北野武監督映画、あなたの“BEST”は? 人気投票の結果発表【狂気の新作「首」公開記念】
2023年11月18日 12:00
北野武(ビートたけし)監督が構想に30年を費やした戦国エンタテインメント大作「首」が、11月23日に全国公開を迎えます。映画.comでは、同作の公開を記念して、北野監督作品の人気投票企画「あなたが選ぶ“BEST北野武監督作品”」を開催しました。
本記事では、投票いただいた方々の推薦コメント(一部抜粋)とともに「あなたが選ぶ“BEST北野武監督作品”」の結果を発表させていただきます!
●10位:「アウトレイジ ビヨンド」(2012年公開/得票率:4.9%)
【作品概要】
北野武監督・主演で悪人同士の壮絶な権力争いを描いたバイオレンス映画「アウトレイジ」の続編。関東最大の暴力団組織・山王会の抗争から5年後を描く。前作から続投のビートたけし、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、小日向文世らに加え、関西ヤクザ役で西田敏行、塩見三省、高橋克典、桐谷健太らが新たに参戦している。
【推薦コメント】
「前作からの流れをただの復讐劇にするのではなく“巻き込まれていく”というその創造力にただ驚かされました!! 続編は初の試みなのに」(40代/男性)
「ヤクザ映画の暴力は笑いと紙一重。西田敏行さん、塩見三省さんらのヤクザの恫喝の応酬はヒリヒリするくらい恐いのに笑ってしまう。夫婦で寸劇できるくらい好きだ。ラストもほんとに言葉を失うブラックアウト」(女性/30代)
●同率8位「HANA-BI」(1998年公開/得票率:6.6%)
【作品概要】
【推薦コメント】
「映像、脚本、演技、全てにおいて完璧でした」(20代/女性)
「日常と非日常の温度差が良い。大杉連の代表作かもしれない」(50代/男性)
「物語りも美しいですが、演出を含めた映画全体の画作りがとても綺麗。既存の映画の作り方を無視し、これが北野流だという静かな気概に満ちた作風の名作。敢えて芸術と呼びたい映画です」(60代/男性)
●8位「その男、凶暴につき」(1989年公開/得票率:6.6%)
【作品概要】
北野武の映画初監督作。ヤクザに雇われた殺し屋・清弘と、それを執拗に追う刑事・我妻諒介との争いを描く。
【推薦コメント】
「デビュー作からもう天才。その後の全ての序曲にして傑作。北野武映画全般に流れる乾いた暴力のビート感がクール。見るたびに新たな発見がある」(30代/男性)
「正直全ての北野作品が1番ではあるが、衝撃度は『その男、凶暴につき』が1番、今観ても新鮮で完璧なバイオレンスだと思う。邦画が世界でたたかえるのがバイオレンス映画だと思う理由がこの映画につまっている」(女性/40代)
「監督としての初期衝動を明確に映像にしている作品だから。日本のみならず世界に衝撃…ファーストインパクトを与えたという意味でもこれになる」(40代/男性)
●7位「Dolls(ドールズ)」(2002年公開/得票率:6.9%)
【作品概要】
【推薦コメント】
「愛の在り方について深く考えさせられる作品。四季折々の美しさの中、どこか儚くて脆い三者三様の恋愛模様を楽しめて好きです」(10代/女性)
「北野監督は様々な映画でキタノブルーなどをはじめとする、『映像美』を見せてくれますが、この映画では特にそれが顕著であること。また暴力的なシーンが多い他作とは違っているものの、ある意味残酷なストーリーがとても面白いため推薦します」(20代/男性)
「鮮烈で強烈な色(四季)彩がとても印象的で、記憶に焼き付いてる。まるで純文学を映像化したような、美しさと悲哀が詰まった愛と死の物語」(30代/女性)
●6位「あの夏、いちばん静かな海。」(1991年公開/得票率:7.2%)
【作品概要】
【推薦コメント】
「主役二人の心の交わりを台詞ではなく映像と状況で魅せていく構造が活動写真の原風景を追体験しているかのよう。二人だけの世界、気持ちを想像させながら没入させることに成功している恋愛映画の大傑作だと思います」(30代/男性)
「何故だか分からないけど涙が止まらなくて。自分でも意識のない部分に触れたのだと思う」(40代/女性)
