたね。橋爪さんに至っては、山田洋次監督と会った時に、菅田君のことを褒めまくっていたらしいですよ。よっぽど気に入ったんでしょう」
もしかすると、橋爪が山田洋次監督に菅田を絶賛したことが、21年に公開される「キネマの神様」へと繋がっているのかもしれませんね。
上記の通り、同会議シーンで対峙したベテラン俳優陣は、菅田を絶賛しまくります。どのような表現で褒めまくっていたのか、振り返ってみましょう。
舘ひろし「天才ですよ。本当に素晴らしい。この顔とスタイルで、あれだけ芝居が上手かったら、女にモテないわけがない! 初めて男に嫉妬を感じましたよ」
小林克也「菅田君の楽曲『まちがいさがし』が大ヒットしていますが……。(劇中でも)声がすごく良いんで、ビックリしちゃった」
橋爪功「映画を観ていただくと、菅田君の天才ぶりが本当によくわかる」
そして、極めつけが田中泯とのエピソード。
菅田「泯さんからいただいた、すごく嬉しい言葉があって……。ふたりだけのシーンがあるのですが、セッティングの最中に『今のカット、同い年の人としゃべっているみたいだった』と言ってくださったんです」
ベテラン陣の天真爛漫な振舞いは、撮影現場でもそのまま。ピリピリしたシーンであっても、酸いも甘いも噛み分けてきた面々は自然体そのもの。橋爪らが「監督、そんなに忙しくないんだろう? 俺たち主演で1本映画を撮れよ」と山崎監督に迫るひと幕を目撃しました。「永遠の0」にも出演してその忙しさを知る田中は、タジタジになる山崎監督を見て爆笑していたことも、現場の雰囲気が伝わるエピソードとして最後に記しておきます。
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