「本当に静かな静かな映画でした。今まで観た中で1番の切ない恋の映画。2人がサーフボードを持って歩く姿、ちょっぴりヤキモチを妬くシーン、どれもステキでした。北野監督くくりじゃなくても、生涯で大好きな映画の一つです」(女性/50代)
●5位「菊次郎の夏」(1999年公開/得票率:7.7%)
【作品概要】
遊び人の中年男と母親を探す小学生、不釣り合いなふたりが繰り広げる一夏の冒険を描いたロードムービー。1999年・第52回カンヌ国際映画祭に出品された。メインテーマ曲は、久石譲の「Summer」。
【推薦コメント】
「最も北野監督の温かみを感じるから。夏休みの思い出が蘇る」(20代/男性)
「映画といえばドンパチうるさくて怖いもの…と思っていた子供時代に、両親と一緒に見て、こんな優しい映画もあるんだ…と映画の見方が変わった一作!!優しくておもしろくて切なくて大好きです!!」(30代/女性)
「俳優・ビートたけしの魅力が、監督・北野武の手腕によって存分に発揮されている佳作だと思います。可笑しみと、哀愁。正男少年に対する自己投影的な愛情。一緒に遊んであげること。最も大切な教育。久石譲の音楽も含め、何度観ても心が揺さぶられる、大傑作」(40代/男性)
「暇さえあればバイト代で映画館に通って色んな映画を観ていた高校生の頃に出会いました。今までの北野作品と違い、観終わった時にあたたかい気持ちになれた映画。色の使い方も好きです」(40代/女性)
「1番リピート回数が多い作品です。笑いと切なさ、仕方無さのバランスが好きです」(50代/男性)
●同率3位「アウトレイジ」(2010年公開/得票率:9.9%)
【作品概要】
北野武監督が原点回帰し、ヤクザ同士の熾烈な権力闘争を描いた第15作。関東最大の暴力団山王会の若頭・加藤は直参の池元組組長・池元に、池元と付き合いのある村瀬組を締めるよう苦言を呈する。そこで池元は配下の大友組組長・大友に、その役目を任せるが……。大友にビートたけし、加藤に三浦友和のほか、椎名桔平、加瀬亮、國村隼、石橋蓮司、小日向文世、北村総一朗らが集結。
【推薦コメント】
「怖いのに目が離せない」(20代/女性)
「裏社会の裏切りと権力抗争、様々な殺害方法など、北野作品で度々描かれてきた暴力と人間の暗部を描く事の、一つの到達点的作品だと思うから」(30代/男性)
「自分はこの映画をみて、歯医者にいけなくなったり、普通のドラマや邦画がみれなくなりました。それくらいの衝撃を殿は与えてくれました」(30代/女性)
「ヤクザ映画やバイオレンスムービーは決して好みではない私が、道徳とか倫理とか飛び越えて、シンプルに『カッコいい!』(という感覚に)に襲われてしまった映画」(40代/女性)
「登場人物全員がろくでなしでハッピーエンドも無いのに、突き抜けた暴力描写とヤクザ同士のデスゲームという構図に爽快感がある」(40代/男性)
「『ソナチネ』も捨てがたかったですが、『アウトレイジ』の方がより一般の人にわかりやすいバイオレンスと男臭さ、誰も信じられない厭さがあって好きです。恐らく皆さんが推するであろう、椎名桔平さんが演じる水野の死のシーンに、不謹慎ではありますが退廃美を感じます」(50代/女性)
●3位「キッズ・リターン」36票(1996年公開/得票率:9.9%)
【作品概要】
【推薦コメント】
「若者の青春を厳しい現実と照らし合わせながら描いていて、高校生になった自分に重なる部分もあり大好きです。『馬鹿野郎、まだ始まっちゃいねーよ』の台詞のラストシーンは何度見ても痺れます」(10代/女性)
「青春の鮮やかさと人生の厳しさの混ざり合った儚い輝きが表現されていて、とても心を打つ作品です。終わり方がすごくカッコよく、最も好きな映画のラストシーンの一つです」(20代/男性)
「『青春』とは何かを教えてくれた作品。ラストシーンの自転車2人乗りと名セリフはこの先もずっと語り継がれると思う」(30代/男性)
「この作品を10代の頃に知って観ることが出来て本当に良かったと思っている。この作品の素晴らしくて凄いところは鑑賞時の年齢(年代)で、作品の感想や印象が変わるところだと思っている」(40代/女性)
「報われない、救われない者たちに神は見捨てない、なんてことは決してない現実を観ているものに突き付けますが、『自分で自分を見捨てるなよ』という北野武の思いが感じられます」(50代/男性)
●2位「座頭市」(2003年公開/得票率:11.3%)
【作品概要】
【推薦コメント】
「往年の座頭市作品のハードボイルドさを残しつつ、監督らしい残虐さと華やかさを取り入れた名作だと思います。カッコいい!」(20代/男性)
「時代劇映画の中でタップダンスを踊るとは思わなかったので印象に残ってます。殺陣の凄さは言うまでもなく素晴らしいです」(30代/男性)
「初めて観た北野監督作品が『座頭市』でした。初っ端から最後まで見どころ満載で尚且つちょっと笑えるシーンや下駄タップダンスなど北野監督ならではのユーモラスな魅せ方も魅力的です」(30代/女性)
「怒涛の連続ミスリードに見事に引っかかっていた種明かしに圧倒されたから。最後のオチの一言も大笑いした」(40代/男性)
「他に類を見ない演出、クライマックスへ向けてのまるでミュージカルのような盛り上がりが最高でした!ラストの一言は、北野監督からのメッセージに思えて心に響きました」(40代/女性)
●1位「ソナチネ」(1993年公開/得票率:14.6%)
【作品概要】
沖縄の抗争に助っ人として送り込まれたヤクザが激しい戦いに巻き込まれていく姿を、独特のユーモアを交えながら淡々としたリズムで描いたバイオレンスドラマ。1993年・第46回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された。
【推薦コメント】
「『その男、凶暴につき』~『あの夏、いちばん静かな海。』までの実験的な作品を経て、『ソナチネ』は北野武の作家性が一気に発揮された作品だと思ったから。死、暴力、海、笑い、北野映画の魅力が全て詰まった作品」(20代/男性)
「平穏と暴力の絶妙なバランスは何度も観ても飽きさせない。海辺での相撲は震え立つ程面白かった」(30代/男性)
「青い空と海、赤い花と血…初めて鑑賞した時は、目にも鮮やかな諦観に叩きのめされたことを覚えています。死ぬのが怖いから生きてることが怖くなる、そんな誰もが生きる上で根底に持っている恐怖心に向きあった主人公の最期が、あまりにも好きです」(30代/女性)
「暴力と平和な日常との共存、そして鮮烈なエンディング、北野作品の傑作だと思います。初めて観た時に、理由もわからぬまま涙が溢れて止まりませんでした」(40代/女性)
【あなたが選ぶ“BEST北野武監督作品”ベスト10】
1位「ソナチネ」(得票率:14.6%)
2位「座頭市」(得票率:11.3%)
3位「キッズ・リターン」(得票率:9.9%)
同率3位「アウトレイジ」(得票率:9.9%)
5位「菊次郎の夏」(得票率:7.7%)
6位「あの夏、いちばん静かな海。」(得票率:7.2%)
7位「Dolls(ドールズ)」(得票率:6.9%)
8位「その男、凶暴につき」(得票率:6.6%)
同率8位「HANA-BI」(得票率:6.6%)
10位「アウトレイジ ビヨンド」(得票率:4.9%)
【おまけ:“ベスト10”以外にも熱いコメントが続々!】
惜しくもベスト10には入らなかった作品にも、ファンからの熱いコメントが寄せられていました。ここでは、その一部を順不同でご紹介します!
●「3-4x10月」(1990年公開)
「映画は『見るもの』だった高校生の私に、初めて映画を強烈に『体験』させてくれた作品。冴えない男が巻き込まれていく、暴力的で、噎せ返るほどの色気に満ちた世界が今でも心に焼き付いています」(30代/女性)
●「BROTHER」(2001年公開)
「初めて劇場で見た北野作品でした。今でもあの時の衝撃は忘れられず、最近も観ています。もう何十回見たかわかりません。初海外ロケなどの新しい試みや、暴力と哀愁、久石譲の音楽と色。全てが完璧で当時18歳だった私にブッ刺さった作品です」(40代/女性)
●「アウトレイジ 最終章」(2017年公開)
「北野監督が世に生み出し続けてしたアウトレイジシリーズの集大成にして、新キャストも含め、全員が大暴走していくマスターピース!!」(20代/男性)
●「TAKESHIS'」(2005年公開)
「この作品こそ、世界最高の編集マスター北野武監督の真骨頂だと思います!瞬間的に垣間見えるパラレルワールド!自分は興奮のあまり3日続けて劇場で鑑賞しましたよ」(40代/男性)